未開通区間がついに完成!半世紀の夢が叶う「名豊道路・蒲郡バイパス」を徹底解明

全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道を紹介。今回は、もうすぐ全線開通する「名豊(めいほう)道路」の作業現場に潜入!国交省協力のもと、唯一開通していなかった「蒲郡(がまごおり)バイパス」を特別に歩かせてかせてもらい、一足先に隅々まで見学させてもらいました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)
未開通だった「蒲郡バイパス」が完成!夢の道路「名豊道路」が全線開通

愛知県の名古屋市と豊橋市を結ぶ国道23号のバイパス「名豊道路」が、2025年3月8日に全線開通!事業開始から約50年。ようやく“夢の道路”が完成します。
名豊道路は5つのバイパスで構成されており、唯一開通していなかった蒲郡バイパスが繋がることで、全長約73km信号なしの無料の高規格道路が完成します。
今回新たに開通するのは、蒲郡ICから豊川為当(ためとう)ICを繋ぐ約9kmの区間。全線開通により、以前は下道で2時間近くかかっていた名古屋~豊橋間が50分も短縮。さらにその先の浜松までも、1時間半近く短縮が可能になります。
また、三河港との物流の効率アップも期待されており、自動車や工業製品の運搬がよりスムーズになると言われています。
「蒲郡バイパス」には工夫が盛りだくさん!

これまでは蒲郡ICで下道に降りざるをえなかったのが、新しい道路が繋がることで直進が可能に。道路沿いに掲げられた「バイパス終点」の看板は、開通に合わせて撤去されます。
反対に、未開通だった区間には新しく標識や看板を設置している作業現場も。板面と柱で計40kgある標識が、9kmの間に110個。大きな道路標識は17個、取り付けられます。

また、道中にはアスファルト舗装からコンクリート舗装に切り替わる場所が存在。これはコストと音に関係しており、一般的にアスファルトよりコンクリートの方が長期的にはコストが抑えられますが、走行音が大きくなってしまうそう。
そのため、周辺環境への影響を考え、市街地に近い区間をアスファルト、民家がなくなる山の区間をコンクリートにする工夫がされています。
さらに、上りと下りが1車線ずつの道路脇に土の部分があるのにも理由が。その場所は二期線の予定地(4車線計画のうち、将来造る部分)で、最終的には2車線ずつに拡幅を予定しているとのことです。
トンネルにも秘密が満載!「国坂トンネル」と「豊沢トンネル」

未開通だった区間で最も標高が高い場所にあるのが、標高150mの「国坂(くにざか)トンネル」。全長678mで、トンネル内には豊川市と蒲郡市の市境表示があります。
センターに設置されたポールにも工夫が。「センターポールに付いている“腰蓑(こしみの)”が風でヒラヒラして、ポールを奇麗にする仕組み」と道マニア。腰蓑が風になびいて、排ガスやススなどを落としてくれるのだとか。

「豊沢トンネル」には、隠された秘密も。看板には全長“537m”と書いてありますが、銘板には“336m”と書かれており、看板と銘板で長さの表記が201mも違います。
アーチ型からコンクリートで造られた箱型の建造物に切り替わる場所があり、本来はアーチ状の部分が豊沢トンネル。箱型の建造物は、その真上にある学校と関係があるとのこと。

山を掘り進めていくと、御津(みと)あおば高等学校のグラウンドの地下にぶつかるルートだったため、その先はトンネルではなく箱型のコンクリートを繋げる形で道を造ったそう。
グラウンドが使えない期間は近くに造った仮設のグラウンドを使用してもらい、工事が終わったあとグラウンドは戻されました。
ドライバーは豊沢トンネルと箱型の建造物を同じトンネルと捉えられるため、看板には長さの合計“537m”を記し、関係者が見る銘板には豊沢トンネルの正確な長さ“336m”を表記しているそうです。
CBCテレビ「道との遭遇」2025年3月4日(火)午後11時56分放送より
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