強竜復活の命運を握る木下・京田のセンターライン!目指すはもちろんレジェンド超え!
【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)
強竜復活の命運を握る二人
立浪監督が就任会見時、強竜復活のポイントとして真っ先に挙げたのが守りの野球の徹底。なかでもセンターラインの強化が最大の課題だ。昨シーズン、チーム防御率3.22はリーグトップ。ただ現状に満足せず、より一層投手陣の強化を図り、捕手、二遊間が安定した力が発揮されれば、自ずとディフェンス力は向上し、相手チームにとっては隙を見せない嫌なチームへ変貌を遂げるはずだ。
今週のサンドラゲストはまさに立浪ドラゴンズの命運を握るキーマンと言っても過言ではない、木下拓哉捕手、京田陽太遊撃手が出演。昨シーズンを振り返りながら、番組スタッフ、そして視聴者からの質問を通じて、今シーズンの意気込みを語った。
悔しかったプロ入り初の二軍落ち
京田『シーズン後半は“次ダメだったら、また二軍でやり直せばいい”と開き直って野球をしていました。(二軍落ちという)この悔しさをぶつけながら』
この言葉通り、京田は昨シーズン、終盤に躍動した。2年ぶりの1試合4安打に加え、新人王に輝いた2017年以来の13試合連続ヒット。さらにはプロ5年目で初となる1試合2ホームランも飛び出すなど、9月は当たりが続いた。
この活躍のきっかけとなったのは打撃不振によるプロ入り初の二軍落ち。
京田『初めてだったので、悔しかったです』
開幕から46試合で打率.245と不振に喘いでいた京田は二軍での再調整を命じられた。京田は当時、頭の中を切り替えるのもひとつのテーマとして、しっかり自分の課題と向き合って調整に努めたという。
この経験をバネに一軍復帰後は持ち前の守備力に加え、打撃でも進化した姿を披露し、シーズンを締め括った。
歩み始めた“正捕手への道”
『キャッチャーは固定したいです。最低130試合は一人のキャッチャーが出られるように。その中で木下が一番(正捕手に)近いわけですけど、ずいぶん成長してきているので非常に期待はしています』
昨年10月、サンドラに出演した立浪監督は木下へ向け、期待を込めたコメントを残していた。
木下が歩み始めた“正捕手への道”。
昨シーズンは一昨年の勢いそのままに、オープン戦から打率.368と打ちまくり、最高の開幕を迎えた。名称が変わったバンテリンドームでチーム第1号ホームランも放ち、シーズン全体を見ても打撃部門ではすべてにおいて前年度を上回る好成績を残した。
なかでも飛躍的に良化したのは、ランナーがいる場面での打率。前年の.267からおよそ6分アップした.326へ向上したのは勝負強くなったことを証明している。
さらに守備でも成長を見せた。盗塁阻止数はリーグトップの29個。リード面でも大野、柳、小笠原の三投手を規定投球回到達まで導き、自身2年連続となる最優秀バッテリー賞を獲得した。
木下『まだ自信をもって正捕手だと言える所まで来ていないですけど、シーズン終わった時に胸を張って言えるように。個人の成績もありますが、まずはチームの順位で示したいと思います』
今年は“絶対的正捕手”として誰からも認められる大事な、そして進化が問われる一年となる。
めざせ!ドラの核弾頭
そんなふたりへサンドラは数々の質問をぶつけてみた。まずは京田への質問から。秋季キャンプから取り組んでいる新しいバッティングフォームの手応えはいかに?
