ジャンボ尾崎超えの若き虎・蟬川泰果「アグレッシブさは本当に大事」と語る中日クラウンズ攻略法
4月30日から5月3日にかけて、愛知県の名古屋ゴルフ倶楽部 和合コースにて「第66回中日クラウンズ」が開催される。1960年に始まった、日本で最も長い歴史を持つ民間トーナメントとして、格式の高さを誇るこの伝統ある舞台で、ひときわ強い思いを抱いて頂点を狙う若きゴルファーがいる。蟬川泰果(せみかわ・たいが)だ。

「まさか骨折するとは思ってなかったので」
「泰果(たいが)」という名前はゴルフ好きの父がタイガー・ウッズにちなんで名付けた。史上初のアマチュアでのツアー2勝を誇る規格外の選手だ。昨年はジャンボ尾崎の記録を塗り替え、史上最年少で国内メジャー3冠を達成するという偉業も成し遂げた。
しかし、昨シーズン序盤は過酷な試練に見舞われた。アメリカ下部ツアーに挑戦した矢先の2月、まさかの肋骨骨折。「まさか骨折するとは思ってなかったので」と語る通り、想定外のアクシデントだった。
リハビリを経て、復帰戦の舞台に選んだのが昨年のクラウンズである。痛みを抱えながらも予選を通過したが、最終成績は60位タイ。「個人的にはすごく頑張ったなと思ってますね。痛む中、まず予選通過できたのは嬉しかったですけど、やっぱり復帰してすぐに上位に入れるほど甘くないなっていうのはすごく感じたので、悔しかったですよね」と、当時の無念さを滲ませる。それでも、ゴルフができない期間に「やれることの嬉しさ」を再確認した蟬川は、シーズンを戦い抜き、終わってみれば賞金ランキング3位という見事な成績を残した。

「アグレッシブさっていうのは本当に大事」
悔しさを糧に、オフシーズンは徹底的な肉体改造とスイングの見直しに着手した。足元でしっかりと食いつきながら出力を出すスイングへと進化させ、「飛距離も結構伸びている」と手応えを口にする。さらに、今年1月からはメンタルコーチをつけ、プレッシャーのかかる場面で波風を立てず、自身の状態を客観視して対処できる強靭(きょうじん)な精神力も磨いている。
迎える今年のクラウンズ。初出場時に3位に食い込んだ相性の良さもあるが、何よりも「歴史ある大会でもあるし、1番を取りたい」という強い執念がある。攻略の鍵となるのは、鬼門の15番パー5をはじめとするコースマネジメントと、彼本来の持ち味だ。「自分の持ち味のアグレッシブさっていうのは本当に大事だと思うので。攻めていく気持ちは忘れずやっていけば、いい結果につながるかなと自分では分析してます」と力強く語る。

大会の最終日には、母校・東北福祉大のチームカラーであり、自身の初優勝時にも着ていた「勝負カラー」である黄色のウェアで挑む予定だ。「今年はやっぱり優勝したいですよね。そこを目標に4日間やっていきたいですね」。試練を乗り越え、心技体すべてにおいて一皮むけた若き虎が、伝統ある愛知・和合の舞台で王冠を狩りに行く。



