故障により開幕絶望…「今年もか…」と漏らしたコトバに込められた藤嶋の深い想いとは?

故障により開幕絶望…「今年もか…」と漏らしたコトバに込められた藤嶋の深い想いとは?

過去のキャリアを振り返っても、藤嶋健人投手の中で過去一番の順調な仕上がりで進んできた、春キャンプにオープン戦。その最中、怪我をして開幕絶望となった本人の胸中とは…?

開幕前の悲劇…

「サンデードラゴンズ」より藤嶋健人投手©CBCテレビ

「めっっっっっっっちゃ悔しかった。今年もかよ…またかよ…」

プロ8年目を迎えた藤嶋健人投手。オフの自主トレーニング・春キャンプは充実した時間を過ごし、2月中旬の春キャンプの際、「過去のキャリアの中でも一番順調な調整で進められています!」と彼持ち前の明るい表情と声で、今の状態について教えてくれた。そんな中・・・

3月15日(金)のバンテリンドーム。中日対阪神のオープン戦。8回表のマウンドに上がっていた背番号54に、異変が生じた。

藤嶋投手「ミエセス選手に投げ終わった後、右脚の付け根に違和感がありました。恐る恐る、次の打者にスプリットをそっと投げたら痛みを感じました。力が入らない感覚だったんです」

マウンドを降りてから時間が経つごとに、ジワジワと痛みが酷くなっていき、歩いていても痛む感覚があったという藤嶋投手。翌日の診断結果では「右内転筋損傷」と判明。医師から言い渡されたときの率直な思いは。

藤嶋投手「めっっっっっっっちゃ悔しかった。今年もかよ…またかよ…」

「今年もかよ」というのは、彼は昨シーズンも同じ悔しさを味わっている。約1年前の3月9日ベルーナドームでの西武とのオープン戦。順調にオープン戦で調整を進めていた藤嶋投手は、ベースカバーの際に右太もも裏を痛め、肉離れの負傷離脱を余儀なくされた。

去年に続き、今年も開幕前に怪我をしてしまった。しかし藤嶋投手は、この現実を、むしろプラスに考える方向に向かっていた。

藤嶋投手「正直、怪我をした現実を受け止めたくなかったし、ショックが大きすぎました。ただ、これを前向きに捉えるしかなかったし、前向きに捉えられる過去が自分にはあるんです。開幕前に怪我をしたシーズンは成績が残っている。もう、良いシーズンを送れる予兆だと思うようにしましたよ!」

昨シーズン。藤嶋投手はケガから復帰して、キャリアハイの数字を残した。自己最多となる56試合登板は、チーム最多。防御率は1.07で、28試合連続無失点も記録。自称「便利屋」はブルペンに欠かせない存在だった。

大塚・山井両投手コーチの言葉を胸に!

実は、2019年シーズンも振り返ると、シーズン前に右手の血行障害を発症し、春キャンプに参加せず、2度の手術を行うことに。そこからの復活劇は、目覚ましかった。7月に復帰登板に上がると、21試合連続無失点記録を含む32試合登板で防御率2.48と奮闘。

決して、怪我したことを全肯定しているわけではない。「なぜ怪我をしてしまったのか?」を自問し、「オフの過ごし方も見直す必要もあるかもしれません。」とも話していた。そして、根底には、当然1年間、怪我無くフルに戦えることを求めている。

今回の離脱を受け、大塚・山井両投手コーチからは「離脱は痛すぎるけど、踏ん張っておくから、1軍で待っているぞ」と温かい言葉をかけてもらった。

この言葉を支えに、彼は懸命にナゴヤ球場でリハビリを行っている。3月下旬の取材段階で30メートルのキャッチボールは行えるようになった。

藤嶋投手「痛みを探る時間が少なくなってきて、ここまでは順調にリハビリが進んでいます」

4月中には1軍の舞台に戻ることを目指し、リハビリを進めている藤嶋投手。取材の最後に、彼は、力強く、彼らしい明るさでこう言った。

「待っていて下さい!!」

首脳陣が待っている場所へ。すでに彼は前を向いていた。

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