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石川遼を救ったジャンボ尾崎からの「もっと悩め」苦しい時期を打破させた答えのない愛の指導

石川遼を救ったジャンボ尾崎からの「もっと悩め」苦しい時期を打破させた答えのない愛の指導
石川遼選手(C)CBCテレビ

「もっと悩め」。
苦しい時期にレジェンドからかけられたその一言は、石川遼にとって何よりの救いであり、進むべき道を照らす指針だった。
日本の民間トーナメントとして最長の歴史を持つ「中日クラウンズ」。その第66回大会が、今年4月30日より愛知県の名古屋ゴルフ倶楽部 和合コースを舞台に幕を開ける。

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和合の魔物とレジェンドの洗礼

舞台となる和合コースは、距離こそ短いものの、プロたちの間では日本屈指の難関として知られている。お椀を伏せたような小さく硬いグリーンや、名物である魔の17番ホールなど、至る所に巧みな罠が張り巡らされている。一瞬の油断でスコアを崩すことから、そこには「和合の魔物」が棲むと言われている。

石川遼選手(C)CBCテレビ

そんな難攻不落のコースに、石川が16歳で初出場したのが2008年のこと。このとき同組でプレーしたのが、「和合の王」ことジャンボ尾崎だった。子どもの頃から憧れ続けた人との夢のようなラウンド。しかし、ホールアウト後にレジェンドから飛んできたのは「お前バカだな」という強烈な一言だった。15番ホールで無謀な攻めをしてミスをした直後、16番で安全に刻んだことに対し、「ドライバーを打つところが逆だろ」と叱咤されたこともあった。

答えを教えない「愛」の指導

プロ転向直前、石川はジャンボの自宅兼練習場での合宿に参加している。しかし、そこでの指導は決して手取り足取りではなかった。左手で羽子板を打つようなトレーニングや、股の下から手を出して横に動きながら野球のノックを受けるといった独特なメニューばかり。しかも、「何のためにやっているのか」という答えは一切教えてくれなかったという。

石川遼選手(C)CBCテレビ

「自分で考えるということを教えていただきました」。石川は当時をそう振り返る。答えを与えられず、ただひたすらに自分の体と向き合い、考える。その経験があったからこそ、後年、成績が出ずに苦しんでいた時期にかけられた「もっと悩め」という言葉が深く突き刺さった。
「自分でもっと考えて悩んでいいんだなっていうことはすごく思ったので、そこでかなり吹っ切れたというか」。ジャンボ自身も30代、40代で結果が出ない時期を自らの力で打破してきた。だからこそ、自らの力で壁を乗り越えさせようとするその言葉には、底知れぬ愛が込められていたのだ。

受け継がれる「クラウンズの魂」と次なる一打

「こんなにジャンボさんからのすごい愛情だとか、深いところで見守ってくれてるなって感じられたのは、この上ない幸せだと思います」。石川にとってジャンボ尾崎とは、一言で言えば「愛」そのものだ。

石川遼選手(C)CBCテレビ

偉大な先輩から受け取った「考える力」と「情熱」。それは間違いなく、石川の中に「クラウンズの魂」として脈々と受け継がれている。選手のレベルが上がり、アグレッシブなプレーが台頭する現代においても、和合の魔物をねじ伏せるには、自ら考え抜く力と揺るぎない情熱が必要不可欠である。悩み抜いた末に見出した自分だけの答えが、これからの彼のプレーをより一層輝かせるはずだ。

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