呼び名は天狗伝説が由来!?岐阜県にある「越中街道」の「高崖道」の謎を解明!
全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は、岐阜県にある「越中街道」を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)※安全に留意して撮影しています
当時の重要ルート!富山と岐阜をつなぐ「越中街道」
江戸時代に、富山と飛騨高山をつなぐ重要な道として造られた「越中街道」。当時は東街道・西街道・中街道の3つのルートがあり、主に物流のために使われていました。富山方面から飛騨へ米や塩、魚などを運び、中でも富山湾で獲れたブリを多く運んでいたことから「ブリ街道」とも呼ばれていたそう。
今回、道マニアが訪れた飛騨市神岡町割石には、国道41号と並行して「越中中街道(えっちゅうなかかいどう)」が今も残っており、入口には旅の安全を祈願した「祠(ほこら)」も。かつての街道は山道から次第に崖道へと変わり、岩壁には道造りのために削られた痕跡が見られます。
その道は国道41号からも見える高い崖にあり、地元の人たちからは「割石の“高崖道(たかはなみち)”」と呼ばれているそう。「高崖道」の先には、高圧鉄塔が石垣をまたぐように立っています。
呼び名は天狗伝説が由来!?鉄道の名残も見られる「高崖道」
神岡町で生まれ育った男性に伺ったところ、「高崖道」には、追いかけてきた天狗の長い鼻が崖に当たって天狗が落ちてしまい、逃げ切れたという言い伝えがあるそう。天狗の伝説から崖の道が「高鼻(たかばな)」と呼ばれていたことが、現在の呼び名「高崖(たかはな)」につながっているのではないか、とのこと。
さらに鉄塔の足元にある石垣は、鉄道工事の名残なのだそう。昭和41年から平成18年までの40年間、富山市と飛騨市をつなぐ「神岡線」が運行しており、鉄塔が立つ場所は鉄道のトンネル工事によって出た土砂などを捨てる場所として使われていたのだとか。
石垣はその名残で、取り壊されることなくその上に鉄塔が建てられました。そして「高崖道」は、その鉄塔のメンテナンスなど、北陸電力の巡視路に活用されています。
8月8日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より