CBC web | 中部日本放送株式会社 / CBCテレビ / CBCラジオ

MENU

取材はハトで!?新聞社と伝書鳩との意外な関係

取材はハトで!?新聞社と伝書鳩との意外な関係

手紙やメッセージを運ぶよう訓練された「伝書鳩」。超IT社会となった現代ではほとんど使用されることはありませんが、昔は貴重な通信手段でした。その伝書鳩、新聞社で取材をする際にも使用されていたことをご存じですか?7月16日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、つボイノリオが新聞社へ社会見学へ行った時の話を、小高直子アナウンサーに語ります。

関連リンク

この記事をradiko(ラジコ)で聴く

いろいろな通信手段

きっかけはリスナーからの投稿でした。
前日、CBCラジオのメール受信機能に不具合が発生したことに対してのご意見です。

「昔ははがきや電話リクエストだったので、メールの便利さがよくわかりました。この際メールやFAXだけでなく、伝書鳩や紙飛行機、のろしなどの通信手段を見直しませんか?」(Aさん)

つボイ「のろしを上げる場合は、CBC放送局の北側の人のみにしてください。南の方で上げられても窓がなく見れないので」

実際にのろしを上げるには、火事や事故などと誤認して混乱が起こるのを防ぐため、警察や消防署などにさまざまな申請を行なう必要があります。ラジオのおたよりを送る手段としてはいささかハードルが高いかもしれません。

小高「伝書鳩はどうしましょうか?」

つボイ「伝書鳩も入って来ようがないなぁ」

小高「正面のドアを入ったら警備員さんに入館証をもらって、それを首から下げて入ってきてもらいましょうか」

のろしや紙飛行機に比べたら、まだ届く可能性がありそうです。

重宝された伝書鳩

この話を受けて、つボイは自身の経験を思い返します。

つボイ「私が子どもの頃、社会見学でCBCや中日新聞などの新聞社に行った時、屋上には鳩が飼われていました」

伝書鳩は日本では明治から昭和初期頃まで、おもに軍事、警察、新聞社などで利用されていたようです。鳩は帰巣本能が非常に強い生き物です。その習性を利用して、「遠く離れた場所からでも特定の場所へ情報を届ける」ということができたのです。

つボイ「今のように通信機能が発達していない時は、記者の人が鳩を連れて取材に行くんです。そして書いた原稿を鳩の足に結んで離すと、鳩が本社に帰っていって記事を届けてくれる」

特に事件や災害などの現場取材、地方の重要な会見や選挙報道など、速報性の高いスクープを他社よりも早く報道するために、伝書鳩は非常に有効だったようです。

現在では愛好家が趣味で飼育していたりレースで使われたりするにとどまっていますが、60年ほど前の新聞社は鳩の力を使って報道していたと考えると、技術の急速な進歩に改めて驚かされます。

新聞社と鳩

つボイの体験談はさらに続きます。

つボイ「見学に行った時、生徒会長さんが鳩を1羽借りてくるんです。そして学校へ帰ってきたら『社会見学ではお世話になりました。新聞社の様子がとてもよくわかりました』と感謝の手紙を書いて鳩の足に結んで離すんです。すると鳩が新聞社に帰っていって、お礼の手紙を届けてくれました」

社会見学でのそういったやり取りを介して、実際に伝書鳩を使う経験もしたというつボイ。鮮明に記憶に残っているということは、それだけ印象的だったのでしょう。

実際に大手新聞社には「鳩舎」という鳩専用の飼育施設や、「鳩使い」「伝書鳩係」までいたというから驚きです。大切な通信手段として、重要な役割を担っていたことがうかがえます。
しかし1950年頃からは電話やFAX、電報、無線などが普及し、訓練や健康管理が必要で天候にも左右されやすく、かつコストの高い伝書鳩はしだいに使われなくなっていきました。

今やもうメールやSNSでどこにいても誰とでも確実に即通信しあえる時代となり、鳩でやり取りをしていたころと比べるとはるかに便利になりました。しかしそんな今だからこそ、伝書鳩を使ったちょっともどかしいやり取りも経験してみたいものです。
(吉村)
 

この記事の画像を見る

オススメ関連コンテンツ

PAGE TOP