明治時代の隧道が眠る廃道 当時のまま残る鉱山の“地下坑道跡”も
全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は、冒険感満載の道を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)
トロッコの坑道跡が残る「明延鉱山」
兵庫県養父市にある「明延鉱山(あけのべこうざん)」には、映画のワンシーンに出てくるような地下坑道があります。明延鉱山が稼働していたのは、奈良時代から昭和62年。昭和の全盛期には日本の90%の錫(すず)を産出していたことから、“東洋一の錫鉱山”と呼ばれていました。
地下にはかつてトロッコが通っていた坑道があり、レールが複雑に入り組んでいます。その総延長は、なんと550km!閉山した今は坑道跡を誰でも見学でき、事前予約をするとガイドさんが案内してくれます。
坑道内は、まるで迷路のよう。階段やレールの分岐などが見られ、中でも鉱石の採掘でできた高さ20mもある大空間は圧巻!トロッコや削岩機をはじめ、地下14階までを昇降して人や鉱物を運んでいたという立坑(たてこう)エレベーターも、当時のままの姿で展示されています。
常磐道の側道はスリル満点!
埼玉県三郷市(みさとし)から宮城県亘理町(わたりちょう)までをつなぐ「常磐自動車道」。その中でも、いわきJCTといわき中央IC間を走る常磐自動車道の側道は、冒険感が満載でオススメと道マニアは言います。
その側道は常磐自動車道のすぐ脇を並走していて、車一台分ほどの幅しかない狭さ。両サイドには草木が茂り、道は上ったり下ったりとスリル満点!高速道路専用の標識を間近で見られたり、歩道橋から常磐自動車道を眺められたりするのも魅力のポイント。時季によって雰囲気や色が異なるので、何度訪れても楽しめます。
人々の生活を支えていた明治の道&隧道
福島県東白川郡の塙町(はなわまち)と棚倉町(たなぐらまち)の境には、明治21年に開通した道がありました。地元の人々にとって道の開通は悲願だったそうで、近くの神社には道の完成を記念して石碑が建てられたのだとか。人々の暮らしを支えていたその道は時代とともに使われなくなり、今では荒れた状態の廃道になっています。
倒木や藪の奥には、明治21年竣工の「稲沢隧道」が眠ったままに。埋没していて全貌は見られませんが、隧道の坑口は崩落を防ぐためにコンクリートで補強されているのが分かります。
6月27日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より