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G20での日中両首脳、会話がなくて正解?台湾有事問題の波紋

G20での日中両首脳、会話がなくて正解?台湾有事問題の波紋

台湾有事を巡り、悪化している日中関係。中国では日本への渡航を控えたり、日本映画の上映やアーティストの公演が延期・中止になるなどの影響も見られます。また11月23日に終了したG20(主要20カ国・地域首脳会議)において、日中の両首相に会話がなかったことが話題となっています。25日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、この話題について、リスナーの投稿を交えてつボイノリオと小高直子アナウンサーが紹介します。

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「存立危機事態」とは

11月上旬の国会答弁で、高市早苗首相は台湾有事が日本の「存立危機事態になりうる」と発言しました。

「存立危機事態」とは安全保障関連法に出てくることばで、同盟国に対する武力攻撃が日本の存立を脅かす事態を差します。そうした状況では、脅威に対応するために自衛隊が出動できることになっています。

中国が武力によって台湾を支配しようとした場合、日本の平和と安全に影響を及ぼす可能性がある(=自衛隊を派遣することができる)という認識を示したことになります。

高市総理は「この見解は従来の日本政府の立場と変わらない」と判断しており、発言の撤回はしない意向のようです。

争いは損しか生まない

この発言に対し、中国側は日本への渡航自粛や日本への留学の慎重な検討を呼び掛け、さらに日本の海産物の輸入を事実上停止することを発表。リスナーからはこのような意見も。

「台湾と仲良しでよかった。台湾は以前から災害の時などいち早く援助してくれたりと、仲良く交流してきました。今回このタイミングで輸入規制の撤廃を発表。中国もこれには苦虫を噛み潰したような気分ではないでしょうか」(Aさん)

小高「中国が規制を強化したので、『じゃあうちが』みたいな感じでしょうね」

「中国は日本に様々な嫌がらせをしていますが、それで中国は何の得になるのでしょうか?日本のアニメが見られなくなったり日本食が食べられなくなったりと、いいことはひとつもないように思います。政治のことは政治家同士の話し合いで解決するべきではないでしょうか?」(Bさん)

つボイ「戦争になったら損するのは国民。仲良くしておいた方が儲かるのに」

沈黙は金?

一方で高市総理の発言に対しては、賛否両論あるようです。

つボイ「日本人としてのプライドもあるだろうけど、どう折り合いをつけるのかですよね」

「どちらもなかなか引けない状況になっている」と小高。

小高「一度言ってしまったことを撤回するのはやはり難しい」

つボイ「ここはトランプさんを見習ってほしいですね。すぐ撤回するから」

小高「コロコロ変えること自体がまた燃料投下になる可能性もあるので、時間が過ぎて鎮静化を待つのが一番いいという意見が多いですね。ただ、それには時間がかかる」

下手に発言して事態を悪化させることだけは避けたいところ。「沈黙は金」が日本の現状なのかもしれません。

G20での日本と中国

G20での様子は、そんな「下手に発言をしない方がいい」という中国への姿勢が表れていたとも読み取れます。

つボイ「政治には対話が必要だとは常々言っていますが、国の代表者がずらっと並んでいる中で数メートル先にいても両者が言葉を交わさない。でも下手なことを言ってもいけないし、どんな言葉をかけると良かったんだろう」

小高「そういう空気が、お互いひと言も言葉を交わさなかった理由なんじゃないでしょうか。例えば高市さんが話しかけた時に向こうもちゃんと答えてくれればいいですけど、無視されちゃったりしたら、それはそれで大問題になりますからね」

つい先日までは中国と上手に渡り合って和やかに話していたはずの日本。

小高「本来だったらこのG20もそういう機会になったんでしょうけど、短期間でものすごく冷え込んでしまいましたね」

日中関係が今後どうなっていくのか、まだまだ注目が必要です。
(吉村)
 

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