100例の「溺れた理由」から学ぶ、水難事故の予防

これからの季節は水難事故が増加します。溺れた人達の経験を基に、水難事故の予防につなげるコンテンツを日本財団と日本ライフセービング協会、日本水難救済会などによる「海のそなえプロジェクト」が作成しました。6月28日放送『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)では、日本財団 海のそなえプロジェクトプロデューサーの柴田さんに、パーソナリティの北野誠と加藤由香アナウンサーがその趣旨を尋ねます。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く1,000人からデータを収集
プロジェクトでは昨年8月、本人や同行者が海で溺れそうになった経験がある約1,000人を対象にインターネット調査を実施。
調査結果と既存のデータを参考に、100通りの川や海で溺れるきっかけを集め、先月に「これで、おぼれた。『おぼれ100』」と題し、インスタグラムと公式サイトで情報発信を始めました。
溺れる理由についてイラスト中心でわかりやすく解説し、さらにコメント欄に体験談を書いてもらうことでさらに情報を集め、水難事故の予防につなげるしくみとなっています。
浮き輪があっても危険?
溺れるきっかけとなる100のケースの例をいくつか紹介します。
例えば浮き輪があっても溺れるケース。
使い方が誤っている、サイズが合っていない、転覆してパニックになり溺れることもあるそうです。
また、浮き輪を使用していると、強風であっという間に沖に流されてしまうケースも。
特にフロートに乗って流されていくと自分で戻ることができなくなり、もがくうちに転覆してしまった例もあるそうです。
他にも浮き具の空気が抜けてしまう危険性もあるため、ライフジャケットを着ておくのが良いとのことです。
こどもに言い聞かせておくこと
ビーチボールが原因で溺れてしまうということもあります。
海に入ったビーチボールが風で流され、そのままボールを追いかけていった結果、こどもが溺れてしまうリスクがあります。
この背景にはこどもに「ボールを失くしてしまうと、親から怒られる」との心理が働くこともあるようです。
川でサンダルが流れることなど、普段から「誤って何かを流しても怒らないよ」と教えておく必要がありそうです。
他にも自分の体力を過信することも原因となります。
波風により体力を消耗する海でプールと同じ感覚で泳いだり、同行者にいいところを見せたいと無理するということもあるようです。
また、現代ならではの原因が熱中症。泳いでいるうちに体力を使い、さらに水分を摂らない状態が続くと熱中症になってしまいます。
助けようとして自分も溺れる原因
よく溺れた人を助けようとして、自分も溺れてしまうニュースを目にすることがあります。
調査によれば溺れた人の半数は、もともと25m泳げるそうで、泳げない人だけが溺れるわけではありません。
溺れている人はパニック状態でものすごい力でしがみついてきます。そのため2人分の浮力はひとりの身体で担保できずに溺れてしまうそう。
ライフジャケットなしでは助けるのは難しいとのことです。
そのため、溺れている人を見つけたら、まずは救助要請が大切。
救助にも技術が必要なため、しっかり学んでいない人は「自分で助けられる」と思い込まないことが最も大事とのことです。
溺れている人に対し、空のペットボトルやクーラーボックスなどの浮力のある物やロープを投げることも良いそうです。
(岡本)
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