「ウォーキング」ただ歩くだけではダメ!?目的別!肥満・骨密度・血糖値対策!健康寿命をのばすウォーキングを徹底リサーチ!
サマリーSummary
ドクター:女子栄養大学 栄養学部 教授 医学博士 新開省二
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは女子栄養大学 栄養学部 教授 新開省二先生です。
今回のテーマは「〜目的別!肥満・骨密度・血糖値対策〜健康寿命をのばすウォーキング」
この季節にピッタリな健康法「ウォーキング」ですが、満足に効果が出ていないと感じている方もいるようです。そこで今回は、すでにウォーキングを始めている人、これから始める人も必見!健康寿命を延ばす正しい歩き方を徹底リサーチ!肥満・骨密度・血糖値対策の目的別に歩く時のポイントを専門家に教えてもらいました。
健康効果を得るにはただ歩くだけではダメ!?
先生によると、普通に1日1万歩ただ歩いただけでは、筋力・持久力の向上において家に居て何もしていない人とさほど大差がないというデータがあるのだとか。そこで大切なのが、肥満や骨密度さらには血糖値といった目的別の正しい歩き方だそうです。
目的(1)肥満対策のウォーキング
<体重を落とすポイントは「歩くスピード」>
ウォーキングで脂肪燃焼効果を高めるには、息が切れる直前のスピードで歩く事が大切。この状態をウォーキングの中で30分程度行う事で、身体の代謝が上がり効率良く脂肪が燃焼されるそうです。
<初心者の方は1分間からスタート!>
初心者の方は、まずは1分間息が切れる直前のスピードで歩き、その後ゆっくり歩きを1分行いましょう。これを交互に繰り返せばOK。身体が慣れてきたら、少しずつ速く歩く時間をのばしていくと良いそうです。
目的(2)骨密度対策のウォーキング
<骨密度を上げるポイントは「歩く歩幅」>
骨密度を上げるには、骨の中にある骨芽細胞を活性化させる事が大切だそうです。骨芽細胞は、骨にかかる衝撃や負荷によって活性化されるため、歩幅を大きくして大股で歩く事で着地時に足の裏や骨に衝撃がかかり骨を強化できるそうです。
<初心者の方は「ほんの少しだけ大股」を意識!>
初心者の方は普段自分が歩いている歩幅よりも、ほんの少しだけ大股で歩く事を意識しましょう。そうする事で、徐々に骨密度アップにつながっていくそうです。
目的(3)血糖値対策のウォーキング
<血糖値を下げるポイントは「スピード」と「タイミング」>
血糖値を下げるには、脂肪燃焼と同じく歩くスピードを速くする事と、食後1時間後に
歩く事がポイントだそうです。血糖値を調節するインスリンは食後1時間後に最も分泌されるため、そのタイミングでウォーキングを行うとインスリンの作用が活性化。筋肉などに血糖が送り込まれて血糖値が下がっていくそうです。
ウォーキングは認知症予防にも効果あり!?
先生によると、ウォーキングを継続すると脳の海馬の萎縮が抑制される事がわかっているそうです。海馬とは記憶を司る脳の一部で記憶の整理整頓を行う場所。年齢とともに萎縮し、それが原因で認知症を引き起こすといわれています。しかし、景色や会話を楽しみながらウォーキングを続ける事で、海馬の萎縮が抑制され認知症の予防効果が期待できるそうです。
健康に歩き続ける極意!脚に負担をかけない歩き方
<負担をかけないポイント(1)「伸びの姿勢で歩き続ける」>
姿勢が悪い状態で歩くと膝が曲がり、膝に負担がかかってしまうので良い姿勢を保って歩く事が大切だそうです。ヒトは伸びをした時に一番姿勢が良くなります。そのため、歩く前に一度大きく伸びをする事で怪我のリスクを減らす効果が期待できるのだとか。伸びをする時は、手を組んで大きく上にぐーっと伸び上がり、踵も少しつま先立ちになるようにしましょう。そのまま手を下ろして踵も下ろすと、頭・肩・腰・膝・踵が一直線になるそうです。
<負担をかけないポイント(2)「靴紐の結び方」>
靴紐は、上と下の部分だけをキツくしめましょう。そうする事で靴が足をしっかりとホールドした状態になり靴の中で足がズレるのを予防してくれるそうです。(※ウォーキングをする際に限ります)
ウォーキング後の痛み対策
歩いた後は、脚のケアをする事も大切だそうです。ウォーキング後の痛みには「熱のある痛み」と「熱のない痛み」の2種類あり、それぞれ対処法が異なるそうです。
<「熱のある痛み」の対処法>
熱がある時は脚が炎症を起こしているそうです。この場合は、歩く距離やスピードに無理があったと考えられるのだとか。そのため、スピードや距離を見直して痛い間は安静にする事が大事だそうです。
<「熱のない痛み」の対処法>
熱がない痛みの場合は、血流が悪くなっている状態。そのため、ストレッチなどで脚を動かしたりマッサージをしたりするのが有効だそうです。
〜簡単な痛みのやわらげ方〜
熱のない痛みがある場合には、まず痛みのある場所を手で揉むようにしましょう。そうする事で血流がよくなり、筋肉の緊張状態がほぐれ、痛みが緩和されるのだとか。また、患部を温める事も血流の改善に繋がるため、痛みがひどい場合はお湯に浸かりながら揉むとさらに効果的だそうです。
ウォーキング初心者が気をつけるべきポイント
これからウォーキングを始める方は、「歩く前の水分補給」「準備運動」「背筋を伸ばして姿勢を保持する」を心がける事が大切だそうです。歩数と強度は重要ですが、無理をせずに1〜2か月かけて徐々に上げていくようにすると良いのだとか。正しい歩き方とケアで脚を守りながら、効果的なウォーキングを実践しましょう。
(2023年4月23日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)