8年目高橋周平 ドラゴンズの新たなるキャプテンとしての挑戦
「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム
ようやく本州も気温が上がってきて、開幕に向けてオープン戦も折り返しが見えてきた。いよいよといった雰囲気で、各選手開幕一軍、開幕スタメンに向けてしのぎを削っている。
ファンとしてもまだシーズンの勝敗には関係はないからと思いつつも、試合結果に一喜一憂しながら開幕へのワクワクを高めている最中だ。
そんな折オープン戦を見ていると、一際頼もしく見えるのが高橋周平選手だ。今年は顔つきからして違うのだ。
活躍した日のインタビューでは”二階堂ふみ” 似の魅力的な笑顔で、はにかんで言葉少なに語ることが多かったのだが、今年は凛々しい表情でハキハキとわかりやすく語っている。そして、それはもちろん雰囲気だけでなく結果にも現れるのだ。
バッティングに効く?!キャプテン抜擢の効果
与田剛監督はキャプテンの抜擢の意図をこう語っている。
「昨年ある程度しっかりした成績を残して、それで守りに入らずにキャプテンというポジションの中、また飛躍してほしいしチームを引っ張っていってほしい」
去年キャリアハイの成績を残したが、ポテンシャルを考えると、まだまだ高い成績を期待する。そして、今年の周平選手は、その期待を担ってくれそうな雰囲気なのだ。
それは、結果としても現れており、オープン戦の打撃成績も打率チームトップの.333、ホームラン1本、6打点(3月10日現在)と好調。チームの総得点19点周平選手一人で三分の一をあげており、チームの勝利のために奮闘している。打線全体が活気付いてほしいところではあるが、大きな安心材料である。
打撃好調のもう一つの理由は?
このキャンプ周平選手はサードのポジション固定、実質的には福田永将選手との争いということになる。その時に求められるポイントは、ずばり ”バッティング” だろう。その明確な目標こそ打撃好調に影響しているのではないだろうか?
昨シーズンは慣れないセカンドの守備にも時間を割いていたが、今シーズンは慣れ親しんだサードのポジションに戻り、持ち前のバッティングセンス、技術をいかに発揮するかということに重きを置けるのだ。
この“シンプルな目標”こそが、卓越したセンスをもつ周平選手のポテンシャルを引き出す鍵なのではないだろうか。
解説者の赤星憲広さんにも ”下半身の強化” にお墨付きを得たとおり、結果を残す準備は着々と整っている。
しかし、福田選手も黙っちゃいられない。選手会長でチームを引っ張らなければならない立場から周平選手がキャプテンとして牽引する事で、対照的に少し余裕が持てているようにも見える。
福田選手のロマンの詰まった長打力も、あの痛快なバット投げも、右の代打として持っておくだけじゃもったいないと感じるファンも少なくないはず。どちらがレギュラーを取っても納得できるような熱い競争を見せて欲しい。
予測不可能?周平の新しいキャプテン像
周平選手がキャプテンとしてキャンプを引っ張って行ったことに対して、同じ内野手として見ていた京田陽太選手は
「結構まわりを見ながらやっているので、キャプテンにしてよかったんじゃないかと思います」
と少しイジるようなニュアンスで評価している。
これも周平選手の人徳だろう。
「誰が見ても僕にはキャプテンは似合わないと思ったので、戸惑いはあったが、チームがおかしくなったら自分から声を出していきたい」
そう話す周平選手は、決して優等生ではないかもしれないが、型にはめることなく自分を見つめ直して引っ張って行く決心をしているように感じた。
その理由の一つは ”声を出していくこと” という持続できる目標を掲げて、しっかりやっていること。
二つ目は、 ”周りを見る” というこれまでなかった事を キャプテンというきっかけで取り入れ、変身しようとしている。こんな等身大の変化がチームにも本人にも予想できない効果を生むのではないか。
成長して変身を遂げていく周平選手にときに感心しながら、ときに助けながら、図太くブレない芯を支えて、チームがまとまるのも良いかもしれない。
そんな新キャプテンの周平選手は、謙虚な言葉をさらりと語る。
「とにかく一番はチームが勝つことなので、その戦力になれればいいかと思います」
目標は揺るぎなく、ただチームの優勝のためにやるべきことをやる。
新しいキャプテンのあり方でドラゴンズを優勝に導いてもらいたい!
澤村桃