名古屋・中川区尾頭橋の愛されフード『不朽最中』を調査! 皮のパリパリ食感と、しっとりつぶあんが絶品!
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている!その町で生まれ、町に根づく愛されフード。CBCの加藤愛アナウンサーが全力で調査します。
今回は、『名古屋市中川区尾頭橋(おとうばし)』の『不朽最中(ふきゅうもなか)』です。早速調査すると、「尾頭橋で知らない人はいない!」という認知度! パリパリの皮の中に甘さ控えめのつぶあんがぎっしり入っていて、『不朽園』という和菓子店が作る最中のため『不朽最中』なのだとか。
尾頭橋商店街の入口にある『不朽園』は、まもなく創業100年を迎えるという老舗の和菓子店。看板商品の『不朽最中』は、菊の花を模したサクッサクの皮に、閉じ切らないほどタップリのあんこが詰まった逸品です。加藤アナがいただくと、はじめの一口の「サクッ」という音が心地よく、「最中の皮って、上あごに付くイメージがあったんですけど、それが全くない」と感動! さらに「あんこの甘みが口の中に広がって、でも甘すぎず、また食べたいなと思う」と、あんこのおいしさも感じたよう。
最中の命は、この自家製あんこにあるとか。使っているのは、北海道十勝産の最高級小豆「十勝野(とかちの)」。これを強めの火で2時間半茹でて、小豆を膨らますことで、皮まで軟らかく、滑らかな食感を作ります。そこに岐阜県山岡産の細寒天、砂糖、そして水飴を加えますが、一番のキモは火加減の調整と火から下ろすタイミングの見極めです。
火を入れすぎるとあんこが粘り、かき混ぜて温度を下げすぎても粘りの原因に。1分タイミングがずれるだけで「ちょっと違う」となるとか。でも「そこは腕。長年の腕」と3代目。そして、専門の職人が1枚ずつ手焼きする最中の皮と合わせると、皮のパリパリと、しっとりしたあんこのハーモニーが楽しめるのです。
実は、このパリパリ食感を楽しめるのは、わずか30分。詰めてから1時間経つと皮にあんこの水分がしみ出し、フニャフニャの食感に。そのため、一番おいしい“作りたて”を楽しんでほしいという思いから、店頭のすぐ横にある工場で注文ごとにあんこを詰めています。
その『不朽最中』の始まりは、およそ100年前。食糧難だった昭和初期に、この地で“おしるこ”を販売したのがきっかけでした。その後、大須にあった和菓子店から職人が婿に入り、現在の不朽最中の製法を確立。石の上に生える竹のように、いつまでも朽ちない店でありたい…その思いから名づけられた『不朽園』の看板商品として、『不朽最中』が誕生しました。
主力となったこの商品は、売上の8割近くを占め、お客さんからも『不朽園』と呼ばれるよりも『尾頭橋の最中屋さん』と親しまれてきたとか。現在は長男である4代目に引き継がれ、パティシエとなった次男は最中とカステラを融合した「カステラ最中」を開発。新感覚スイーツとして、若い世代からの注文が殺到中だとか。
「いつも仲良く(いつモナカよく)」という代々の教えを胸に、兄弟が力を合わせて店を守り、受け継がれている愛されフードでした。
(5月11日(木) CBCテレビ「チャント!」より)