炭鉱マンが愛した味!佐賀・大町のソウルフード「大町たろめん」を継承する活動

炭鉱マンが愛した味!佐賀・大町のソウルフード「大町たろめん」を継承する活動

日本にはその土地ごとに独自の料理があります。しかし中には、時代が流れていくにつれて消えてしまった料理もあります。いま全国に起こっている話題を届ける『CBCラジオ #プラス!』「日本全国にプラス」のコーナー。4月22日の放送では、住み慣れた土地を離れて佐賀県の「大町たろめん」を継承し、残す取り組みを行っている三村優也さんに話を伺いました。

一度は絶えた味

佐賀県杵島郡大町町は佐賀県のほぼ中心に位置し、もともと杵島炭鉱(きしまたんこう)の町として栄えた場所です。
「たろめん」は当時そこで働いていた炭鉱マンから愛されていました。

しかし2000年に「たろめん」を作っていた唯一のお店が閉店してしまい、一度はその味が途絶えてしまいました。
そして有志の試行錯誤によって「大町たろめん」として復活しました。

「大町たろめん」は、細いうどんを使う麺料理。牛骨ベースのスープに生姜の効いた味わいで、キャベツ、タマネギ、ニンジンがたっぷり入っています。

ちなみに「たろめん」の名前の由来は、「うどん好きの太郎さん」が作っていた「太郎麺」から。なんともユニークなネーミングです。

知らない土地での生活

横浜市の飲食店で働いていた三村さんは、知人を通して「地域おこし協力隊(大町たろめん伝承者)」の募集を知ったそうです。

それまで「たろめん」のことは何も知らなかったそうですが、「自分が知らないもの、見たことがないものに興味が湧いた」という三村さん。

「今まで飲食店で働いていたことが使えるのでは、誰かのためになるのでは」という思いで応募したといいます。

三村さんが佐賀を訪れるのはその時が初めて。最初は「知らない土地で生活をする」ことが
難しかったそうです。

たろめん作りの難しさ

三村さんは「たろめん」のレシピを習うだけではなく、「地元で愛されている味をしっかり残すという使命感もある」と話しました。

三村さん「皆さんが納得できる味を毎日毎日探しながら試行錯誤することが一番難しいですね。思いも受け継いでいかなきゃいけないと思うので」

修行中のお店の中には、お客さんによって生姜の量や塩分を変えるなど、ひとりひとりの好みに合わせて作るところもあるそうです。

日によって牛骨スープの味も異なるため、しっかりと味見をして、その日に合わせた作り方をする必要もあるそう。

ただ作るだけではないところも難しい部分だといいます。

1回食べたらまた食べたくなる

今後は、大町の方々から「今日もたろめんを食べられてよかった」と喜んでもらえる活動をしていきたいという三村さん。

いずれは自分の店も持ちたいと考えているそうです。

「大町たろめん」の魅力は、「1回食べた後に、気づいたらまた食べたくなるところ」にあるといいます。

現在「大町たろめん」を提供しているお店は3店舗ありますが、それぞれ味が異なるので、食べ比べも楽しめるのだそう。

人の温かさが魅力の町

「大町たろめん」は、その名の通り大町でしか食べることができません。

三村さん「大町に来て楽しんでいただくために、大町のソウルフードとして出してますので、ぜひとも大町に来ていただけたらな、と思います」

大町の魅力は、「自然と人」だそうです。

三村さん「通りすがる人は毎日あいさつをしてくれますし。笑顔が素敵だったり、声掛けもしてくれます。人の温かさがありますね」

佐賀県大町町でしか食べられないソウルフード「大町たろめん」を継承するべく活動中の三村さんでした。
(minto)

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