中日OB・川上憲伸が解説。DHの厳しさは「一種類しか食べられない焼肉会」
元中日ドラゴンズ投手で野球解説者の川上憲伸さんが、12月20日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』に出演しました。今回若狭敬一アナウンサーが川上さんに尋ねたのは、DH(指名打者)の難しさ。DHの立ち位置を絶妙に例える川上さんです。
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川上「DH専用の練習メニューが必要。1回ベンチの裏かどこかに下がってて、急にバッティングゲージに行くとか」
川上さん曰く、DH以外でスタメンを想定しての守備練習は不必要。守備の練習をするのは体をほぐす程度。
キャンプ、オープン戦から徹底して守るなぐらいにDHに特化した練習が必要だと持論を展開しました。
若狭「グラウンドから打席という流れじゃなくて、ベンチから打席を1試合4回繰り返すって、よく考えると相当難しいですよね」
DHの難しさを改めて認識する若狭。
タン塩だけ食べていい
川上「焼肉屋さんに行くとするじゃないですか。好物のタン塩の時がありました。普通タン塩って最初に焼くことが多いじゃないですか。でも今日の焼肉はタン塩が3回まわってきます」
最初、ロースを焼いてタン塩。鶏肉、ハラミ。そしてタン塩。ミノ、カルビ、ホルモン。そしてタン塩。
川上「タン塩の時だけ食べに来てください。他は後ろ向いといてください。みんながタン塩食べる瞬間のちょっと前ぐらいに来てくださいっていう。それと一緒じゃないですか」
若狭も笑ってしまう川上さんの比喩。
川上「その焼肉パーティーに気持ちが入っていかないでしょ? でもタン塩好きなだけ食べてくださいよ、みたいな感じ。しかも自分が焼いちゃダメ。皿に置かれたやつを食べるだけ」
焼肉会に入っている意識
川上「大谷(翔平)選手ってDHの時、常に座ってないじゃないですか。エンゼルス時代は間違いなく立ってたことが多いと思います」
大谷選手は通訳の人と野球を見ながら、常にゲームに入っているイメージだったと言います。
若狭「ミノとかハラミが焼かれてるのをじっと見てた」
川上「それはひっくり返すの早いぞ。俺だったらこうしてるぞとか」
若狭「大谷さん、タン塩焼けました」
川上「ありがとう。でも、僕はほっといても食べるからね、みたいな感じですよ」
若狭「わかりにくいかなと思った例えだったんですけど、めちゃくちゃわかりやすいですね(笑)」
川上さんの話術に感心する若狭。
打順は関係ない?
DHのありなしで打順の役割が変わることを説明する川上さん。
セ・リーグのDHがない野球。例えば8番がヒットで出た場合、9番ピッチャーは送りバント。対戦するピッチャーが警戒するのは、基本的に送りバントです。
しかしDH制だと投げる方は違う心理になるそうです。自分の中の献立に沿って投げることが重要なんだとか。
8番バッターがDHだった場合。ヒットで出塁。9番は送りバントとは限らず、ヒットエンドランもあり得ます。
川上「セ・リーグの8番9番という野球をしなくても、打順で言ったら1番2番という野球ができるわけよ」
交流戦でびっくり
川上「DHだと、意外と8番9番に代打が出ない」
埼玉西武ライオンズとの交流戦。例えば6番におかわり君こと中村剛也選手。一発のあるバッターで、川上さんの現役時代にはホームランバッターとして売り出し中でした。ランナー一塁の場面では…
「低めのインコースでダブルプレーを取りたい。おかわり君当たってるし。昨日もホームラン打ってるしな。うーん」とマウンドでいろいろと考えるそうです。
川上「代打、小関(竜也)とか代打栗山(巧)とか。あれ?おかわり君に代打?そんなん習ってませんけど」
セ・リーグでは絶対こういうことは起きないという場面に出くわして、戸惑ったこともあったとか。
交流戦では、5、6、7番バッターに、対戦するピッチャーに対して何か弱点があり、急に代打が出てきたりすることがあったそうです。
バッターとピッチャーの両方からDHについて語った川上憲伸さんでした。
(尾関)
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