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運営にさまざまな課題も…日本に近代的な図書館ができて150年。

運営にさまざまな課題も…日本に近代的な図書館ができて150年。

今から150年ほど前の1872年(明治5年)の4月2日、日本で初めての近代的な国立図書館が東京の湯島に誕生しました。そこで4月2日放送『CBCラジオ #プラス!』ではCBC論説室の石塚元章特別解説委員が、日本の図書館の歴史と今直面している課題について解説しました。聞き手は永岡歩アナウンサーと三浦優奈です。

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日本の図書館の歴史

日本初の図書館は芸亭(うんてい)と呼ばれるもので、奈良時代に石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)という文人が自分の家にさまざまな文書を取っておき、限定的ではあるものの他の人に公開していました。

似たようなものですと横浜にある金沢文庫で、北条実時が集めた文書を公開していました。

江戸時代には紅葉山文庫というものがあり、こちらは江戸城の敷地内に設けていました。

ただし、これらは誰でも読めるという今のような形の近代的な図書館よりは前のものと位置づけられています。

アメリカでは1700年代にベンジャミン・フランクリンが提唱し、何人もの人が出資してできあがった図書館がすでにできていましたが、明治時代に入り海外の図書館の状況を知った福沢諭吉らは、公共的な図書館の必要性を強く感じました。

そしてできたのが冒頭に湯島で誕生したと説明した書籍館(しょじゃくかん)であり、後に国立国会図書館へと引き継がれています。

返さない者勝ちという問題点

今や各市町村で設立されている日本の図書館ですが、さまざまな課題に直面しています。

石塚がまず挙げたのが、「借りた本を返さない」という問題。
実は図書館法の17条には「公共図書館はいかなる対価も取ってはならない」と規定されているため、借りる側が悪くてもお金は取れないのです。

外国の公共図書館では延滞料を取るところもありますが、世界の図書館で返されない本が最も多い国は日本だそうです。

また、督促するのに送るハガキにも問題が。何度も送ると郵送料が高くつくためか、東京のある区立図書館では10年経ったらあきらめるのだそうです。

今や1通85円となっていますので、単純計算で1年に1通送っていると850円もかかり、書籍の代金を超えてしまうことがあるかもしれません。

だからといって、決して返さないほうが得だとは思わないでいただきたいですね。

本が売れなくなる原因にも?

また、図書館の予算や働く人が足りなくなっているという問題にも直面しています。

全国の図書館の数は戦後まもなく700~800館程度だったものが、現在は3,000館ほどとかなり増えています。
しかし1館あたりの予算は減っており、図書館司書は非常勤契約が7割程度と多く、雇用が不安定で働きづらいといわれています。

そして複本問題、住民からリクエストの多い本を複数冊多く図書館が購入していることで、出版社からは「人気のある本でも売れなくなる、出版不況の一因ともいえる」と指摘する声もあります。

ただ、永岡は「テレビで映画を放送すると、意外とDVDの売り上げが上がるケースもある、ファーストタッチが多くて読んでみると買いたいっていう人もあるし、難しいところはある」と語りました。

本を身近にする目的で建てられている図書館ですが、運営は難しい局面に立たされているようです。
(岡本)
 

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