やましい事はもうできない?GPS衛星「みちびき」打ち上げ成功で精度向上
2月2日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と三菱重工業は、国産基幹ロケット「H3」5号機を種子島宇宙センターから打ち上げ、無事に成功しました。JAXAによると、打ち上げ後に日本版GPSとも呼ばれる準天頂衛星「みちびき6号機」を予定通り分離したとのこと。さらに高精度な位置情報の取得に向け一歩前進したようです。3日のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』ではこのニュースについて、つボイノリオと小高直子アナウンサー、宮部和裕アナウンサーがコメントしています。
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準天頂衛星システム「みちびき」は高精度な位置測定が可能で、災害対策や生活を支えるインフラとしての活用が期待されています。というのもGPSは現在位置を把握するだけでなく、電波が通じない場所での緊急地震速報の配信にも役立てられているからです。
現在の日本独自のGPS衛星は4基のみで、位置情報の測定にはアメリカのGPSなどの信号も併用しているようですが、2025年度中には7基体制にする計画です。7基体制になれば、他国のシステムに頼らず「みちびき」単独での測定が可能になるとのこと。
将来的には11基体制を目指していて、スマートフォンやカーナビなどで位置を把握する際の精度は現状の誤差5mほどから1mにまで大きく向上するようです。
人々の生活がより便利に、安全になっていくことが期待される出来事です。
宇宙でも権利争い
とは言え、GPS衛星がその周回軌道に乗るのは簡単なことではありません。
宮部「軌道に乗っても、軌道を確保するのも国同士で競争なんですってね」
宇宙産業は今後さらに各国で加速していくと見られています。衛星打ち上げビジネスの分野でいち早く市場に食い込んでいかなければ、軌道の確保に出遅れてしまうようです。
つボイ「宇宙なんて広いからどこでも飛んでったらええのにって思うけど、やっぱりいい軌道ってのがあるんやね」
軌道が重なれば当然、衛星同士での衝突の危険性が出てきます。
つボイ「これは早い者勝ちっていうルールなの?お金払うわけじゃないよね、誰に払うんや(笑)」
宮部「どうでしょう、国同士の協力もあるでしょうが」
宇宙産業で文字通り軌道に乗ることができれば、日本の経済にも影響をもたらすのではないでしょうか。
目的地まで連れてって
今回の打ち上げ成功をきっかけにさらに衛星を拡充することができれば、その精度は今とは比べものにならないほどに向上するとのこと。
つボイは現状のGPSにツッコミを入れたくなることが多々あるといいます。
つボイ「カーナビでもそうや。そろそろ近くかなと思ったら『目的地付近に到達しました』って。終わりかい(笑)」
指定した場所まで連れて行ってくれず、「付近」で終了してしまうので困るとのこと。
衛星が少ないために生じる誤差が原因です。しかし今後はこういった困り事も少なくなっていくのではないでしょうか。
紛失物発見にも一役
つボイ「あと私はAirTagをいろんなものに付けててね。財布の中にも入ってるんですが、あれも曖昧やったんです」
「AirTag」とは、Appleが開発した紛失防止タグです。鞄や鍵などに付けておくと、スマートフォンから位置情報を検索して場所を教えてくれるというもの。
つボイ「『この辺りをよく探してください』って出るけど、その先が知りたいのよ(笑)」
宮部「家にあるってことはわかるけど、みたいな(笑)」
財布など小さいものであればある程、位置情報に5mも誤差があると見つけ出すのが困難です。
つボイ「でもこれが誤差1mやったら、かなり探すのが楽になる」
小高「どんどん便利になるといいですね」
ごまかしが効かない
ここまでうんうんと聞いてきた小高から、最後に不穏なひと言が。
小高「旦那さんのスマートフォンのGPS…。奥さんが『今どこにいるのかしら?』って誤差1mの精度で探したら…」
「あら?何でこんな場所に?」という非常事態を想像したようです。
誤差が大きければ付近の建物で言い訳をしてごまかせるかもしれませんが、GPSの精度が上がればそうもいきません。
つボイ「カーナビも帰ってきたらルートがきちっと出てるからね。『アンタどこ走ってきたの?』って」
今まで曖昧だったからこそよかったことも、もしかしたらあるのかもしれません。5基ものGPSに見張られているので、もうやましいことは出来ないでしょう。
つボイ「この精度いらんな!」
宮部「もう打ち上げ成功しました。軌道に乗ってますから(笑)」
GPSの精度が上がって困ることのないようにしておきたいですね。
(吉村)