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早くも与田イズム。手術室へ向かう若竜に掛けた言葉。

早くも与田イズム。手術室へ向かう若竜に掛けた言葉。
鈴木翔太投手

「俺を使ってくれと、私に向ってきてほしい。」と強く語り掛けた与田監督就任会見からちょうど一カ月たった今日、11月15日、手術台へ上がる予定のドラゴンズ若手投手がいます。

今季まで背番号18番を着けていた鈴木翔太投手。2013年高卒ドライチで入団し、2014年には新人で早くも一軍デビュー、地元浜松のマウンドで万雷の拍手を浴びました。昨年には涙のプロ初勝利。なによりあの美しい投球フォームのシルエットとしなやかな腕の振りがファンを魅了しています。5年目の今季は先発ローテーションへの階段を駆け上がると期待されましたが、残念ながら白星を挙げることはできませんでした。

鈴木翔太選手自身、「結果とケガは関係ありません」と強く否定するものの、今年の夏、世間は猛暑酷暑で汗だくな中、自分の右手の人差し指に不思議な冷えとズキンとした痛み、痺れがあったそうです。真夏なのに、ポケットには常にカイロ。

私がそれを聞いたのは、先月のドラフト会議直前。弟の鈴木彩隼投手(静岡産業大4年)に数球団から調査書が届いているようだという話を教えてくれた頃でした。

「弟のドラフト指名は願っているけど、兄弟投手なんて…それよりボクが、治療しないと」

「治療?」

この秋のキャンプでの投げ込みで新たな飛躍を誓う意気込みを聞きたかった私は、思わず聞き返してしまいました。

それが本日の右手人さし指の血行障害回復手術なのです。本人は、投手の命である右手を信頼する医師に委ねる決断をしました。

育成契約ではなく支配下の背番号を用意して、待っている

実は、手術という選択肢には球団のトレーナー陣らから「熟考したほうがいい。投薬治療を進める医師もいらっしゃるから」という声もあり、迷いました。今季、血行障害から復帰した岡田投手からは「手術しても、元の感覚に戻ることはないぞ」とアドバイスされたそうです。

しかし、鈴木投手本人は、「結果が出なかった原因を指先のせいにしたくはないんです。」と言い切ります。

そんな中、与田新監督が掛けてくれた一言が心強かったといいます。

「俺も長いことケガには苦しんだ。横一線の競争とは言ったが、若いうちにしっかり治しなさい。それより、手術前、指にマメを作ると術後の回復に響くぞ。焦る気持ちは分かるが、気を付けてな。それと、育成契約ではなく支配下の背番号を用意して、待っているから。」

この言葉を胸に、本日、鈴木翔太投手は、手術台へ向かいます。
近未来のエースを目指し、頑張れ鈴木翔太。燃えよドラゴンズ!

【CBCアナウンサー 宮部和裕(みやべ かずひろ)
CBCラジオ「ドラ魂キング」(毎週水曜午後6時放送)ほか、ドラゴンズ戦・ボクシング・ラグビーなどテレビやラジオのスポーツ中継を担当。生粋の元少年ドラゴンズ会員。山本昌の史上最年長ノーヒットノーランや岩瀬の数々の最多記録の実況に巡り合うほど強運。早大アナウンス研究会仕込みの体当たりリポートで、6度目の優勝ビール掛け中継を願う。】

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