「根尾昂を周りがグイグイ持ち上げるが、去年のままでは長く持たないよ」ドラゴンズ元エースが根尾昂を徹底分析!
根尾昂へ高校の先輩から厳しい言葉が!
孤高のサウスポー・ドラゴンズの元エース今中慎二氏は、根尾昂投手に厳しい言葉を送った。
(今中慎二氏)
「根尾昂を周りがグイグイ持ち上げるから。厳しさを知らないと」
根尾投手本人が自覚していることはもちろん分かっている。この敢えての厳しい言葉には“先輩”から根尾投手への期待もこめられていた。
実は今中氏の出身校は大阪産業大高校大東校舎。現在の大阪桐蔭高校。根尾投手は後輩にあたるのだ。
(今中慎二氏)
「昨シーズン途中、投手転向を聞いたときは、正直びっくりしました。おっ、という感じ。150キロ投げられる魅力は分かるよ。ただ去年は、まだ何か野手に未練があったような。根尾の言葉、動きからまだ何かね。ベンチでの仕草が野手っぽい。無意識なんだろうけど、野手が抜けていない。正直、ショートを守ってからでも遅くなかったような。やり切ってからでも良かったのでは」
確かにシーズン中、現首脳陣の落合英二ヘッド兼任や大塚晶文投手コーチも、試合のない月曜などに、投手としての所作(?)を事細かに本人に伝えていた。
今中氏が冒頭の厳しい言葉を送った理由は一体何なのか。
(今中慎二氏)
「まだまだ上を目指さないといけないから。去年のままのレベルでは、プロで、長く持たないよ」
根尾昂は先発向き?リリーフ向き?大エースの分析は!?
そんな根尾投手は先発向きなのか、リリーフ向きなのか。大エースの分析を聞いてみることにした。
(今中慎二氏)
「根尾は、先発の方が向いているね。そもそもリリーフの準備は大変。先発はスタミナが要る?って。世間で言われるスタミナなんて投げているうちに勝手についてくる。現役時代、自分もよく叩かれました。細めの体型だからどうとか。根尾なら、投げられます。ただ、球数どうこうではなく、いやらしいバッターが粘ってくる。それに対する根気とメリハリが必要。そこだけ」
では2023年シーズン、先発投手を目指す上で根尾投手には何が必要となってくるのか。
(今中慎二氏)
「球種なんて増やさなくてイイ。コントロールとストレートの質。150キロ出ても、打者が真っすぐを狙ってもバットに当たらない球。スピンの効いたね。未練なく、投手一本でいくならそれを示さないと。まだまだ足りないね。ピッチャーは、最後はストレート」
さすが現役時代、ほぼ直球とカーブだけで、毎回奪三振、完投勝利など数々の記録を打ち立て、最多勝・沢村賞に輝いた大エースの言葉。
投手としての道を歩み始めた根尾昂投手は、先発投手のローテーションに加わることはできるのだろうか?今まさに自主トレ中で、自分の中での“答え”を見つけ出そうとしていた。
(根尾昂投手)
「モデルチェンジというか、再現性は高まってきているかなと。体の軸を意識して、ボールの質とかを見てもらえれば、変わっているのかと思います」
新ユニフォーム姿での先発投手・根尾昂を見るのが、ファンとしては楽しみで仕方がない。
燃えよ!ドラゴンズ!
【CBCアナウンサー 宮部和裕】
CBCラジオ「ドラ魂キング」毎週水曜に久野静香さんと共演。テレビ・ラジオのスポーツ実況担当。生粋の元少年ドラゴンズ会員。早大アナ研仕込みの体当たりで、6度目優勝ビール掛け中継を願う。「月刊ドラゴンズ」コラムも連載中