年齢関係なく起こる尿漏れ!防止対策を医師が解説
男性より女性の方が多いと言われている「尿漏れ」。1月26日放送のCBCラジオ『八木志芳の私たちは求めてる』には、40代の女性から「尿漏れが不安、ケアする方法はあるのか?」との相談が寄せられました。この質問に、婦人科の相談も行っているスマルナ医科歯科クリニック窪田真知医師が答えました。
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「これから不安だなと思うことは、尿漏れするようになるのかなということです。これもフェムケアですか?難しいことはできないから、簡単に続けられることやフェムケアグッズなどあればいいなと思っています」(Aさん)
八木は以前から、「尿漏れは女性で悩んでいる人が多いのでは?」と感じていたようで、今回Aさんのメッセージを取り上げたのだそう。
窪田医師に「なぜ尿漏れをするか」について伺いました。
窪田「女性の方が圧倒的に尿漏れを言ってらっしゃる方が多い。年齢に関わらず約半数の方が尿漏れを1回は経験したことがあるんです」
八木「たぶん自己申告だから。実はもっといる気がするのは私だけですか?」
窪田「女性のおしっこを出す管って男性よりも短い。医学的にも男性が平均18~20cm、女性は3~4cmなんですね。だから、そもそもおしっこを我慢するのが苦手」
Aさんは尿漏れが頻繁にあるというわけではありませんが、出産によって骨盤の臓器を支えてる筋肉が変化したり、分娩で大きくなった子宮で尿道が圧迫されてダメージを受けるそう。
そのような影響から、出産を経験した方はもっと多く尿漏れを経験していると窪田医師は言います。
八木「骨盤底筋の衰えとかも関係してくるのかなと思ったんですが、年齢に関係ない部分もあるんですね」
窪田「妊娠、出産の影響っていうのはあると思います」
尿漏れから考えられる病気
八木「病気で尿漏れするっていう可能性はあるんですか?」
窪田「あります」
膀胱にある程度の量が溜まると尿意を感じて排尿します。尿に匂いを感じたり、排尿時に痛みを感じたり、やけに「漏れるそう」となる時は、膀胱炎や結石の可能性が考えられると続けます。
八木「他に我慢できにくくなる病気は?」
窪田「膀胱が圧迫されていたり尿をためる力が弱くなったり、全部出せてないっていうような場合もあり得る。そんな病気の中で怖いのは膀胱がん」
八木は、膀胱に尿を溜める力が弱くなるというのは、「老化のサインでもあるのでは?」と質問します。
窪田「女性の場合は50歳を超えてくるとエストロゲン(女性ホルモン)が減ってくる。 そうすると骨盤を支えていた骨盤底筋が弱まることもあるし、膀胱もエストロゲンが減ると固くなる」
そうなると、尿を溜めたり出す力も弱くなるので、ちょろちょろちょろっと排尿する時間がかかったりするので、尿漏れの原因に繋がることもあるそうです。
何歳でも始められるトレーニング
尿漏れを防いだり、尿漏れになってしまった人が改善できたりするケアはあるのでしょうか?
窪田「まず、トレーニングをしていただきたいと思ってます」
骨盤定勤務を鍛える体操があるとのこと。
窪田「お尻をきゅっと締める運動。仰向けに寝てもらって軽く膝を曲げて腰を痛めない程度にお尻を上げて、腹筋とお尻の筋肉をぎゅっと締める」
イメージとしてはお腹の中の臓器を上に引き上げるような感じだそう。
他にも通勤中の電車で立った姿勢で、かかとを上げてキュッとお尻を締める運動もいいと薦める窪田医師。
窪田「この運動って何歳からでもできます。検索してもらうとしたら『骨盤底筋体操』とか『ケーゲル体操』っていうキーワードで調べてみてください」
八木「これは膣のケアにもつながりますか?」
窪田「そうそう。(他にも)フェムテック製品として膣の中に入れる卵みたいなのも。少し高価ですけど卵にセンサーを入れてスマホと連動して締め具合を観察できる製品も」
八木「インナーボールと言われていますよね」
他にも「薬で尿漏れを治療する」というCMを最近見たという八木は、薬での治療が可能かも伺います。
窪田「もちろんです。ただ安易に薬局で購入するのはやめてもらいたいかな」
薬を飲用する場合、泌尿器科できちんと相談して薬を選んでもらった方がいいと促す窪田医師でした。
(野村)