肉もニンニクもマシマシ!無限トッピングシステムで誕生した“背徳の台湾炒飯”とは
熱々の麻婆豆腐に、ジューシーな焼き餃子。足しげく通い詰めたくなる、どこか懐かしい味わいの大衆中華料理店“町中華”。そんな人気の町中華に必ず存在する看板メニュー“常連メシ”を求めて、数々の名店を訪ねてきた中で、今回は名古屋市中川区「中国料理 餃子苑」を再訪。新たな常連誕生の瞬間を取材しました。
ボリューム満点!トッピング自在の新“常連メシ”は背徳感がたまらない!
「中国料理 餃子苑」で、客の9割が注文する伝説の“常連メシ”「赤い天津飯」は、常連客が口々に「最高の一皿」と絶賛していた不動の看板メニューです。しかし、改めて訪ねてみると、店内で連呼されていたのが「台湾炒飯」のオーダー。
(店主・村瀬憲幸さん)
「(Q台湾炒飯は、赤い天津飯の注文を超える?)あります!あります!ビックリでしょ!?絶対王者だったのに…」
店主も驚く“シン・常連メシ”、その名も“背徳の台湾炒飯”
(常連客)
「基本の台湾炒飯があって、肉をのせたり、ニンニクをのせたり」
(常連客)
「(Q最近は台湾炒飯?)こればっかり!ニンニクの背徳感!人と会うときは食べられないけど、食べたくなっちゃう」
赤い天津飯が好きな常連客達も、ほっこりニンニクや肉のトッピングを加えることで、背徳感マシマシに仕上がる台湾炒飯に夢中です。
常連客もトリコ! 手間暇かけて仕上げる人気トッピングの秘密とは
ベースとなる「台湾炒飯」は、ごはんに豚ミンチ、卵、ニラ、唐辛子などを加えて炒めたピリ辛風味。そこに加えるトッピングは…。
(常連客)
「肉は、トッピング用に仕込んでいる」
(店主・村瀬憲幸さん)
「とにかく台湾炒飯の上にのせたがる。いま間に合わなくて、毎日肉を作っている」
トッピング用の肉は、豚の腕肉。毎日6時間かけて中華スープの中で煮込み、しょう油とザラメでじっくり味を染み込ませています。
(店主・村瀬憲幸さん)
「素材から出るコクがすごい。肉のコクが出る。そこから出る脂や味を計算して、(台湾炒飯に)足りない味を補う。少し調味料を足す」
肉から染み出す素材の味とコクを最大限に活かすため、炒飯に使う調味料は計算しながら最小限におさえているといいます。
客の夢を叶える! 大盤振る舞いすぎる“無限トッピングシステム”とは
登場した当初はトッピングシステムがなかった「台湾炒飯」。トッピングシステムができたきっかけは、ある客の一言。
(常連客)
「皿玉ざえんに肉トッピングがあった。皿玉ざえんの肉をのせてと頼んだら、台湾炒飯にのせてくれた」
皿玉ざえんのチャーシューを、台湾炒飯に乗せてほしいという客のワガママに応えた店主。
(常連客)
「(『台湾炒飯』のために)店主が新しい肉を用意してくれて、違う部位で新しい肉を作ってくれた」
常連客の要望に対し、「もっと台湾炒飯にベストマッチな肉を作った」と、店主自ら提案したのです。
(店主・村瀬憲幸さん)
「客が少年のような瞳で尋ねてくる。夢をかなえるしかない」
毎週のように店に来て、嬉しそうに食べてくれる客には「常連だけの、もっと特別な料理を提案してあげたい」と思ったという店主。取材日に常連客が注文していたトッピングは、カニ玉小、ほっこりニンニク、ニンニク。約3000円になっても、決して高くないと言い切る顔は、満足そうな笑顔。こうして無限トッピングシステムができたのです。
長年かけて常連たちと培ってきた隠れた特別メニューは、いまや無数に存在する台湾炒飯が、かつての“常連メシ”・赤い天津飯を超える日も近いかもしれません。
CBCテレビ「チャント!」3月19日放送より