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「肺炎」風邪との違いは?…夏に注意したい肺炎とは?!肺炎の恐ろしさとならないための対策

「肺炎」風邪との違いは?…夏に注意したい肺炎とは?!肺炎の恐ろしさとならないための対策
CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、東京科学大学病院 呼吸器内科 准教授 医療連携支援センター 副センター長 古澤春彦先生です。

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【動画】胸郭の筋肉を伸ばして呼吸機能を上げよう!巻き肩改善にも効果的なストレッチ2種はこちらから【1分27秒~】

今回のテーマは「〜軽い症状でも油断禁物!〜経験者が明かす肺炎の実態」

「肺炎」には様々な種類がありますが、症状は風邪と似ていて放置してしまう人が意外と多いそうです。軽く見てしまいがちな症状でも、放置すると重度の呼吸不全になったり、心不全のリスクが上がったり、呼吸器の機能が低下し最悪の場合死に至ることもあるのだとか。実際、日本人の死因で5番目に多いのが肺炎というデータも。そこで今回は、肺炎の恐ろしさや肺炎にならないための対策などを専門医に教えてもらいました。

風邪と肺炎の違い

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

先生によると、風邪・肺炎どちらも感染症。風邪の主な原因はウイルス感染。鼻から喉にかけて感染が起きるので、喉の痛みや鼻水などの症状が出るそうです。一方、肺炎の主な原因は細菌感染。肺の中に細菌が入り込んで炎症を起こすので、深い咳や汚い痰などの症状が出るのだとか。また、風邪・肺炎どちらの場合も発熱はあるそうです。(※症状には個人差があります)

一年中見られる「マイコプラズマ肺炎」

<マイコプラズマ肺炎とは?>
マイコプラズマ肺炎は年齢を問わず、一年中見られる感染症。細菌のマイコプラズマが身体に入り込むと、肺の中の肺胞で増殖し炎症が起きます。すると、肺胞で行なっている酸素と二酸化炭素の交換がうまく出来なくなり、息切れなどの症状が現れてしまうのだとか。悪化すると胸を覆っている胸膜にも炎症が広がり、胸に痛みを感じるようになるそうです。また、他の初期症状として頭痛・発熱・倦怠感・咳なども挙げられます。放置すると、心筋炎や脳炎などの合併症の恐れもあるそうです。

<マイコプラズマ肺炎にかかりやすい人の特徴>
マイコプラズマ肺炎にかかりやすい人の特徴は、疲れていること。誰もが細菌やウィルスなど肺炎の原因になるものを日常的に吸い込んでいます。しかし、身体に備わった免疫力のおかげで普段は肺炎にならずに済んでいるのだとか。免疫力とは病気から免れる力の事で体内に侵入したウィルスなどを撃退する自己防衛システムですが、疲れが溜まると免疫力が低下。細菌やウィルスが増殖し症状が現れてしまうそうです。

<予防策>
マイコプラズマ肺炎の予防策は、マスク・手洗い・うがい。疲れやストレスが溜まっている時は、感染症対策を念入りに行うことが大切だそうです。また、特に免疫力が低下した高齢の方は肺炎球菌やインフルエンザ菌など、年中細菌性肺炎にかかりやすいので少しでも体調が悪いと思ったらすぐに病院へ行きましょう。

夏に注意したい肺炎「夏型過敏性肺炎」

<夏型過敏性肺炎とは?>
夏型過敏性肺炎は、「トリコスポロン」というカビを吸い込むことによって発症するアレルギー性の肺疾患で夏場に咳・発熱などの症状が出るのが特徴。トリコスポロンは、夏に爆発的に繁殖するカビで、気温20℃以上湿度80%以上で活発になります。これからの季節は、特に水廻りで繁殖しやすくなるそうです。

