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「ピントが合わない」「視力が落ちた」…“アイフレイル”かも?早期発見・対処が重要!目の不調「アイフレイル」の真実

「ピントが合わない」「視力が落ちた」…“アイフレイル”かも?早期発見・対処が重要!目の不調「アイフレイル」の真実
CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、杏林大学医学部 眼科学 教授 杏林アイセンター 医学博士 山田昌和先生です。

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【動画】スマホやPCでお疲れの目、あなたは大丈夫?10秒でできるドライアイのセルフチェックはこちらから【1分40秒~】

今回のテーマは「〜疲れ目・老眼 軽視してない?〜今注目!アイフレイルの真実」

「ピントが合わない」「ドライアイ」「視力が落ちた」など目の不調がある人は、“アイフレイル”に陥っている可能性があるそうです。アイフレイルとは、加齢により目の機能が低下した状態のこと。視力低下や疲れ目などの目の不調のことを指し、放置するとさらに機能が低下して日常生活に大きな支障が出る恐れもあるのだとか。そこで今回は、早期発見・対処が重要なアイフレイルについて専門医に教えてもらいました。

アイフレイルの基礎知識

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<フレイルとは?>
フレイルとは、加齢により心身が老い衰えた状態で、健康な状態と要介護状態の中間段階を指すそうです。

<アイフレイルとは?>
アイフレイルとは、目のフレイル。加齢により目の機能が低下した状態で、健康な目の状態から視覚障害までの中間段階を指します。先生によると、40〜50歳くらいから注意が必要なのだとか。アイフレイルの症状は、「疲れ目」「かすみ目」などの小さな違和感から「白内障」や「緑内障」など大きな疾患までさまざまだそうです。

アイフレイルの自己チェック

下記の項目に2つ以上当てはまる場合は、アイフレイルに陥っている可能性あり。また、2つ以上当てはまると緑内障などの目の病気のリスクが約2倍になる事が分かっているそうです。
□目が疲れやすくなった
□夕方になると見えにくくなることがある
□若い頃より見えにくくなったと感じる
□眼鏡をかけてもよく見えないと感じることが多くなった
□まばたきをしないとはっきり見えないことがある

疲れ目・かすみ目の原因〜アイフレイル「ドライアイ」〜

<日常生活の“ある行動”がドライアイの原因に!?>
角膜の表面は、乾燥に弱く常に涙で潤っている状態を保つ必要があるそうです。そのため、通常は1分間に15回程度まばたきをしているのだとか。しかし、スマホやPCを使用する際に画面に集中していると、視線があまり動かないためまばたきの回数が少なくなります。すると、涙が目全体に行きわたらず乾燥してしまい、ドライアイを引き起こすそうです。

<「ドライアイ」が疲れ目・かすみ目の原因に> 
ドライアイとは、涙の不足などが原因で目の表面に障害が生じる病気。アイフレイルの代表的な症状の1つだそうです。スマホなどの使用時間が増えればその分、目が乾く時間も増加。すると、視界がぼやけたり、ピントを合わせようとして目の負担が増え、疲れ目の症状を引き起こしたりしてしまうのだとか。さらに、ドライアイを放置すると目の表面が傷つき、目の感染症や重篤な病気につながる可能性もあるそうです。症状が気になる場合は、眼科を受診してください。

疲れ目の原因〜アイフレイル「老眼」〜

<誰にでも起こる「老眼」>
老眼とは、加齢とともに近くのものが見えにくくなる状態のこと。老眼もアイフレイルの代表的な症状の1つで、40歳を超えるとほとんどの人がなると言われているそうです。目はものを見る距離によってレンズの役割をする水晶体の厚さを「毛様体筋」という筋肉が調節してピントを合わせています。遠くを見る時は水晶体を薄く、近くを見る時は厚くする事でピントが合い、正しくものを見る事ができるのだとか。ところが、年齢を重ねると水晶体が硬くなり始め、毛様体筋での十分な調節が難しくなってしまうそうです。

<「老眼」が引き起こす疲れ目>
老眼の症状が出始めて最初の5〜10年は徐々にピントが変化していくそうです。調節機能が低下しているにも関わらず我慢して老眼鏡を使わずにいると、目に負担がかかり疲れ目につながるのだとか。そのため、老眼鏡を使用して目の負担を減らす事が大事だそうです。

