CBC web | 中部日本放送株式会社 / CBCテレビ / CBCラジオ

MENU

妻の浮気相手に慰謝料請求はできない?判決差し戻しで注目の裁判

妻の浮気相手に慰謝料請求はできない?判決差し戻しで注目の裁判

既婚女性から「離婚する」と言われたことを信じて不倫した男性に対し、その女性の元夫が慰謝料を請求できるかどうかが争われた訴訟の上告審判決が、6月5日に行なわれました。最高裁第2小法廷は男性の過失を認め、不倫相手の男性に慰謝料55万円の支払いを命じた二審の高松高裁判決を破棄し、審理を高裁に差し戻しました。一見、よくある不倫の話のように感じられますが、この裁判ではとある"初めての判断"が注目されています。6月6日放送『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)では、不倫相手への訴えが認められるかどうかの線引きについて、角田龍平弁護士が解説しました。聞き手はパーソナリティの北野誠と加藤由香アナウンサーです。

関連リンク

この記事をradiko(ラジコ)で聴く

判決が差し戻された理由

この女性の不倫相手だったのは勤務先のオーナー。
女性が離婚届をチラ見せしたことで、離婚が近々成立すると思ってしまったようです。

ただ、この離婚届に女性側の署名はあったものの夫側の署名はなかったため、離婚が成立するかどうかは不明の状態。

男性は「そもそも当時関係は持っていなかったが、仮に持っていたとしても離婚すると信じていたので過失はない」と主張しました。

この主張に対し、二審の高裁では「嘘をついて不貞行為に及ぶ人が多いのは、世間でよく知られていること。それを鵜呑みにしたのは注意不足のため、離婚をする相当の理由があったとはいえない」として、慰謝料の支払いを命じる判決になりました。

ところが最高裁では「男性に仮に過失があったとしても、夫婦関係が破綻していると信じる相当な理由があれば過失はない。その部分について審理をしていないため、もう一度やり直すべき」と命じ、差し戻しとなったのです。

慰謝料請求が発生するケース

実は浮気相手が既婚者だと知らなかった場合は慰謝料を請求できませんが、それは過失がない場合。
少し考えたり調べたり、人に聞いたりすればわかるような場合は、浮気した側に過失があることになります。

また、夫婦関係が破綻していた後に男女関係があった場合も、浮気相手への請求は認められません。
というのも、慰謝料請求権は円満な夫婦関係を破壊したことに対して発生するからです。

角田「円満な夫婦関係という守るべき利益を侵害したから慰謝料請求が認められるのであって、円満じゃない夫婦は守るべき利益がないと」

また、相手の夫婦関係が破綻していたと信じ込み、それに過失がない場合も慰謝料請求は認められません。

今回の差し戻しのポイントは、離婚したと信じたのは過失があるかもしれませんが、夫婦関係の破綻について信じたことに過失がないかどうかについて、再度調べる必要があるという点です。

夫婦関係はどこからが「破綻」と認定?

今回のケースでは、女性が付き合いたい相手に離婚届を見せる時点で夫婦関係が破綻しているように見えます。

ただ、角田弁護士は「これから不貞をしようとする人が、離婚届を持ち歩いて『僕と関係を持っても慰謝料請求されないよ』みたいなことを言って悪用する人がいるかもしれないので」と、判断の難しさについて述べ、「おそらく慰謝料請求は認められないのではないか」と続けます。

夫婦関係が破綻しているかどうかを判断するのも難しそうです。
別居であれば明確ですが、「会話がないから家庭内離婚の状態だ」と言われても、世の中で会話が少ない夫婦はザラにいます。

北野「こどもが大きくなったら会話がなくなるよね。特に女性からすると夫のことは敵という認識を持っておられる方が多いので」

会話がないだけでは「破綻」とは言えなさそうです。
(岡本)
 

この記事の画像を見る

オススメ関連コンテンツ

PAGE TOP