カローラ還暦。世界一売れた車の歩みとは
1966年(昭和41年)にトヨタ自動車から発売されたカローラが、今年で還暦の60周年を迎えました。6月4日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、ジャーナリストの北辻利寿さんが、その名前の由来や、時代とともに重ねてきた進化の歴史を解説しました。日本の自動車産業を長年支えてきた、大衆車の歩みを深掘りします。
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カローラは、ラテン語で花で編んだ冠を指す言葉です。同じくトヨタ車のクラウンは王冠、コロナは太陽の冠。どれも冠にちなんだ名前です。
世界150以上の国で販売されており、これまでの累計販売数は5700万台にのぼります。
フォルクスワーゲンのビートルを抜いて、世界で最も売れた車としてギネスに認定されました。その後もモデルチェンジを重ね、現在は12代目です。
1億人突破の時代に誕生
カローラが生まれた1966年は、戦後復興が進んで高度成長の時代に入り、日本の総人口が1億人を突破した頃でした。
この年はビートルズの来日やミニスカートの流行など、世界の話題が続々と日本に入ってきました。さらにテレビや冷蔵庫、洗濯機といった3種の神器と呼ばれた家電が各家庭に普及し、一般家庭の生活水準が安定し始めた時代でした。
「トヨタイムズ」によると、初代カローラ開発のきっかけは、トヨタの創業者である豊田喜一郎さんが「大衆車を作ったらどうか」と提言したことなのだそうです。
成長を続ける日本に大衆車が必要だ、という判断でした。
大衆車元年に登場
価格も抑えられていました。それまでトヨペットクラウンが戦後初の本格的乗用車でしたが、当時100万円。一方のカローラは、最初の販売価格がおよそ50万円と半額でした。
それでも、大卒の初任給が2万5000円ほどだった時代です。月給の20か月分にあたるため、決して安い買い物ではありませんでした。
この年はカローラだけでなく、ライバルの自動車メーカーも続々と大衆車を発売しました。
日産はサニー、富士重工業(現スバル)はスバル1000などを出しています。1966年は、まさにマイカー元年、すなわち大衆車元年といわれる年なのだそうです。
2代目に込めたプラスの工夫
大衆車としてのカローラは、当時「良質廉価」「変化」「プラスアルファ」の3つのコンセプトで歩み出しました。
1970年代には、初代から10年を経て2代目カローラが登場します。
エンジンの排気量も少しプラスし、スピードメーターのデザインもスポーティにしました。それでいて値段はこの時も抑えられ、50万円よりさらに手頃になっていきました。
2代目カローラのもうひとつのプラスは、シートベルトです。
それまでシートベルトは腰の周りだけを固定する2点式が一般的でした。しかし2点式では、衝突した際に頭がフロントガラスに当たってしまう危険があります。
そこで2代目は、当時としては画期的な、肩からの3点式シートベルトを導入しました。
時代に合わせた3代目
さらに車社会が進むと、環境面の問題もクローズアップされていきます。
アメリカではすでに、排気ガスによるスモッグが深刻な問題になっていました。日本でも一酸化炭素の濃度規制が始まった時代です。
1974年発売の3代目カローラは、排ガス規制への対応を組み込み、エアコンなどの快適性も取り入れました。
このようにカローラは大衆車として、その時代時代に合った歩みを続けてきたのです。
豊富なバリエーション
カローラのシルエットやカラーはさまざまです。
元々はセダンが中心でしたが、最近ではSUVやスポーティなタイプも登場しました。アウトドアのレジャー用に、2台目として使うカローラもあります。
現在の12代目カローラはフルモデルチェンジされ、車高が低く、タイヤが大きく、洗練された印象になりました。
北辻「昔のイメージからすると、『えっ?これはカローラ?』って思うような車だし。耐久レースにまで出てるぐらいなので。なかなかすごいですよね」
アプリで商談?
60周年記念の年に合わせて、先月にはアクティブスポーツという特別仕様車が発売されました。
つい先日には、2人乗りのカローラ新型スポーツカーの限定販売が発表されました。秋からアプリで商談が始まります。
13代目については、EV、電気自動車ではないかともいわれています。
日本の自動車メーカーのなかでは、トヨタの一人勝ちの様相になってきました。
北辻「日産、ホンダ、マツダ、スバル、三菱。それぞれずっとこの60年、日本の自動車産業を支えてきた他のメーカーもちょっと頑張ってほしいなと思いますよね」
みんなに愛されながら60年、還暦を迎えたカローラは、新たなステージへ進んでいきます。
(minto)
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