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猛暑の中、新米の収穫始まる。その出来はいかに?

猛暑の中、新米の収穫始まる。その出来はいかに?

猛暑の中、早場米の収穫が始まっています。価格高騰やアメリカとの関税交渉で、お米にいつになく注目が集まっていますが、今年の出来はどうなのでしょうか?8月9日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが今年の米の出来について解説します。

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早場米はすでに狩り入れ時

猛暑の中、早場米の収穫が始まっています。
米騒動以来、注目が集まっているお米ですが、2025年度産の出来具合はどうなのでしょうか?

大石「早く植えた早場米は早速、狩り入れの時を迎えている」

田植えの時期はだいたい春から6月中旬。
三重県南部や愛知県弥富市では、10日くらいから早場米の収穫がもう始まるそうです。

大石「ちゃんと穂も垂れて。お米してますよ!」

たった3、4ヶ月前に田植えしたものがすでに実っていることに感動したという大石。

そもそも昨年の米不足の原因は何だったのでしょうか?
原因は猛暑やカメムシの影響で、思った以上に米が取れなかったことでした。
「どこかの業者がコメを隠している」「出し渋っている」という噂も飛び交いましたが、結局、原因は「米の出来が悪かった」ことが明らかになってきています。

米作りでは、どんなことが障害になるのでしょうか?それは「高温障害」。

大石「やはりね、お米も暑すぎると夏バテを起こしてしまう」

通常は半透明の米粒。「高温障害」になると真っ白になってしまうそうです。

大石「そうならないといいですけどね」

猛暑やカメムシの発生が大敵

「高温障害」の対策は、田んぼの水の入れ替え。
新しい水をどんどん入れてあげれば良いのです。

大石「冷たくしてあげる。プールに入れてあげるようなものですよ」

ただし、1時間もするとぬるま湯、数時間でお湯になってしまうため、定期的に水を入れ替える必要があります。
したがって、適度に雨が降ってくれないと困る、と大石。
ところが、一部地域では雨がなかなか降らず、水不足に陥っています。

また、カメムシのような害虫の存在も厄介です。

大石「チューチュー吸われるらしいです。それで米がダメになっちゃう」

近年の温暖化によって、冬に死んでしまうカメムシが越冬し、生き残ってしまうそうです。
防虫剤や農薬が未だに使用される理由のひとつは、カメムシ対策。

もっとも、現時点では「高温障害」の影響は限定的だそう。今年はカメムシも少なく、水不足はまだ深刻ではないようです。
「なんとかいい米が出来て欲しい」と大石。

お米が余って価格が下がる可能性も

大石「ただ、ちょっと心配なのは、最近、暑すぎません?」

先月の兵庫県柏原(かいばら)の気温は観測史上最高記録の41.2℃だった、と大石。
それまでの最高記録は2018年の41.1℃(埼玉県熊谷市)と、2020年の41.1℃(静岡県浜松市)でしたが、0.1℃上回りました。
(※ただし、今月5日には群馬県伊勢崎市で41.8℃を観測し、最高記録をさらに更新)

大石「なんとかここを乗り切ってほしい。今年は増産するそうです。去年より56万トン増やして、735万トン」

米不足の反省から、昨年より8%増やすことに。
ところが、ひょっとするとこの秋は米が出来すぎて、逆に「お米が余る」懸念も。
昨年の新米に加え、競争入札米や随意契約した安い備蓄米、輸入米が入ってきたことが背景にあります。
それらによって、3000円半ばの米が残る可能性や、備蓄米が売れ残るという予測もあります。

大石「市場がジャブジャブになる。お米の価格が下がる」

今度はむしろ価格が下がりすぎることを心配する大石。
消費者と生産者の価格の落としどころが現在の農業にとって最大のテーマだと締めくくりました。
(nachtm)
 

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