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参詣に使われていた明治時代の隧道!断崖に造られた片洞門も残る宮城県の廃道

参詣に使われていた明治時代の隧道!断崖に造られた片洞門も残る宮城県の廃道

ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は全国800か所以上の道を巡ってきた道マニア歴18年の石井あつこさんが、宮城県にある“廃道”を巡ります。※廃道は許可を得て撮影しています

参詣に使われていた明治時代の「高柵山隧道」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

石井さんと一緒に旅をするのは、元朝日放送アナウンサーで現在はeスポーツキャスターの平岩康佑さん。

(道マニア・石井あつこさん)
「仙台にある廃道を2つ巡りたい。歴史深く味わい深い場所で、なかなか見られない景色が見られると思う」

まずは、一生に一度の願いを叶えると言われる「定義如来西方寺(じょうぎにょらいさいほうじ)」への参詣道だった道へ向かうことに。2人は大倉川近くの県道55号沿いから、草木が茂る道なき道を進みます。

(道マニア・石井あつこさん)
「かつては賑やかでいろんな人が通った道。昭和36年まで使われていた」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

途中で橋や立派な石垣を見つけながら、荒れた道を歩くこと1時間。辿り着いたのは、明治17年竣工の「高柵山隧道」。素掘りの隧道内は幅が広く、出入口は少し埋もれているものの、貫通した状態で残っています。

隧道を抜けた先には、人が通れる幅や高さを確保するため、断崖がコの字型に切り抜かれた「片洞門」も見られます。廃道のすぐ近くには「大倉ダム」があり、このダムができたことによって今の県道55号が造られ、かつての参詣道は廃道となりました。

山中に眠る宮城最古の「関山隧道」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

続いては、石井さんが仙台に来たら絶対に行きたいという歴史ある廃道に向かいます。

(道マニア・石井あつこさん)
「関山峠越えのために、明治に造られた隧道とその前後の道路部分が廃道になって残っている」

2人は、山形県と宮城県の県境にある関山峠を越えるために造られ、国道48号ができるまで使われていた廃道を目指します。「関山トンネル」の脇にある幅の広い山道を歩くこと1時間、到着したのは「関山隧道」。

(道マニア・石井あつこさん)
「明治15年竣工の隧道。明治になってから造られた宮城県内の隧道で一番古い」

入口は塞がれ、隧道内には水がたまった状態ですが、隧道を覗くと反対側には明かりが見えます。開通当時は素掘りの隧道で多くの人や馬車が通っていたそうですが、自動車社会に対応するため、昭和12年に拡幅工事が行われて今の姿になったのだとか。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

この道の整備に関わったのは、伊藤博文により東北の道路開発を命じられた三島通庸(みちつね)。明治9年に山形県令、明治15年には福島県令に就任し、東北振興を目指して数々の道路整備を行いました。

多額の道路整備の工事費を県民が負担することとなり、当時は「鬼県令」と称されていたそうですが、三島は道路整備が社会の繁栄に必須という強い信念を持ち、現代の道路の礎を築いたのでした。

7月18日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より

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