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違法の認識なし?若者に広がるオンラインカジノ。

違法の認識なし?若者に広がるオンラインカジノ。

複数のお笑い芸人たちがオンラインカジノで賭博をした疑いで警視庁から事情聴取を受けていたことがわかり、波紋が広がっています。利用者が増えているといわれるオンラインカジノとは、どんなものなのでしょうか?2月25日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、オンラインカジノについて、アディーレ法律事務所弁護士の正木裕美先生が解説しました。聞き手は光山雄一朗アナウンサーです。

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利用の認識が薄い面も

オンラインカジノについて解説する先生。

正木「スマートフォンとかパソコンなどを使ってオンライン上で現金、暗号資産、電子マネーといったリアルマネーをかけるギャンブルになります。
内容はいろいろあって、本当のカジノにあるようなスロットとかカードゲームもありますし、パズルゲームとかスポーツの勝敗をかけるものなど多岐にわたっています」

学生がいつの間にか入っているということもあるそうです。

正木「カジノとうたってないものもあるし、ゲームに課金する感覚で若者がやってしまっていることもあって、いま国内利用者が300万人を超えているという推計もあります。比較的若い世代に利用者が多いです」

客は賭博罪

オンラインカジノは利用しただけで罪に問われるとのことですが、どんな罪になるのでしょう?

正木「お客さんの方は賭博罪、もしくは常習賭博罪、金額や期間、前科があるかによって常習化かどうか変わります、賭博罪関連の犯罪になって前科前歴がつく可能性があります」

一方、運営側の罪は何でしょうか?

正木「賭博場の開場の図利罪になります。オンラインカジノの場合は、お金をオンラインカジノに送る決済を担うような業者が間にはさまっていたりします。それに関しては賭博幇助罪になります。
それを違法だとわかっていながら、やってくださいという形で広告に関与するようなものも賭博幇助罪という形で犯罪になります」

グレーどころではない

利用者からは「海外のサイトなら合法だと聞いた」というような声もありますが、こういう情報が横行しているのはなぜでしょう?

正木先生「もともとオンラインカジノがグレーと勘違いした人がいるのは、賭博罪というのは法律上、賭ける方も運営する方も一部でも国内でやられていなければならないです。

完全に海外で運営しているという場合、国内で何もしていない場合、そもそも国内で処罰をすることができないです。なので、海外の賭博の運営に関しては処罰ができない。

特にその国でライセンスを持っていて、適法にやっているところも多いので、そこに手を伸ばせないので、『海外のオンラインカジノは安全だよね』『賭博法上グレーだね』という認識が広まったのがひとつです。

さらに、コロナ禍以降、オンラインカジノはすごく広がったのですが、広告の仕方にも問題がありました。
例えば有名人を広告に使って『あの人が広告しているから安心だよね』ということがひとつありました。

サイトでも『合法だから安心』とうたっているところもあれば、違法なことがわかっているので、ハッキリクロとわからないような書き方をして、遊んでも大丈夫だろう、と誤解をさせるようにしています」

摘発急増の背景は?

日本ではどれくらいの摘発数ですか?

正木「お客さんの摘発は2023年までは例年50人程度で推移してきました。運営も例年はトータル100人くらいの摘発でした。しかし昨年急増し、全体で279。お客さんも162人と急増しました。

背景はコロナ禍によって若者含めて利用者がかなり増えた、金額もかなり大きいという状況で、運営元自体は海外で、国内は何もしていないところが多いのでなかなか摘発ができないのです。

じゃあどこで摘発すればいいか?パイプ役です。
お金を送金するパイプ役を摘発していこうと今、日本の警察は動いています。決済関連業者の口座を解析した結果、お客さんの解析が進みました。それによって業者だけでなく、お客さんが特定されて、そこも摘発をするという流れになった。

実際、5か月くらいで延べ42,000人くらいのお客さんから約200億円が振り込まれていたと確認されています。

結局、利用者が130人くらい特定されて大規模な摘発が行なわれたために、昨年摘発者数がかなり急増したわけです。

こどもがゲームに課金するのは昔からありましたが、その感覚でカジノに手を出す。金額もかなり大きくなるという状況があります」

スポーツベッティングもダメ

最近「スポーツベッティング」という言葉もよく聞きます。

正木「これはスポーツの勝敗に関して賭けるものです。いろいろなスポーツが対象になります。野球、格闘技、いろいろありますが、国内ではオンラインカジノと同様に基本的に違法です。

日本で認められているのは公営ギャンブルだけになります。競馬、競輪、競艇、オートレース、あるいはtotoのようなものと違って、スポーツベッティングは法律で定められていません。だから当然賭博罪に該当しますし、この書類送検の事例もあります」

もし、まわりの人がこれらに触れてしまっていたらどう対処すればいいですか?

正木「少なくともすぐやめて、二度と手を出さないことです。摘発される可能性があるケースでは、場合によっては自首によって軽い刑を求めていくという可能性もあります。

いま日本は世界中から狙われています。海外では、オンラインカジノは問題になるので、そもそもネットでアクセスできないように、強制的にネットを遮断するような国もあります。
ただ、日本は通信関係の憲法上の規定があるために、そこに国は消極的なのでアクセスできてしまいます。日本は世界的には規制がゆるいので、参入しやすいということで狙われています。

自分たちでやめる、もしはまってしまって依存症であれば、早期の治療や支援に結びつけることが大切です」

手を出さないというのは当然ですが、速やかな法整備も求められています。
(みず)
 

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