「荒木に勝るセカンドはいなかった」―。落合元監督が語った“荒木雅博の真実”。 そして、竜党の懸念するビシエド、アルモンテの去就について谷繁元監督から衝撃予告が

「荒木に勝るセカンドはいなかった」―。落合元監督が語った“荒木雅博の真実”。 そして、竜党の懸念するビシエド、アルモンテの去就について谷繁元監督から衝撃予告が

【あるドラライターの参考書的サンドラ活用法】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)をみたコラム

またひとり、竜の黄金期を支えたレジェンドが現役生活に終止符を打つ―。球団最多の378盗塁と2000安打達成、6年連続ゴールデングラブを受賞した荒木雅博選手が6日、正式に引退を表明しました。今週のサンドラは、荒木選手を球界を代表する選手へと育て上げた落合博満元監督が師弟のエピソードを披露。あの有名な“地獄のオレ流ノック”の経緯に触れながら、荒木選手が落合野球の体現者だった理由が分かる秘話が明かされました。

「野球に関しては貪欲だった」-。荒木選手は落合監督との食事の時間を狙って食事会場に向かっていた

「(監督に就任して)誰にセカンドをやらせるのかを決めるときに、井端、荒木の身体能力が高いという事で、その二人に二遊間を任せてみようと。そこで『俺に一回ノックをさせろ』というのが、すべての始まり。今の時代にあのノックをやったら、スグに訴えられるのかな(笑)。あの時はチームを強くする為に選手を鍛え上げなければならなかったから。本当に最後までくらいついてノックを受けたのは、荒木、井端、森野の3人だけ。あとの選手はみんな逃げた。ノックを打つ落合からみんな逃げたんです」

プロ野球選手が避けたくなるほどの猛練習に耐えた荒木選手は、グラウンドの外でも落合監督の薫陶を受けようと行動に移していたのです。

「一番、話をした選手が荒木。俺が飯を食う時間を見計らって食事会場にくるんだから。延々と野球の話をした。(選手の中で)一番多く一緒に食事をしたのも、一番長く話をしたのも荒木。野球に関しては貪欲だったよ」

落合監督と師弟の関係にあった荒木選手が掟を破った試合が。それは2011年9月23日のスワローズ戦。荒木選手が引退会見で「あの走塁はナンバーワン」と挙げたプレーについてでした。

「普段だったら俺に怒られる」-。禁じ手すら認めさせた神業のヘッドスライディング

「絶対にホームベースに頭から滑り込むなよと(常に)言っていた。2011年の俺の退任が決まってからのスワローズ戦で、頭から飛び込んできたでしょ。あれは普段だったら俺に怒られるんだわ」

球団初の連覇を達成した11年は首位スワローズとの最大10ゲーム差をひっくり返しての優勝。そのきっかけとなったのはこの試合の勝利であり、さらに突き詰めれば荒木選手の神懸かったヘッドスライディングでもぎ取った1点だったことは間違いないでしょう。優勝争いの最中に発表された落合監督の退任。その翌日に荒木選手が現役最高と挙げたプレーについて、落合元監督は次のように振り返っていました。

「もう俺が来年いないんだから、別に怒られる事もないからと思ってギリギリの所で頭からきた。ケガしてもいいんだっていう心境のプレー。監督にはもう怒られないんだから、自分がやりたいようにやった。でも、アレだけは凄いと思う。飛んでるもんな(笑)」

落合元監督が読み解いたのは荒木選手の心境であり、たとえ退任が決まっていたとしてもケガを伴うプレーをした荒木選手のことを、師である当時の落合監督は叱っていたに違いありません。そうしなかった、させなかったのが、あのプレーの真の凄さではないでしょうか。あの落合博満を認めさせるほどのプレーだったということなのだと思うのです。

「荒木のような選手を一人でも二人でも育てること」-。師匠から弟子へ、贈る言葉は最大級の賛辞

インタビューの最後に、落合元監督は荒木選手の功績に惜しみない賛辞を送るとともに、次なるステージに向けて力強く背中を押していました。

「これだけは言えるのは、(監督在任の)8年間で後にも先にも、『お前練習やり過ぎだから、もうその辺で止めておけ』と言ったのは、荒木ひとり。ストップかからないんだもんアイツ。そんな選手、見たことない! だからここまでやれたんだと思う。そういう選手を一人でも二人でも育ててくれるのが、これからの荒木の仕事なんだろうと。荒木に勝るセカンドはいなかったんだから」

ドラゴンズから荒木雅博というプレーヤーがいなくなることは寂しくて仕方がありません。ただし、荒木コーチが自らの手で育てる「ポスト荒木」を想像すれば、期待で胸は膨らみます。ファームで二塁のレギュラーとして出場していた溝脇選手は、今季のウエスタン・リーグで5位の打率2割7分6厘をマーク。荒木選手も一目置く選手が後継者の筆頭格となるのか、それとも今秋のドラフトで指名するニューフェイスをイチから仕立て上げるのか―。荒木雅博という野球人が、これからのドラゴンズに欠かせないことは確かです!

ビシエド、アルモンテの他球団流出の可能性について。谷繁元監督「あると思います」-

番組の後半は、「来季のドラゴンズについて」というテーマでスタジオ解説の谷繁元信さんと赤星憲広さんに直球質問を展開。その中でドラゴンズファンが今最も気掛かりなのは、今季で契約が切れるビシエド選手、アルモンテ選手の両外国人打者の去就ではないでしょうか。この件について、どうやら昨年のゲレーロ選手と同様に、ドラゴンズファンは覚悟をしておく必要があるかもしれません。谷繁さんの見解は次の通りです。

「(両選手の獲得に動く球団はある?)あるんじゃないですかねぇ。(流出の可能性は?)あると思いますね。2人とも若いですよね。まだ(来季は)30歳なので、複数の3年契約を結んだとしても33歳。日本での実績は作りましたから。そりゃ手を挙げる球団はあるんじゃないですか」

さらにタイガースのOBである赤星さんが宣戦布告ともとれる大胆発言を!

「(タイガースが)狙っているでしょう。お金? あるでしょう! ビシエド選手は欲しいんじゃないでしょうか」

他球団のOBである赤星さんの発言はさておき、元ドラゴンズのOBで監督経験もある谷繁さんの口から飛び出したことで危機感は増しました! ドラゴンズという球団、フロントが外国人選手との契約におけるスタンスなどを熟知していることでしょう。すでに何らかの情報を得たうえでの発言なのかもしれません。
しかし、ビシエド選手もアルモンテ選手も強竜復活には欠かせない戦力に違いありません! 今季、2人がいなかったと考えるとゾッとします。外国人選手に頼ってばかりでは、日本人選手の若手が育たないという見方もあるのかもしれませんが、高いレベルでのチーム内の競争は必要です。他球団のFA選手を獲得できないのは致し方ないとしても、自軍の人気選手に出て行かれる落胆は精神的にこたえます(涙)。ドラゴンズのフロントの方々のご尽力を・・・。もしも現時点で形勢が思わしくないのであれば、ここからの巻き返し、逆転本塁打に期待しております!!

ドラゴンズライター高橋健二

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