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話題の「OTC類似薬」。どの薬にかかる負担が増えるの?

話題の「OTC類似薬」。どの薬にかかる負担が増えるの?

増え続ける社会保険料と医療費にテコ入れを図るため、新たな動きが見えています。市販薬と成分や効能が似た「OTC類似薬」の患者負担を見直し、特別料金を追加する方向で調整が進んでいるのです。身近な話題なだけに関心度も高いこのニュースに関して、12月24日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、つボイノリオ、小高直子アナウンサー、水分貴雅アナウンサーが取り上げました。

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OTC類似薬って?

患者に追加負担を求める新たな仕組みでは、公的医療保険の適用を維持したまま薬代の25%の料金が上乗せされるようです。これにより約900億円規模の医療費削減が見込めるとのことで、来年度中の実施が検討されている状況です。

そもそも「OTC類似薬」とは、一体何なのでしょうか。

水分「『OTC』とは市販薬のことで、医師の処方なしに薬局で購入できる医薬品のこと。それとほぼ同じ成分、効果が得られる処方薬が『OTC類似薬』です」

処方箋が必要なOTC類似薬は医療用医薬品であるため、病院を受診する必要があります。医療機関でロキソニンやアレグラを処方してもらっているという人もいるのではないでしょうか。それらは薬局で買える市販薬とほぼ同じ成分、効果であるため、OTC類似品に分類されます。

相違点は値段です。市販薬は保険適用外のため全額自己負担ですが、OTC類似薬には保険が適用されるため、ほぼ同じ薬でも医療機関を受診すれば1~3割の自己負担で購入することができていたのです。

同じなのに…

厚生労働省は保険料や医療費の高騰を見直すにあたって、薬局で購入することができるものを保険で安く提供している現状に注目したようです。

水分「ほとんど同じなのに、医師の処方を通して買うと保険が適用されるため安く購入することができる。成分も効能も同じなのになぜ金額に差があるんだということで、OTC類似薬の負担額を上げるという方向になったんですね」

つボイ「湿布薬なんか本当にそうで、病院でもらったやつと薬局で売ってるやつ、まんま一緒なんですよ。でも病院でもらうと安い」

OTC類似薬の対象となりそうなものは、抗アレルギー薬の「アレグラ」の他に鎮痛剤の「ロキソニン」や「カロナール」、つボイの挙げた湿布や風邪薬なども考えられます。どれも日常的に使用されるものばかりです。

水分「慢性疾患の人は薬を買わざるを得ないので、家計の負担が増大してしまう恐れがありますよね」

慢性疾患の患者や低所得者などには負担を抑える配慮策を講じる上に、こどもやがん患者、難病患者らは追加負担の対象に含めないとのことですが、負担が増える患者からは反発が上がる可能性があります。

自己判断が増える?

保険が適用されなくなるわけではなく、あくまでも保険適用した上で対象医薬品には特別料金を追加するという形のようですが、市販薬と同等かもしくはそれ以上の金額になることも考えられます。

診断も確実で薬も安く買えるからという理由で医療機関で処方箋を貰っていた人たちにとっては、あまりメリットがなくなってしまう可能性もあります。
病院を予約し時間を作って受診、待ち時間をかけて診察して処方してもらった薬が薬局で購入できるものと同じ値段となると、市販薬で済ませたくなるのが人情というもの。

そうなると自己判断で薬を使い続ける人や、そもそも薬を服用し続けられないという状況になる人も出てくる可能性があります。
症状の重症化などかえって医療費がかさむ結果になり、あるいは「保険料を払っているのになぜ安く買えないのか」という不満・不信感につながる恐れもあります。

そのあたりの弊害をどう考慮していくのか、今後検討されていくであろう制度の詳細に注目が集まりそうです。
(吉村)
 

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