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「死球」に「盗塁」…物騒すぎる野球用語は変わるのか?

「死球」に「盗塁」…物騒すぎる野球用語は変わるのか?

デッドボールを「死球」と書き、ランナーをアウトにすることを「刺す」と表現する野球。ほかにも「殺」「盗む」など、日常で聞くとドキッとするような言葉が数多く使われています。3月10日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』では、こうした表現に疑問を持った宮城県名取北高校の高校球児たちの取り組みを紹介した『毎日新聞』の記事をもとに、野球用語のあり方を考えました。

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物騒な野球用語

3月19日に第98回春の選抜高校野球大会を控え、国民的スポーツとして長い歴史を持つ野球。その表現はどのように定着し、これからどのように変化していくのでしょうか?

松原タニシは漫画『かっとばせ!キヨハラくん』(原作:河合じゅんじ)で、「盗塁しろ」と言われた主人公が塁を物理的に盗んで持っていき、監督に怒られるエピソードを紹介します。そもそもなぜ塁を「盗む」という表現になったのか、改めて考えると不思議です。

名取北高校の野球部員たちは夏休み明けから探究活動を始めました。地域の人たちとのワークショップでは、「死ぬ」「刺す」「盗む」「殺す」といった野球用語が洗い出されました。

死球は「当球(とうきゅう)」でいいのではないか、一死ではなく「一消(いっしょう)」でもいいのでは、といった代替案も提案されたといいます。

正岡子規と野球

ベースボールが日本に伝わったのは明治初期の1872年。1894年には「ベースボール」を「野球」と訳しました。

有名な俳人の正岡子規も随筆でデッドボールのことを「死球」と表現しています。子規は自身もキャッチャーをやっていた野球好きで、野球の俳句も数多く詠みました。「野球(のぼーる)」というペンネームを持ち、「打者」などの日本語の野球用語をいくつか考案したことでも知られています。

明治の終わりから昭和の初期にかけて軍国主義が台頭し、第二次世界大戦前には英語が「敵性語」とされた時代がありました。英語を使えない風潮が、漢字の野球用語をさらに定着させる一因になったようです。

YouTubeと言葉の変化

松原によると、YouTubeでは「死」や「殺」という言葉を使うと収益化できないそうです。

松原「野球YouTuber、どうしてんねやろな。死球とか併殺打とか。物騒な漢字いっぱい使ってるな」

記事の中では「下駄箱」の例も紹介されていました。下駄を入れないのに「下駄箱」と呼び続けている状況と同じで、言葉はいつの間にか実態とずれていくものです。

松原は、YouTubeで怪談を収録する際に「死ぬ」と言えず、「お亡くなりになられた」「首をどうにかされました」と回りくどい表現を使わざるを得ない苦労も明かしました。編集するのも手間がかかるため、最初から使わないようにしているといいます。

変化に必要なこと

この記事を掲載した『毎日新聞』は、春の選抜高校野球の主催者でもあります。

まずは実況アナウンサーが「盗塁」を「スチール」と英語で言い換えることが第一歩になるかもしれません。英語でも「スチール」は「盗む」という意味のため完全な解決にはなりませんが、日本語よりはまろやかです。

北野は、大々的に言わないと言葉は変わらないと訴えます。高野連が主導して、新しい言葉を考えて発信していく必要があるという考えです。

北野「こういう方向にしていくと示さないと、ちょっと無理でしょうね」

松原「TwitterもXになってようやく定着した感じがありますもんね」

最初は違和感があっても、新しい表現の方がふさわしいと感じられるようになれば変わっていくもの。100年以上使われてきた野球用語文化に一石を投じた記事でした。
(minto)
 

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