「若手をよく分かっている人が良い。もう一回選手を選んでいる時間はない」―。元ドラゴンズ監督・山田久志氏が井上一樹二軍監督を推す理由
【サンドラを観られなかった全国のドラ友と共有したい番組のコト】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)をみたコラム
このコラム(?)は「サンドラ」を観られなかった全国のドラ友に話したい!との思いから番組の内容を綴る、竜党のみなさんに向けた、竜党による、竜党のためのコラム(?)である。
立浪和義監督が今季限りでの退任を表明したことで、竜党が最も気になっている関心事といえば次期監督候補。9月29日の放送回で共有したいトピックスは、元ドラゴンズ監督の山田久志さんが次期監督としてふさわしい人物を語る提言企画。ドラゴンズを立て直せる人物は誰なのか、またその理由は―。近年の野球界の潮流を踏まえた納得の提言が披露された。
立浪政権の功績と課題
球団史上初の2年連続最下位に低迷するなど、期待を裏切る結果に終わった立浪ドラゴンズ。3年目の今季も苦戦を強いられたものの、高橋宏斗投手(※「高」は「はしごだか」)が絶対的エースへと成長。昨季までの2年間を振り返っても岡林勇希選手がリードオフマンに定着し、現役ドラフトで獲得した細川成也選手が長距離砲として覚醒した。立浪監督の改革の下で実戦経験を積んだ若手選手たちが台頭の兆しを見せつつある今、新監督はどんな人物に託すべきなのか―。元ドラゴンズ監督の山田久志さんはその人物の名を挙げるにあたり、まずは立浪監督の功績と課題から語った。
山田氏:やっぱり若い選手をなんとか引っ張りあげようとして、そういう若い選手がレギュラーに近づいてきた。プロ野球の選手になりかけている。それはやっぱりかなりの貢献。やっぱり選手が少しではあるけども地力をつけてきた。これは立浪監督の功績です。大きな功績です!
―立浪監督の功績に値する選手の名前を一人挙げるとすれば?
山田氏:それは細川だねぇ。よくぞ、あそこまで育てたねぇ。立浪監督と和田コーチのアドバイスであったり起用方法であったり、それも功を奏したとは言えるけども、これは立浪監督の選手を見る目ですよ。ベイスターズ時代も三振が多かった選手だから、それを気にしないようにさせたというのが一つの良いアドバイスだったと思うね
―立浪監督が残した課題とは
山田氏:やはりチームバランス。ベテラン、中堅、若手というのがチームには絶対いなくちゃいけないんだけど、ベテランが思うように監督の期待にそえなかった。最後までそういう体制にはなれなかったよね。極端な例をいえば(高橋)周平がいたときにチームは非常に良い傾向にいっていた。でもケガからバタバタと崩れた。そこは課題といえば課題だね。最終的にはチームバランスが他のチームに負けていたね、バランス的にはね
外部招聘に警鐘「選手を選んでいる時間はない」
チームの再建に必要なことは選手バランスの再構築を唱えた山田さん。では、立浪監督が種を蒔き、眼が出始めた今のチームを託すのに最適な人材とは―。
山田氏:今のドラゴンズは若手が育ちかけています。この若手を操縦できる人、そしてよく分かっている人。どういう性格で、何が足りなくて、何が良いか。若手の1つ1つを分かっている、そういう人が良いと思いますね。岡林にしたって、石川昂弥にしたって、二遊間を守っている彼ら(田中・村松)でもね、やっぱり(まだまだ)良くなりますよ。それをどういう風に育てたら良いか、今分かる人じゃなきゃダメだ。また一から選手を見て、もう一回選手を選ぶ時間はない!
―山田さんが新監督に最適と思う人物とは
山田氏:一番分かっているのは、井上二軍監督じゃないかと思うね。元々ドラゴンズの選手でドラゴンズ愛があるだろうし、なんて言ったって人柄が良い。一樹(井上二軍監督)が怒っているのは見たことがないよ。タイガースでもコーチ業をやっているし、他チームのことも勉強しているし。そして選手も今年一軍・二軍の往復が結構あったじゃないですか。そこで足りない面と良い面をよく見ていたでしょうから手がつけやすいよね。それともう1つは、選手が井上一樹という人物を知っているということ。これが大きい!
―チームの内部から上がるメリットは大きい?
山田氏:大きいですね。今みんなそうですよ。バファローズの中嶋監督、ジャイアンツの阿部監督、ホークスの小久保監督ね。スワローズで連覇した高津監督だってそうだし。チーム作りっていうのは簡単にはできないからね。外からポンと連れてきて、分からない人がポンと入ってきて、最初から指揮をとるというのは選手には戸惑いもできるしね
岩瀬仁紀氏も内部昇格案に賛同「選手も監督のことを知っている」
山田さんからVTR越しで次期監督に適任と思われる人物を尋ねられたのは、この日のスタジオ解説・岩瀬仁紀さん。山田さんの問いには「(監督に)なる人は一人なんで。なってから考えましょう」と明言こそ避けたものの、山田さんの内部昇格案には次のように賛同されていました。
岩瀬氏:内部にいると選手の性格まで分かっているので、そういった面では内部昇格の方がやりやすいのは確かですよ。選手も監督も
イチ視聴者(筆者)の番組感想まとめ。ウエスタン・リーグの優勝は逃したけれど・・・筆者も井上二軍監督昇格に賛成です!!
今週のサンドラを観た感想・・・。レジェンド山田さんの提言の中で筆者が強く共感したのが「また一から選手を見て、もう一回選手を選ぶ時間はない!」です。まさに、その通り!立浪監督がこの3年間で選手を見極め改革を実行し、可能性を感じた選手に経験を積ませた流れを止めてしまうことは、低迷脱却を遅らせる気がしてならないのです。今のチーム状況や選手のことを把握している井上二軍監督と新たなスタートを切ることこそ、ドラゴンズが前に進める最善の策ではないのでしょうか。ビッグネームのサプライズ人事による話題性で心は躍るかもしれませんが、筆者は強いドラゴンズが見たい!これがイチドラゴンズファンの純粋な気持ちです。
(このコラムを書いたのは・・・サンドラ視聴歴約30年の40代竜党)