京田『きっかけは監督から悪いクセがあると言われ、思い切って変えようかなと。現在取り組んでいる形でいくとは限らないのですが、春のキャンプまでしっかり準備していきたいなと思います』
秋季キャンプでグリップを高く上げる構えから振り下ろす新フォームに挑戦。テイクバックでバットを二度引くクセを修正するための取り組みで、新しく就任した中村紀コーチから、これを習得すれば3割、30発、30盗塁のトリプルスリーも夢ではないとお墨付きをもらっていたのは記憶に新しいところだ。
京田自身、この構えでメリットとなったのは、タイミングが取りやすくなり、早く打ちに行ける準備ができることを挙げた。
次に多く寄せられたのは、打順は何番を打ちたい?という質問。
京田『理想は一番を。何も考えず思いっきり行けるからです』
打撃開眼し、京田の先頭打者ホームランでゲームが動く…そんなゲームを何度も観たいものである。
そしてドラゴンズファンから一番多かった質問は今季目標の盗塁数について。入団以来、スピードスターとして期待のかかるものの、なかなか本領発揮する姿を見せることができないままでいる。過去一番多かったのがルーキーイヤーの23個というのは寂しい限りだ。
京田『まずはその数字を超えられるように』
気になるのは年々盗塁数が減っている点。そこは京田、真摯に反省の弁を述べた。
京田『ベンチからの信頼がないというのが一番だと思うので、今年はしっかり走っていけるように頑張っていきます』
ここで木下から見た京田の走力については?という質問が飛ぶ。
木下『アウトになってもいいので、もっと走って欲しい。そうすれば盗塁数も増えますし、バッターもバッテリーが足を気にしていれば、絶対打ちやすいと思います。バッターを助ける意味でも、足でもっとプレッシャーをかけてチームに貢献して欲しいですね』
一番打者を追求する京田にとって、走攻守すべてにおいて相手チームから嫌がられる選手になることこそ、求められる使命と言えそうだ。
ドラファン期待!一発長打の木下クン
代わって木下への質問へ。
まず最初の質問として挙げられたのがバットを長くした感触について。
秋季キャンプからバットを34インチから35インチへサイズアップ。当初は長さに戸惑いを感じたものの、今では大分振れるようになってきているそうだ。
木下『あとは実戦に入って、色々と課題は出てくるかと思いますが、しっかりと覚悟を持ってキャンプに挑みたいと考えています』
そしてファンが一番気になる質問が、今シーズンのホームラン数について。昨年ビシエドに続き、チーム2位となる11本のホームランを放ち、さらなる高みを目指す木下。果たして目標にする数字はいくつ?
木下『これは難しいですね。ただ昨年11本打ったのですが、物足りなさを感じていました。今年はしっかり自分でも満足できる思いになれるよう打ち尽くしたいなと思っています』
東京ドーム、神宮球場、そして横浜スタジアムといったバッター有利と言われる対戦チームの本拠地球場でホームラン数を伸ばせば、アウェイでの対戦成績も昨年より必ずや向上するはず。長いバットを思う存分駆使し、是非ともキャリアハイの成績を残すことを期待したい。
そして番組では、ふたりへの共通として“ライバルは誰?”という興味深い質問が用意されていた。先輩の木下が口を開く。
木下『投手でいえばスアレス(阪神)。これは打てないっす!ヤバいっす!打者では鈴木誠也(広島)。昨年は有り得ないぐらい打たれたので』
苦手イコール、ライバルと捉える(?)木下。偶然とはいえ、ライバルに挙げたふたりとも今年から活躍する舞台をメジャーへ変える。今シーズンはライバル不在となることを祈るばかりだ。
代わって京田のライバルとして意識するのは同級生の大山(阪神)、吉川(讀賣)。
京田『大学時代からのライバル。同じ年としてやはり意識します!』
背番号同様、誰にも負けぬ努力で世代のナンバーワンとして今後とも“意識”を忘れず、泥臭く負けず嫌いを前面に出して、結果を残してもらいたい。
レジェンドプレイヤーに追い付け追い越せ
優勝を勝ち取るチームには必ずと言って良いほど、名捕手、そして名二遊間が存在する。常勝軍団として名を馳せた落合監督が率いた当時は扇の要に谷繁元信さんが座り、投手陣を好リード。そして井端弘和さん、荒木雅博さん、通称アライバコンビが魅せたプレーの数々に何度狂喜乱舞したことか。
言葉にはしないものの、そんなレジェンドプレイヤーに追い付け追い越せが目標であることは言うまでもない。ふたりの課題は明確だ。木下はシーズンを乗り切る体力アップ、京田は一にも二にも出塁率アップが求められる。今シーズン、木下が最低120試合以上マスクを被り、京田がチームの核弾頭の役割を見事にこなし、バンテリンドームを縦横無尽に駆け抜けた時、待ち続けた強竜復活の扉が開く。
この日スタジオで見せた二人の笑顔をヒーローインタピューで何度も再現してもらいたい。それはすべてのドラゴンズファンの総意でもある。
がんばれドラゴンズ!燃えよドラゴンズ!
竹内 茂喜