CBC web | 中部日本放送株式会社 / CBCテレビ / CBCラジオ

MENU

地方自治体に対して税金を食いものに…「過疎ビジネス」の実態

地方自治体に対して税金を食いものに…「過疎ビジネス」の実態

8月29日放送『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)では、『過疎ビジネス』(集英社新書)の著者で河北新報編集部記者の横山勲(つとむ)さんが登場。横山さんは企業版ふるさと納税を財源に、過疎にあえぐ小さな地方自治体に近づき公金を食いものにする「過疎ビジネス」と、地域の重要施策を企業に丸投げして問題が発生すると責任逃れに終始する「限界役場」の実態を調査報道しています。日本のあちこちの地域で発生している少子化に対して、どのような悪どいビジネスが行なわれているのでしょうか?聞き手は北野誠と加藤由香アナウンサー、公認会計士の山田真哉先生です。

関連リンク

この記事をradiko(ラジコ)で聴く

福島県で立ち上がった謎の事業

著書『過疎ビジネス』でいくつかの事例が明らかにした横山さん。

そのひとつが福島県国見町が地方創生事業として掲げた高規格救急車のリース事業。
町が高規格の救急車を12台購入し、周辺の自治体に貸し出して利益を得る事業ですが、聞いただけでは何のための事業かよくわかりません。

これがどのような点で公金が食いものにされているのでしょうか?複雑な仕組みのため、横山さんが簡単に解説します。。

財源は「企業版ふるさと納税」

人口およそ8千人の国見町。そこにコンサルタント事業者が地方創生事業として「救急車を研究開発して他の自治体にリース」という内容を提案しました。

当時の町長がその話を引き受けたところ、コンサルは財源について「企業版ふるさと納税」(地方創生応援税制)の活用を提案。
これにより4億3千万円程が集まりましたが、事業を遂行する業者を募集したところ、手を挙げたのはそのコンサル業者だけ。
ただしこのコンサル業者は救急車の製造ができないため、コンサル会社は救急車のベンチャー企業に発注しました。

ところが横山さんたちが取材したところ、このベンチャー企業はふるさと納税で寄附をした会社のグループ企業と判明したのです。

税金が自分の所に流れるしくみ

そもそも企業が寄付した自分のお金で救急車を作り、何の得になるのでしょうか?

実は「企業版ふるさと納税」は、寄付した分は最大9割ほどが還元される制度のため、企業は損をせずに仕事が受注できるということになります。
この戻るお金はもちろん税金。つまり税金がコンサルと寄付した会社に還元されてしまうというわけです。

横山さんなどが調査した内容を記事にしたところ、その後他の自治体でも同じような案件があったことが判明しました。

地方創生事業に悩む現場

これは地方を狙い撃ちにした業者が悪いということだけでは片付けられません。
国が推し進めた地方創生事業ではあるものの、自治体からすると何をして良いのかわかりにくい制度。そのため、結局はコンサルに丸投げしているのが実情だそうです。

精査されずに税金が中抜きされるのは、地方に限らず国の事業でもよく見られる光景です。

『過疎ビジネス』を書籍にした目的を語る横山さん。

横山さん「自分たちの地域のことを自分たちで考える。丸投げしちゃダメだよという意識も吹っ飛んでしまっては良くないわけですよね。そこをちょっとどうにかしてほしいっていうか、明日は我が身と思う人はいっぱいいると思うので、そういうところに気づいてほしいという思いでまとめたところはあります」
(岡本)
 

この記事の画像を見る

オススメ関連コンテンツ

PAGE TOP