気づかないうちに難聴に!? 世界に11億人が難聴のリスク!完治が難しい「ヘッドホン・イヤホン難聴」とは
音楽鑑賞やリモート会議などで使用頻度が高くなった「ヘッドホン」や「イヤホン」。しかし、誤った使用をすると、「ヘッドホン・イヤホン難聴」を引き起こしてしまいます。そこで、「ヘッドホン・イヤホン難聴」の症状や原因、予防法などを、耳鼻咽喉科の医師に聞きました。
世界に11億人のリスク!?「ヘッドホン・イヤホン難聴」とは
「ヘッドホン・イヤホン難聴」は、ヘッドホンやイヤホンの使用が原因で引き起こす病気で、医療用語では「騒音性難聴」と言います。
これまでは建築現場など騒音を伴う場所で働いている人に多く見られた病気でしたが、スマホで手軽に音楽が聴けるほか、リモート会議などでイヤホンやヘッドホンを使う機会が多くなったことで増加傾向に。
10代~30代の若者を中心に、世界では11億人も「ヘッドホン・イヤホン難聴」のリスクがあると言われています。※WHO(世界保健機関)調べ
「ヘッドホン・イヤホン難聴」の主な症状
長時間にわたり、音楽などを大音量で聴くことで引き起こすリスクが高まる「ヘッドホン・イヤホン難聴」。初期症状では気づきにくく、重症化する方が多いそう。
では、「ヘッドホン・イヤホン難聴」はどのような症状があるのか…?
<「ヘッドホン・イヤホン難聴」の主な症状>
・聴力の低下
・耳鳴りが長い
・めまいが頻繁に起こる
・高音域が聞こえにくい
このような症状が発症するのは、耳の中で起こる炎症が原因と言います。
一度損傷すると回復しない!?「ヘッドホン・イヤホン難聴」になる原因
内耳の中にある器官「蝸牛(かぎゅう)」には、外からの音の刺激を脳に伝える有毛細胞があります。この有毛細胞は、加齢や騒音、大音量で音楽を聴くなどで損傷するそうで、破損すると聞きづらさや耳鳴りなどを引き起こし、聴力の低下につながると言います。
さらに、有毛細胞は一度損傷しまうと完全に回復しないため、完治するのが難しい病気とのこと。「ヘッドホン・イヤホン難聴」を発症させないためにも、早期発見と予防が大切です。
セルフチェックで早期発見!自分でできる対策とは
初期症状に気づくため、まずはセルフチェックしてみましょう。
<セルフチェック>
・周囲が聞こえないほど大音量でイヤホン・ヘッドホンを使用している
・高いところに登った時のような耳のつまり感がある
・イヤホンなどの使用後、耳鳴りやめまいが発生する
・テレビやスマホの音が大きいと言われる
1つでも当てはまると、「ヘッドホン・イヤホン難聴」のリスクが高いので注意が必要です。リスクを回避するため、イヤホンなどを使用する時は1時間ごとに10分耳を休ませるといいでしょう。
また、大音量で長時間聴かないようにし、80デシベル(走行中の電車の中や救急車のサイレン音など)以下を目安に音量を設定するのが望ましいです。
皆さんも参考に、「ヘッドホン・イヤホン難聴」にならないよう心がけてみてはいかがでしょうか。
CBCテレビ「チャント!」1月30日放送より