「高市氏の秘書から頼まれた」総裁選の生成AI動画疑惑で新証言
昨年10月の自民党総裁選挙をめぐり、IT会社の代表が、高市早苗氏を当選させる目的で小泉進次郎氏を批評する動画を生成AIで作成し投稿したと証言しました。高市陣営がほかの候補を批評する動画の配信に関与したとする報道に関しては、国会で野党の追及が続きました。6月8日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、選挙でのSNS活用をめぐる問題点について解説しました。
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この問題をめぐる報道が、最近相次いでいます。総裁選をめぐりこれまで週刊文春などの取材に応じてきたIT会社代表の男性が、今回は共同通信のオンライン取材に応じました。
男性は、高市総理を当選させる目的で、他の陣営を批評する動画を、自分の持つ独自の生成AIで作成し投稿したと明かしたということです。
高市総理は国会で、「週刊誌の報道をどこまで信じているのか」という趣旨の答弁をしていました。しかし今回、その報道はさまざまなメディアに広がっています。
IT会社の代表は、高市総理の当時の秘書から間違いなく頼まれ、オンライン会議でやることを決めたと話しています。
疑問の残る答弁
ずっと国会を見てきた石塚は、高市総理の否定の仕方が非常にあやふやだと話します。最初のうち、文春オンラインは有料のため、お金を払ってまで読む気はないという趣旨の答弁をしていました。
石塚は、自分たちが批判されている以上、月数百円を惜しんで内容を確認しないのはおかしいと指摘します。
石塚「ひょっとしてつっこみどころ満載だったら、聞けばつっこめるわけじゃないですか。あれはおかしいとか、時系列が合わないとか、いくらでも言える」
実際、高市総理側は当初聞きたくないという姿勢を見せ、音声を聞くと今度は秘書の声と違うように思うと反応しました。秘書に確認したかを国会で問われると、有料のものにお金を払うのかと逆に反発された、と答弁したのです。
石塚「すごく冷静に考えると、本当に後ろ暗いところが何もない時の答弁じゃないんじゃないかなと思った方は多いのではないだろうかと」
小泉陣営は謝罪
高市総理サイドの事務所は共同通信の取材に、他の候補に関するネガティブな動画を作成・発信したり第三者に依頼したりしたことは一切ないと回答し、改めて調査するつもりもないと答えました。
一方、総裁選では小泉陣営も他の候補を中傷する投稿を指示したと問題になり、小泉氏本人ではなく担当議員によるものとして、すでに謝罪しています。
石塚は、認めて謝った小泉陣営と、一切認めない高市陣営との違いを指摘します。
石塚「ずっと認めてないのに最後に謝らなきゃいけなくなるとしたら、最初から謝ってなかったよりちょっと罪は重いですよね」
2月の衆議院総選挙のときも、この男性は、総理を含む与野党およそ50人の陣営から、対立候補に関する動画などの作成を依頼され、うち20人に協力したと話しています。
ただし、この証言が事実かどうかは、まだ定かではありません。
偽動画が町にあふれる
新聞やテレビは選挙期間中の表現に厳しい制限がかかる一方、SNSでは事実でない誹謗中傷や生成AIの偽動画でも流せてしまう時代です。
証言した代表は、総裁選の時に「小泉進次郎」で検索して出てくるTikTokなどの動画の半分は自分が作ったものだったと話していました。世論だと思ってみんなが見ているもののうち半分がこの人の作ったものだとすれば…と石塚は危機感を示します。
石塚「一部の力のある人が、あるいは能力のある人が、お金のある人が、嘘でも本当でも流したら、それが町に溢れる。それをみんなが投票の判断材料にしちゃってるかもしれない。今回クローズアップされた中では、それが一番怖いっていう問題ですね」
選挙でのSNS活用は政治参加を促す一方、デマや中傷が投票行動に影響するリスクもあります。この点が、SNSと政治をめぐる課題といえそうです。
(minto)
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