ステーキからサラダバーまで食へのこだわりが強すぎる!? 「ブロンコビリー」の知られざる驚き情報
熱々の鉄板にジュワーっとシズル感たっぷりの分厚いステーキ。ファミリー層でも気軽にご馳走が楽しめる「ステーキハウス ブロンコビリー」。全国に134店舗(2022年12月時点)を展開するステーキハウスですが、実は名古屋発祥の会社なのはご存じでしょうか。今回は素材にこだわるブロンコビリーの知られざる秘密に迫ります。
ブロンコビリー誕生秘話。もともとは喫茶店だった!?
ステーキレストランとして有名なブロンコビリーですが、そのルーツは1969年、創業者の竹市靖公氏が名古屋市北区にお店を構えていた喫茶店「トミヤマ」から始まります。人々が行き交う憩いの場として人気だった喫茶店でしたが、竹市氏の「もっとより多くのお客様や仲間と出会い幸せにしたい」という想いから、日本全国の繁盛店を自身の目で見て回り、たどり着いたのが1978年にオープンしたステーキハウス「ブロンコ」。そして2年後「野生の馬」「荒々しい」という意味をもつ「ブロンコ」と「常に少年の心を忘れない」という想いから、アメリカの少年の名前である「ビリー」を合わせ、「ブロンコビリー」という名称が誕生しました。(ブロンコビリー公式HPより)
素材の徹底管理と炭火へのこだわり
1.肉とハンバーグへのこだわり
ハンバーグが100%ビーフであることは当然ながら、早朝から春日井市にあるセントラルキッチンで全国すべての店舗で消費する肉を一手に加工し、品質を一元管理。品質に関してのこだわりはこれにとどまらず、仕入れた肉はその日のうちに各店舗へ届けられるほどの徹底ぶり。また、ブロンコビリーで提供されるハンバーグは極太ミンチを使用。まるでステーキのような食感を追求しています。さらには「今よりさらに美味しいものを作る」という考えのもと、自社工場で月に1回以上、ハンバーグの検品会を行っているそうです。
2.炭火へのこだわり
肉へのこだわりだけではなく、使用する炭にもこだわりが。ブロンコビリーで使用する炭は2種類。備長炭とオガ炭を使用することで遠赤外線と火力の双方の力を利用し、焼きムラなく、肉汁を閉じ込めたまま焼き上げることが可能。また、炭火から発生する煙が肉に付着する燻煙(くんえん)効果により、香ばしさとうま味を引き立てることから、炭火を使用するようになったとのこと。テーブルに運ばれてきた時の香ばしさはこのように作られているのですね。
サイドメニューと侮ることなかれ!野菜やご飯へのこだわり
1.サラダバーへのこだわり
ブロンコビリーへ行ったことのある人なら、サラダバーの充実度はお分かりだと思います。野菜だけでなく、パスタやスイーツ、果物など常時20種類以上を取り揃える同店のサラダバーは、季節などに合わせて年に5回、旬の野菜を取り入れ、訪れる人を飽きさせないようにしています。
すべての野菜は日本全国の生産者と直接顔を合わせて仕入れ交渉を行うほどのこだわり。時には社長自らが直接交渉することもあるそうです。そうして契約した農家から直接仕入れる野菜は、収穫から店舗への輸送まで温度管理を徹底した「コールドチェーン」と言われる物流方式を取り入れ、新鮮な状態で来店客のもとへ届くようにしているとのこと。また、工場で調理するのではなく、各店舗で野菜をカットすることで、より新鮮で野菜本来の味わいを楽しめるように配慮されています。店舗のオペレーションにおいても、サラダバーをカメラで監視することで、いつでも野菜の補充ができるようにスタンバイしているほど。
2.ご飯へのこだわり
ブロンコビリーで使用しているお米は魚沼産コシヒカリ一択。それには「美味しい」以外の理由がありました。創業者である竹市氏がある日ブロンコビリー本部からほど近いスーパーの売り場で、他のお米の2倍以上も高い魚沼産コシヒカリが売れている光景を目にし、自社でも取り扱うことを決意。産地である津南町まで何度も足を運び、以来ブロンコビリーでは魚沼産コシヒカリのみを取り扱うことになったようです。
また、お米を炊くことに対してもこだわりが。ブロンコビリーでは各店舗に大きなかまどが設置されています。これは言うまでもなく、選び抜いた魚沼産コシヒカリの美味しさを最大限に引き出し、かついつでも出来立てで美味しいご飯を来店客に提供するため。かまどならではの強い火力と高い保温性が、お米の美味しさをより引き出すのですね。
デフレ、競合他社との競争、さまざまな苦境を経験してきた老舗企業
ここまでブロンコビリーの知られざるこだわり情報をご紹介しましたが、実は長い経営歴史の中で2000年にサラダバーや炭火焼きでの提供を廃止し、低価格路線での戦略をとっていた時期もありました。しかしこだわりの炎は消えることなく、デフレ下の日本経済の中で生き残り、2003年にはサラダバー、炭火焼きとも復活。さらに魚沼産コシヒカリの美味しさを引き出す大かまどご飯の投入を図ることで業績をV字回復させるなど、時流を掴みながらも「今よりさらに美味しいものを作る」という精神は、これからもブロンコビリーの根幹であることでしょう。
ライター
KENTA
#名古屋めしデララバ