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沖縄キャンプ総括~熱き「ドラゴンズファン宣言」に監督は選手はどう応える?

沖縄キャンプ総括~熱き「ドラゴンズファン宣言」に監督は選手はどう応える?

沖縄の地でドラゴンズファンが大いに存在を主張した春だった。
中日ドラゴンズの春季キャンプ地である北谷町と読谷村では、例年以上に応援する選手の背番号ユニホームを着たファンの姿が目立っていた。球団幹部によると、公式ファンクラブ入会特典である特製パーカー姿のファンがとにかく目についたと言う。
ファンにとって“ドラゴンズブルー”を身にまとうことは「ファン宣言」と言える。竜党が高らかに主張を始めた2019年春の風景だった。

グッズが売れに売れたキャンプ

キャンプ地ではグッズに人気が殺到した。球団が2月24日に発表したところによると、1軍キャンプの北谷球場でのグッズ売り上げが1億円を突破した。背番号「99」のユニホームなどが大人気だった1年前の“松坂フィーバー”は5000万円、その倍という。松坂大輔投手が新たに背番号を「18」に変えたことに加え、背番号「7」スーパールーキー根尾昂選手の存在がとにかく大きかった。最も売れたグッズは根尾選手のタオル(2000円)。根尾選手がキャンプを過ごした読谷球場でもあっという間に売り切れた。
キャンプ当初はどちらの球場でもグッズ売り場には長蛇の列ができた。友人知人へのお土産とは別に、買ったグッズを自分の身に付けたファンの楽しげで誇らしげな顔は、キャンプ地でとても印象に残った。

地元の沖縄も「根尾!」大注目

沖縄の人たちも、今季のドラゴンズには熱い思いを抱いている。
北谷から2軍キャンプが行われている読谷に向かう時、タクシーの運転手さんが「根尾ですか?」と尋ねてくる。野球はそれほど詳しくないと笑いながらも、その運転手さんは話を続ける。
「練習試合でもいいから、私も根尾選手はぜひ見てみたいなあ」
この日の読谷平和の森球場にも、背番号「7」のユニホームを着た複数の人をはじめ、大勢のファンが詰めかけ、練習を見守っていた。飽きることなく、そしていつまでも。

ドラゴンズユニホーム姿の役場も熱く

沖縄・北谷町役場の様子

北谷町役場を訪れた。
ドラゴンズのキャンプ期間中、役場では窓口に立つ職員は思い思いのドラゴンズユニホーム姿になる。住民課のカウンター越しに見るドラゴンズブルーはとても新鮮だ。折しも辺野古基地埋め立ての是非を問う「県民投票」期間中だったが、期日前投票に来た人を案内するスタッフもブルーのユニホーム姿だった。
1年前に北谷町に興奮を巻き起こした松坂投手は肩の不調で治療のために北谷町を離れてしまった。もうひとり注目の根尾選手は右足ふくらはぎ肉離れのため、初日以外はずっと読谷村で過ごした。実は目玉2人がいない北谷キャンプだったのだ。
しかし、野国昌春町長はじめ役場の職員たちは、あまり残念がっていないように見えた。
1996年(平成8年)以来、ドラゴンズが北谷町をキャンプ地に選んで24年目となる。2月という期間限定ではあるものの、すっかりドラゴンズのホームタウンになっている。竜の応援では筋金入りなのだ。本拠地である名古屋市ではあまり見られない風景を今回もとてもうらやましく思った。

キャンプ打ち上げ「70点」その次は?

6年連続のBクラスが続く中、「ドラゴンズが好きだ!」と胸を張ることが実は若干しにくくなっていたファンは多い。沖縄のキャンプ地ではそれが見事に払拭されていた。さあ次はいよいよ選手たちがその思いに応えるステージである。与田剛新監督は今回のキャンプを「70点」と総括したが、就任の会見で「驚かせるチームにしたい」と語った新生ドラゴンズがどんな陣容になるのか、今はまだ見えていない。

日常生活の中でユニホームを着続けることはできないが、ファンは皆、心にドラゴンズブルーをまとって1か月後に迫ったシーズン開幕を熱き思いで待っている。

【CBCテレビ論説室長・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。

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