<トリコスポロンが発生しやすい場所は?>
トリコスポロンは、住宅内のあちこちで見られるカビで、大きさは3〜10ミクロン。白・黄色っぽい色をしており、白カビの周りにいるのが特徴です。家の中で発生しやすい場所の1つが下駄箱。玄関はエアコンがないため湿度が上がりやすく、雨の日は湿気がこもりやすいため、濡れた靴はしっかり乾かしてから下駄箱に入れることが大事なのだとか。今の時期は定期的に下駄箱の扉を開けて換気をしたり、中に除湿剤を入れたりしてカビ対策をしましょう。また、キッチンでは換気扇や食器棚の中、家具の裏も要注意。そして、浴室・脱衣所もトリコスポロンが発生しやすいので気をつけましょう。

<浴室・脱衣所でやってしまいがちなNG行動>
お風呂から出た時に浴室の湿気を逃そうと脱衣所側のドアを開けておくのはNG。脱衣所に湯気が来てしまい、カビが繁殖しやすくなるのだとか。他にも、バスマットを濡れたままにしておくのもNGだそうです。

<夏型過敏性肺炎の治療法は?>
先生によると、夏型過敏性肺炎はカビから離れることで改善するので、家から離れることが大事。そのため、入院すれば良くなることが多いそうです。重症の場合は、ステロイドを使って治療することもあるのだとか。根本的な改善法としては、家からカビをなくすことが大切。ただし、患者本人がカビ退治をするとカビと強く接触してしまうため、家族が清掃するのがおすすめ。清掃業者に任せるのも良い方法だそうです。

<家の中でカビを見つけた時の対策>
家の中でカビを発見したら、中性洗剤を使って丁寧に拭き取り、防カビスプレーや消毒用エタノールで発生を抑えるようにしましょう。エアコンや浴室は、専門業者に依頼しプロの技術でカビを除去してもらうのもおすすめだそうです。

あなたの肺年齢は大丈夫?自宅で簡単チェック

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<自宅で簡単チェックの仕方>
まずは、ティッシュ1枚を硬めに丸め、もう1枚で包みテープでとめます。それをラップの芯に詰め2cmほど押し込んでください。続いて、筒を口に当て吹き矢のように一気に吹いてティッシュを飛ばし、距離を測ります。

<飛距離と肺年齢の目安>
男性:30〜40代→6m、50〜60代→4m、要検査→2m
女性)30〜40代→4.2m、50〜60代→2.8m、要検査→1.4m
※この方法で分かる肺年齢はあくまでも目安です。正式な結果を知るには呼吸機能検査を受けてください。

呼吸機能を上げる!自宅でできる呼吸筋ストレッチ

肺年齢が実年齢より高かった人におすすめの「呼吸体操」をご紹介します。まずは、週3回を目安に始めてみると良いそうです。

<呼吸筋をほぐす「呼吸体操」>
呼吸は、肺が伸縮することで行われていますが、肺自体は伸縮することが出来ず、横隔膜など周囲の筋肉の伸縮によって肺が伸縮し、呼吸を行なっています。つまり、肺の周りの筋肉をほぐして動きを良くすることで肺を有効に使うことができるのだとか。肺をサポートする筋肉がほぐれると、息が吸いやすくなり、痰詰まりなどにも改善の効果が期待できるそうです。

<呼吸筋トレーニング 呼吸体操(1)>
▼片手を逆側の脇腹におき 反対の手は脇の下におく
▼息を吐きながら 上半身を横に倒して手を置いている側の脇腹を伸ばす(3秒間)
▼5回1セットとして左右それぞれ2セットずつ行う
この運動をすることで、呼吸に重要な胸郭の筋肉をしっかりとほぐすことができるそうです。

<呼吸筋トレーニング 呼吸体操(2)>
▼両肩に手をおいて円を描くように肘を回す
▼前と後ろに5回ずつを1セットとして3回行う
猫背にならないよう姿勢を良くして行うのがポイント。呼吸を補助する肩周りの筋肉をほぐすことができるそうです。

<呼吸困難が続く場合は病院で受診しましょう>
先生によると、悪い姿勢は呼吸筋に良くないので、姿勢を良くすることが大切だそうです。さらに、ストレッチをしたり歩いたり活動的に過ごすことが肺にとって良いのだとか。肺炎には冬のイメージがありますが、夏も注意が必要。症状が軽いからと油断せず、息切れや呼吸困難が続く場合は医療機関を受診してください。

(2025年6月15日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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