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新型コロナ後遺症外来

新型コロナ後遺症外来

サマリーSummary

ゲスト:西野未姫
ドクター:昭和大学病院 病院長 医学博士 相良博典
ヒラハタクリニック 院長 平畑光一
新型コロナウイルスに感染後、長引く辛い症状に悩まされている人がいます。その名も「新型コロナ後遺症」。その症状は、倦怠感や味覚・嗅覚障害など多岐にわたります。特に30~40代に後遺症で悩む人が多いのだとか。そこで今回は、新型コロナ後遺症について徹底リサーチ!気になる症状や原因、治療法などを専門医に教えてもらいました。

「新型コロナ後遺症」とは?

新型コロナウイルスに感染後、通常であれば2週間~2か月ほどで症状が治まるといわれています。先生曰く、新型コロナ後遺症の判断基準の1つは、3か月以上症状が続く事。
さらに、レントゲンや心電図などで目に見える異常が見つからないのも後遺症の判断基準の1つとなるそうです。

<新型コロナ後遺症の症状は?>
新型コロナ後遺症の症状は、倦怠感や味覚・嗅覚障害、頭痛、脱毛、息苦しさなどさまざま。新型コロナウイルス感染時に重症だった場合と軽症だった場合で、後遺症の症状も異なるそうで、感染時に重症化した場合は、退院後も酸素ボンベが必要になるなど重篤な障害が残るケースもあるそうです。

<専門外来が開設されています!>
現在、新型コロナ後遺症の専門外来も開設されています。後遺症外来では、感染の時期や経緯、症状などを問診するとともに、血液検査・胸部X線・心電図などの検査を実施。他の病気が潜んでいる可能性がないかを確認しながら、長引く後遺症の原因を探り最適な治療法を見つけていくそうです。

新型コロナ後遺症に多い症状①「強い倦怠感」

後遺症患者に多く見られる症状の1つが、倦怠感。長い人では1年以上も症状が続く場合があるそうです。

<長引く後遺症の原因は?>
ウイルスに感染すると、身体の中でサイトカインという物質が放出されます。サイトカインは免疫を活性化させ感染した細胞を攻撃してくれますが、ウイルスに感染した細胞が多いとサイトカインが大量に放出されて免疫が暴走。正常な細胞までも攻撃し、破壊してしまいます。これを「サイトカインストーム」といい、細胞が破壊される場所によって、倦怠感などさまざまな後遺症の原因になってしまうそうです。また、正常な細胞が多く傷つけられている場合や神経にまで達している場合は、後遺症が長く続いてしまうそうです。

<ワクチン接種後に後遺症が改善した報告が!?>
新型コロナウイルスのワクチンを摂取する事で、後遺症が改善したケースが報告されているそうです。海外で行ったアンケート調査では、ワクチン摂取後に後遺症が改善した人の割合が約57%だったそう。先生によると、新型コロナウイルスに感染すると免疫機能のバランスが崩れてしまいますが、ワクチンを摂取する事で本来の免疫機能のバランスに戻って炎症などが治まるため、後遺症が改善されるのではないかと考えられているそうです。

新型コロナ後遺症に多い症状②「味覚・嗅覚障害」

発症時に出る症状としてもよく耳にする「味覚・嗅覚障害」。感染時には無症状だった人も、後遺症として味覚・嗅覚障害が出る場合があるそうです。

<長引く味覚・嗅覚障害の原因は「亜鉛不足」!?>
先生によると、後遺症患者に多く見られるのが亜鉛不足で、味覚・嗅覚障害を長引かせる原因の1つといわれているそうです。新型コロナウイルスに感染し、舌で味を感じる部分の「味蕾」や、鼻で匂いを感じる部分の「嗅球」に炎症が起きると、味や匂いが分かりにくくなります。亜鉛は、味蕾や嗅球の細胞を復活させるために重要な成分のため、不足すると細胞が復活できず症状が戻らなくなるそうです。

<今までと違った匂いの感じ方をするケースも>
煙の匂いがガソリン臭く感じるなど、今までと違った匂いの感じ方をする場合に多いのが、鼻の奥にある上咽頭という部分の炎症。上咽頭は、新型コロナウイルス感染の際に特に炎症が起こりやすい部分の1つで、匂いを感じる嗅球に近いため嗅覚障害を引き起こす事があるのだとか。先生によると、上咽頭の炎症の際には、塩化亜鉛を染み込ませた綿棒を上咽頭に塗布して炎症を抑える「Bスポット療法(上咽頭擦過療法)」という治療法もあるそうです。

<亜鉛の摂取が後遺症対策になる!?>
亜鉛不足は、新型コロナウイルスの感染による重症化や、新型コロナウイルスに感染しやすくする要因の1つではないかと言われているそうです。そのため、日頃から亜鉛を摂る事はとても重要なのだとか。亜鉛は全世代の男女で不足しがちな栄養素でもあるので、積極的な摂取を心がけると良いそうです。

ドクターが回答!新型コロナ後遺症の疑問

・後遺症を残さないために注意する事は?
先生によると、身体が弱っている時に無理をすると、後遺症が出る原因につながってしまうのだとか。そのため、感染後に回復して陰性になってもすぐに元の生活に戻るのではなく、体調を見ながら徐々に活動の幅を広げていく事が大切だそうです。

・後遺症が長引いた場合はどう対処すればいい?
地方自治体や病院などに、新型コロナ後遺症の相談窓口というものがあるそうです。新型コロナ後遺症の専門外来も開設されてきているので、気になる方はぜひ相談を。また、現在さまざまな治療薬が承認されはじめており、色々な場所で治験が進められているそうです。後遺症が一定以上重くなると、一生残ってしまう可能性があるので、症状が長引く場合は病院へ行き、適切な治療を受けましょう。

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