<「近視」の人は気付きにくいので要注意!>
ピントが合っているように見えていても、近視と老眼ではピントの合う位置が異なるそうです。近視の人は裸眼で見るとピントが近くに合っているため、老眼に気付きにくいのだとか。そのため、気がつかないうちに目に負担がかかり、疲れ目につながっている事があるそうです。

<「老眼」簡単セルフチェック>
老眼になっているかどうかをチェックしてみましょう。該当した場合は、検査をして老眼鏡の使用を検討するのがオススメだそうです。
▼眉間に人差し指を置く
▼指紋にピントが合う距離まで人差し指を離していく
▼ピントの合う位置が30cm以上だと老眼の可能性あり

アイフレイルのサイン「疲れ目」の改善方法!

老眼の原因の1つ「疲れ目」は、アイフレイルのサイン。進行すると肩こり・頭痛・吐き気なども伴う「眼精疲労」を引き起こしてしまうそうです。先生オススメの疲れ目改善法は“1時間に1回2分程度目をつぶって毛様体筋をさぼらせる”事。目のピントを調節するのに重要な毛様体筋ですが、加齢などにより水晶体が硬くなるとピントの調節が難しくなり、より強い力で動かなければならなくなるそうです。その結果、より負担がかかり疲れ目の引き金になってしまうのだとか。そのため、まずは目から入ってくる情報をシャットアウトし毛様体筋をしっかり休ませましょう。さらに、目をつぶる事で乾燥を防ぎドライアイ予防にもなるそうです。

まぶしく見える原因〜アイフレイル「白内障」〜

<白内障とは?>
白内障とは、年齢とともに水晶体が白く濁って視力が低下する病気。水晶体が濁ることで屈折が正常に行われず、光が散乱しまぶしさを感じるそうです。50歳頃からゆっくり進行し始め、年齢が上がるごとに有病率が上がり80歳では100%が白内障を発症するのだとか。まぶしく見えるなどの症状が出たら、すぐに検査を受けましょう。

<わずか30分で人生が変わる!?白内障手術の実態>
先生によると、白内障の手術は濁った水晶体を人工の眼内レンズに取り換えるそうです。局所麻酔を使用し、手術時間は通常30分程度。この手術により、大抵の場合は視力を回復できるのだとか。最近は遠近両用の眼内レンズもあり、術後に老眼鏡が不要になる事もあるそうです。詳しくは、眼科医に相談してください。

視野が欠けるのに自覚症状なし!?失明にもつながる「緑内障」

<緑内障とは?>
緑内障とは、様々な原因で目の中の神経に障害が起こり、視野が徐々に狭くなる病気。日本の視覚障害の原因の1位にもなっています。視野が黒く欠けていくのではなく、かすみ目やぼやけた部分が増えていくので、自分では気付きにくいのだとか。進行していくと信号を見落としてしまうなど、思わぬ事故につながる恐れもあるそうです。

<緑内障発症のリスク(1)眼圧の上昇>
緑内障のリスクを上げるものの1つが「眼圧」。眼球の中は液体で満たされており、液体が流れる事で眼圧を調整しています。しかし、何らかの原因で液体が排出されないと、液体が溜まり眼圧が上昇。結果、視神経が痛み緑内障のリスクが上がってしまうのだとか。眼圧は、血圧と同じように変動するため、定期的に検査を受ける事が大事だそうです。

<眼圧が上がる原因は?>
先生によると、眼圧が上がる原因は体質や遺伝などさまざまだそうです。さらに、重い物を持ち上げたり、トイレでいきんだりする行為は眼圧を急激に上げ視神経を傷つける事もあるのだとか。他にも、うつぶせ寝をすると目の中の水が抜けにくい状態になり、眼圧が上がりやすいと言われているそうです。眼圧の上昇は自覚できないため、生活の中で眼圧を上げる行動をしないよう意識しましょう。

<緑内障発症のリスク(2)近視>
近視がある人は、通常の人に比べて約2~3倍緑内障になりやすいというデータがあります。そのため、強い近視がある人は特に注意が必要だそうです。

目の検査を受けましょう

先生によると、目の老化を遅らせるためには40歳を超えたらアイフレイルに気を配る事が大切だそうです。目の健康を保つ事は健康寿命を延ばす事にもつながるので、ぜひ一度目の検査を受けましょう。

(2024年10月13日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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