三重県津市の愛されフード『はんぺい』を調査! もちふわ食感の白い練り物は“はんぺん”ならぬ『はんぺい』
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている! その町で生まれ、町に根づく愛されフード。CBCの加藤愛アナウンサーが全力で調査します。
今回は、『三重県』の県庁所在地『津市』。津市のご当地グルメといえば、全国屈指の消費量を誇るウナギや、学校給食からブームに火が付いた“津ぎょうざ”などが有名ですが、調査する愛されフードは『はんぺい』です。街で聞き込みをすると、色は白くて、形は半月型。魚のすり身で作った練り物で、そのまま食べたり、焼いたり、炒めたり…、皆さんいろいろな食べ方で楽しんでいるようです。
『魚歳(うおとし)』という人気の専門店があるとか。
おじゃました『魚歳 はんぺい茶屋』は練り物専門店で、店に入るとまず目につくのは、ざっと20種類以上は並ぶ、揚げたてのさつま揚げ。お目当ての『はんぺい』は、情報通り真っ白で特徴的な半月型。いわゆる“はんぺん”のようですが、パッケージには確かに『はんぺい』と書かれています。加藤アナは出されたそのまま、何もつけずに味わいました。
『魚歳のはんぺい』は、北海道のスケトウダラと気仙沼のヨシキリザメなどの良質なすり身に“伊勢いも”を入れるのが特徴で、フワフワなだけでなく、生地にコシが出るのだそう。しっかり練り合わせたあと形を作り、釜茹でをします。ところで「はんぺん」と『はんぺい』の違いを聞くと、考案した人が“半平(はんぺい)”という名など諸説あるそうですが、真実は分からず「方言ではないか」とのこと。この店で売っている『はんぺい』のことを「はんぺん」と言う人もいれば、揚げたものを「はんぺん」と言う人も。
『魚歳 はんぺい茶屋』は、「練り物の魅力を発信していきたい」と17年前に始めたお店ですが、魚歳自体の創業は戦前にまで遡ります。創業者は常務の祖父。鮮魚店として津市の漁港からたくさんの魚を仕入れていた中、地元で盛んだった『はんぺい』を自分の店でも作りたいと、息子さんに託し、試行錯誤をして独自の味を作り上げました。そして、魚歳のはんぺいの評判が上がってきた頃、フィルム包装を取り入れたことでスーパーマーケットなどでも販売されるようになって、より津市民の食卓に広がったのです。
オススメの食べ方は、両面に醤油をつけて軽く焼くお手軽アレンジで、香りが香ばしく、おいしいのですが、見た目が映えないというのが難点。そこで考えたのが、中身を工夫したフライで、はんぺいに切れ目をいれ、ホッキ貝をマヨネーズで和えたサラダを詰めて揚げました。フワモチのはんぺいとホッキ貝のコリッとした食感が楽しく、断面もおいしそうに映える逸品です。ほかにも、カレーを入れて揚げるなど、はんぺいの新しい食べ方を提案。
「“白いはんぺん”といえば、津のはんぺい」と言われるような、広く愛される存在を目指しています。
(5月18日(木) CBCテレビ「チャント!」より)