人間の身体に“恐ろしい石”…300個以上ある人も!?身体にできる危険な「石」を徹底リサーチ!石を作らないための予防法もご紹介
サマリーSummary
ドクター:順天堂大学医学部附属順天堂医院 消化器内科 髙﨑祐介
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは順天堂大学医学部附属順天堂医院 消化器内科 髙﨑 祐介先生です。
今回のテーマは「〜放っておくと激痛&大病に!?〜身体にできる危険な「石」」
歯石や尿路結石など、人間の身体はさまざまな所に「石」ができるそうです。石は誰にでもできる可能性があり、放置すると重大な病気につながるものも少なくないのだとか。そこで今回は、身体の中にできる「石」を徹底リサーチ。危険な石を見つける方法や石を作らないための予防法などを専門医に教えてもらいました。
身体にできるさまざまな石
・歯石
口の中にできる石は「歯石」。歯石は、食べ物の残りカスに細菌が繁殖する事でできるプラークが固くなったものだそうです。
・耳石
耳の中には「耳石」という小さな石があります。耳石は、身体のバランスを保つのに必要不可欠ですが、三半規管に入り込んでしまうとひどいめまいを起こす事もあるそうです。
・柿胃石
柿の渋み成分タンニンが胃の中の食物繊維と結びついて固まったものが「柿胃石」。柿を食べ過ぎるとこの石ができる事があるそうで、大きくなると腹痛や吐き気などの症状が現れるのだとか。深刻な場合は、腸閉塞になって手術が必要になる事もあるそうです。
身体にできる恐ろしい石(1)栄養不足を引き起こす「膵石」
<膵石のできる場所>
膵石は、胃の裏にある膵臓の管「膵管」の中にできる石。膵臓は、脂肪などを分解する膵液という消化液を分泌し、膵管はその通り道になっているそうです。
<膵石による症状>
膵管に石が詰まると、膵液が流れにくくなり管の中の圧力が高くなります。すると、お腹が押されたような痛みや背中への激痛など、強い痛みを引き起こすのだとか。また、膵液が出なくなる事により、ご飯を食べても消化できず栄養不足を招く事もあるそうです。
<膵石ができる原因>
先生によると、膵石ができる原因はお酒の飲み過ぎや高カロリーの食事。暴飲暴食により膵液が異常に分泌され、膵液内のたんぱく質などが結晶化し石となるのだとか。また、膵液の異常な分泌は、慢性的な炎症を引き起こし糖尿病や膵がんにもつながってしまうので要注意だそうです。
身体にできる恐ろしい石(2)推定患者数1000万人以上!命を脅かす「胆石」
<胆石ができる場所>
胆石は、肝臓の下にある「胆のう」という臓器にできる石。胆のうの中には胆汁という消化液があり、コレステロールや脂肪の分解を手助けしているそうです。
<胆石による症状>
胆石は、胆のう内にある場合は痛みがないそうです。自覚症状が乏しいためサイレントストーンとも呼ばれているのだとか。しかし、食事の後に胆汁を分泌する際に石が動いて出口付近などを塞ぐと、胆汁が分泌できなくなり右側のみぞおち付近などに強い痛みが生じたり、発熱したりする事などがあるそうです。
<胆石ができる原因>
レバーや卵などのコレステロールの多い食材を摂りすぎてしまうと、分解しきれなかったコレステロールによって胆汁の一部が徐々に固まり、石が作られてしまうそうです。そのため、肥満の人やコレステロールの多い食事を摂っている人は、胆石ができやすいのだとか。胆石の保有者は、食事の欧米化などに伴い年々増加しており、推定患者数は1000万人以上。70歳以上になると15%の人が胆石症というデータもあるそうです。
<ダイエットが胆石の原因になる事も!?>
胆のうは、食事をする事で収縮・拡張し胆汁が送り出されます。しかし、極端に食事を抜くようなダイエットを行うと、胆汁が送り出される機会が少なくなるため、徐々に濃縮されて石ができやすくなってしまうのだとか。そのため、「胆石」を予防するには暴飲暴食だけでなく、急激なダイエットや運動不足にも気をつける事が大切だそうです。
身体の中に出来る恐ろしい石(3)300個以上ある人も!?「唾石」
<唾石ができる場所>
唾石は、唾液が作られている3つの唾液腺の中にできる石だそうです。
<唾石による症状>
唾石ができると、唾液が流れる管を塞いでしまい唾液がうまく出てこなくなってしまいます。すると食事の際、唾液腺の圧力が高まるため耳の下や顎の下に痛みが出るそうです。
<唾石ができる原因>
唾液腺内で唾液の流れが悪くなると、細菌や老廃物の排出がうまく行われず、それを核として唾液に含まれるカルシウムなどがくっつき、石になってしまうそうです。過去には、1人から332個の唾石が見つかった症例もあるのだとか。先生によると、唾石は誰にでもできる可能性があるそうですが、唾液の分泌が悪い方は特に注意が必要だそうです。
<ドクターオススメ!唾液腺マッサージ>
あごの下にある唾液腺を押すと、唾液の分泌が促され唾石ができにくくなるそうです。
身体の中にできる恐ろしい石(4)放っておくと激痛&大病に!「腎結石」
<腎結石ができる場所>
腎結石は、腎臓にできる石。腎臓の管の形に沿って石が作られるため、サンゴのような形になる事もあり、大きなものでは7〜8cmを超えるものもあるそうです。
<腎結石の症状>
腎結石は、少しずつ大きくなるので痛みが出ない場合が多く、気づかない間に大きくなっている事もあるのだとか。放置していると水腎症という病気につながる恐れもあるそうです。
<水腎症とは?>
水腎症とは腎結石によって尿がうまく排出できなくなり、腎臓内に尿が溢れて炎症が起きてしまう病気。腎臓に近いお腹や背中に痛みが起こるのが特徴で、放置すると腎臓の機能低下を引き起こすそうです。
<腎結石ができる原因>
先生によると、腎臓に石ができる原因は、血液中のシュウ酸や尿酸という成分が多くなり結晶化してしまうため。シュウ酸は、ホウレン草・ブロッコリー・ナスなど、苦味やえぐみなどがある食品に多く、尿酸はプリン体の多いレバー・イカ・魚卵などを食べる事で増えてしまうそうです。
<腎結石と尿管結石の関係>
腎臓でできた腎結石がこぼれ落ちて移動し、詰まった場所によって呼び名が異なるそうです。腎臓にある場合は「腎結石」、尿管にある場合は「尿管結石」、膀胱にある場合は「膀胱結石」と呼び、これらを総称して「尿路結石」と呼ぶ事もあるのだとか。尿路結石は、男性の7人に1人、女性も15人に1人が経験するといわれているそうです。腎臓の石は、腎臓の機能低下や激痛を引き起こすので、定期的な健康診断を受けて早期発見する事が大切だそうです。
<尿路結石の予防法>
尿路結石の予防に最も大切なのはこまめな水分摂取だそうです。石が作られる原因であるシュウ酸や尿酸が薄まるため、予防につながるのだとか。また、糖尿病・脂質異常症・尿酸値などの生活習慣病を防ぐ事も大切だそうです。(※持病により水分摂取量に制限がある方は注意してください)
(2023年2月26日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)