大岩をくり抜いた素掘り隧道 100年以上前の隧道が眠る大分県の廃道を巡る旅

2024年3月5日(火)放送
大岩をくり抜いた素掘り隧道 100年以上前の隧道が眠る大分県の廃道を巡る旅

ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、全国800か所以上の道を巡ってきた道マニア歴19年の石井あつこさんが、大分県にある“廃道”を巡ります。※安全対策をしてロケをしています。廃道は危険ですのでむやみに立ち入らないでください。

荒れた廃道に眠る100年以上前の「平淵隧道」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

石井さんと一緒に旅をするのは、一般の男性。

(道マニア・石井あつこさん)
「今日は冒険性のある廃道を紹介したい」

訪れたのは、杵築市(きつきし)。石井さんが、以前から大分県の中で一番行ってみたいと思っていたという廃道を目指します。

2人が向かう廃道は、昭和46年に県道644号が造られる前まで使われていた道だそう。明治時代にベースとなるルートが造られ、県道藤原杵築線として活躍したのち、今は廃道になっています。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

県道644号から旧道に入り、いよいよ廃道区間へ。八坂川に沿って存在していたかつての道は、今は倒木や土砂などで荒れ果てた状態です。そんな廃道を歩くこと30分。現れたのは、「平淵(ひらぶち)第二号隧道」。

竣工年は不明ですが、「明治36年(1903年)には完成していたと、地形図から読み取ることができる」と石井さんは言います。車が通れるほどの幅員があり、「昭和に入って改修され、コンクリートの姿になっているのでは」と石井さん。さらに、「第二号があるということは、第一号がある」と言います。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

「平淵第二号隧道」からさらに廃道を進むこと15分。現れたのは、大岩をくり抜き、内部にはノミで削った跡が残る素掘りの「平淵第一号隧道」。明治時代に造られたローカルな隧道にしては大きく、バスが通れそうなほどの幅員があります。

石井さんが調べた情報によると、明治44年に近くに杵築駅ができたことで人の往来が増加。さらに、客馬車がすれ違えるようにする必要があったため、あえて大きい隧道を造ったのではないか、とのことでした。

浦代峠にある廃道と「浦代隧道」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

続いて訪れたのは、佐伯市(さいきし)。石井さんが昔の地形図を見て、どうしても直接見てみたいという浦代(うらしろ)峠の隧道を目指します。

新浦代トンネルの近くを走る県道501号の脇から、浦代峠を越えるために使われていた廃道区間へ。道なき道を進むと、地形図に書かれている通り、ヘアピンのように急角度で折れ曲がっているヘアピンカーブの名残が見られます。

さらに歩くこと30分。現れたのは、明治43年(1910年)竣工の「浦代隧道」。かつてはバスも走行していたそうで、隧道内は天井が高く、部分的に石積みで補強されています。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

(道マニア・石井あつこさん)
「その時代なら素掘りでも問題ないが、あえて石造りのポータルに晴れがましい気持ちを感じる」

地元の方の話によると、廃道区間が現役だった数十年前は、遠足や通学などに使われていたそう。バス走行時にはヘアピンカーブで脱輪しないよう、何度も切り返していたと言います。

近隣の集落にとって重要だったその道は、新浦代トンネルの開通によって廃道化。さらに現在は、この近くに「第二浦代トンネル」の建設計画が進められています。

3月5日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より

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