会社組織にも繋がりそう!?ドラゴンズ新首脳陣が醸し出す期待感
『最近、ファンの期待が高まっている』
球団の一年最後の公式行事、球団納会で白井文吾オーナーが語った言葉だ。
もちろん、その大部分はドラフト会議での根尾昂選手獲得成功によるものだが、
秋季キャンプに訪れるファンの数と熱気は例年を上回っていることは、私の目にも明らかだ。
ただ、期待が高まっているのはファンだけではないように思う。
実はプレーしている選手たちの期待も高まっているのだ。何に対してか?
それはこの秋季キャンプから合流した新指揮官と新コーチの「言葉」だ。
ある投手が話していた。
『もちろん、今までのコーチの方もいろいろ自分に合うように話をしてくれた。
ただ、新しいコーチの発するアドバイスがすごくしっくりくるし、その通りカラダが動く。
今となってみれば、前のコーチもこういうことを言いたかったんだろうな…って』
ある捕手が話していた。
『特に投手部門はほとんどのコーチが入れ替わって、技術指導が多い感じがする。
ただ「こうしてみたら?」というシンプルに短く伝えているイメージ。
その後、投球練習で受けてみた球が変わっているという選手が結構多い』
短い言葉に込められた期待感が、さらに期待を生む相乗効果
門倉二軍投手コーチに聞いてみた。
『去年まで現場を離れて見ていて、気付いたことを言っているんです。
福谷なんて先発したら簡単に二ケタ勝てるくらいのポテンシャルを持っていますよ。
ただ、彼は研究熱心で、かつ自分で考えたいタイプ。なかなか他のアドバイスとか意見を取り入れるのに時間がかかるんですよ。そこをなんとかしてやりたい』
『育成出身の投手も、支配下の選手たちと遜色ない。かなり高いレベルで争っている。背番号がいつ二ケタになっても不思議ではないですよ』
先入観がないこと、人と人の付き合いをゼロベースですること、それをポジティブに発信すること。これが功を奏しているようだ。
就任会見でも秋季キャンプでも与田監督は相反するような言葉を繰り返した。
『まだ選手を完全に把握しきれていない』『優勝できる戦力である』ということ。
選手を把握していないのに、なぜ優勝なんてできるんだ!?と思うのはネガティブな捉え方。
先入観なく戦力を見極め、個々に的確な助言をすることで、二つは両立できるように思う。
秋季キャンプが終わり、選手たちには「冬休みの課題メモ」が渡されたらしい。
選手たちがポジティブな気持ちでこのメモを受け取っていれば、2019年は明るい。
【CBCアナウンサー 西村俊仁(にしむらしゅんじ)
CBCラジオ「ドラ魂キング」(毎週木曜午後6時放送)ほか、ドラゴンズ戦・駅伝・Bリーグなどテレビやラジオのスポーツ中継を担当。
陸上競技はじめ速さを競うスポーツが好きなせいか、野球は盗塁・サッカーやバスケでは速攻に猛烈に興奮してしまう。子どもの運動会でもフォームが気になってしまう】