日本体操界の頂点を決める戦い!全日本体操選手権2024展望 ~寺本明日香が語る注目選手とみどころ~
11月22日から24日、三重県四日市市総合体育館で全日本体操団体選手権と全日本体操種目別選手権が開催される。今年のパリ五輪で活躍した選手たちも出場し、国内体操界の頂点を決める大会となる。元体操選手の寺本明日香氏に見どころと注目選手について聞いた。
「チームワーク」が光る団体戦
「団体戦の魅力は、何と言ってもチームワークです」と寺本氏は語る。「3人全員の演技が得点に影響するプレッシャーの中で、選手たちがどう助け合い、盛り上げていくかに注目してほしい」
団体戦の注目チームとして、寺本氏は日本体育大学、筑波大学、鯖江高校の3チームを挙げた。
「日本体育大学は、練習方法もチームワークも変わらず日本トップクラス」と評価。パリ五輪代表の牛奥小羽選手と芦川うらら選手を擁する同校について、「牛奥選手の跳馬、芦川選手の平均台は世界トップクラス。そういった強い種目を持つ選手がいることで、チーム全体が強くなる」と分析する。
昨年2位の筑波大学は「全体的にミスが少なく、誰一人バタバタしていなかった」と評価。「日体大は練習量、筑波は頭脳で戦う」と、対照的な特徴を指摘した。
鯖江高校は昨年優勝を果たし、「ジュニアのパワフルな力が出ていた」と評価。ただし、「高校3年生が大学に進学したことで、今年は大学生の方が一歩上にいる印象」と分析した。
スペシャリストが魅せる種目別
種目別については、「スペシャリストの演技を見てほしい」と寺本氏。「貴重な技や、見たことがない選手の素晴らしい演技など、お宝探しのような楽しみ方ができます」と語る。
各種目の注目選手として、以下の選手を挙げた。
跳馬:宮田笙子選手、牛奥小羽選手
段違い平行棒:中村遥香選手、深沢こころ選手
平均台:芦川うらら選手、岡村真選手
ゆか:宮田笙子選手、高橋凛選手、岡村真選手
特に、段違い平行棒の中村遥香選手については、「G難度の『デフ』という技を披露すると思います。体操を知らない人でも目を引くような、サーカスを見ているような演技になるはず」と期待を寄せる。
対照的な魅力が光るゆか
ゆかでは、宮田笙子選手と高橋凛選手の対照的な魅力に注目だ。
宮田選手は「圧倒的にダイナミックで他の選手とは異なる」と評価。「テンポテンポバク転から何かにつなげる」独特の技の組み合わせが見どころという。
一方、高橋凛選手は「美しくて魅力的な選手」と評する。「中学1年生なのに大人びていて、目力もすごい。美しくて柔らかい演技の中に、鋭く力強いポーズと表現力があり、最も引き込まれる」と絶賛した。 「二人は対照的ですが、どちらも女子体操のゆかならではの魅力があり、見ていて面白い」とまとめた。
注目の"努力の人"岡村真
寺本氏の「推し選手」は岡村真選手だ。「まず見た目の美しさ。膝つま先が綺麗で、線が美しい」と評価する。 さらに、「現役時代に一緒に練習した経験がありますが、練習量が半端ない。アップも1.5倍行い、ただ長いだけでなく、基本練習や基本トレーニングを徹底的に行う。この努力の仕方を続ければ、必ず上手くなると思える選手です」と期待を寄せた。
新星の予感!山本七海
次世代を担う注目選手として、山本七海選手を挙げる。「減点の少ない演技が持ち味。もう少し難度を上げれば、世界選手権メンバーにも入ってきそう。」と期待を寄せた。
最後に寺本氏は「全日本体操選手権は、日本一のチームワークと日本一のスペシャリストの演技をご覧いただける大会です」とまとめた。 パリ五輪代表の活躍はもちろん、次世代のスター誕生にも期待が高まる今大会。日本体操界の現在と未来を見られる貴重な機会となりそうだ。