大阪・関西万博まで2ヶ月半。まだ残る課題は?
開幕まで2ヶ月半となった大阪・関西万博。チケットの売れ行きが芳しくないと話題になっていますが、現在どのような状況なのでしょうか?1月25日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが大阪・関西万博の見どころや課題について解説します。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く会場の広さはUSJの3倍
「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げ、4月13日から10月13日まで184日間にわたり開催される大阪・関西万博。
整備が佳境に入りましたが、世間の関心も低いなど課題も多いようです。
会場は大阪市の人口島・夢洲(ゆめしま)。155ヘクタール(USJの3倍)の広大な敷地面積を誇ります。
昨年末に夢洲を訪れたという大石。
大石「私も現場行きましたけど、広いです。外観はほぼできており、あとは内装」
唯一の鉄道駅「夢洲駅」には1日13万人の利用が見込まれ、何基もの自動改札が並んでいます。
入場ゲートを見て「愛・地球博」(2005年日本国際博覧会)を思い出した大石。
大石「シンプルな作りの入場ゲート。愛・地球博と同じ作りをしていましたね」
伝統工法で作られた大屋根リング
そして物議を醸した木造の大屋根リング。
高さ12メートル(一番高いところは20メートル)、外周2キロメートルで会場をぐるっと囲んでいます。
雨除けや、日差しが強い猛暑の時期の日除けになるほか、会場全体を見渡したいときには屋根の上にも登れます。
大石「いいジョギングコースにもなる」
日本の伝統的工法で作られた世界最大級の木造建築物であり、釘などはほとんど使われていません。
大石「賛否はありますが…建築物ということだけでみると『すごいな、日本の伝統技術は』というような印象を持ちました」
万博といえばパビリオン。日本館のほか、各国のパビリオンが集います。
正面に巨大LEDディスプレイ(高さ10メートル・幅27メートル)がそびえるのは韓国のパビリオン。韓国企業のLG電子製造で、韓国文化が映し出されます。
大石「ITやK-POPカルチャー。売りにしているものがひと目でわかる。非常に印象深いものがありましたね」
建設費や工事には批判の声も…
他に大石の目に留まったのは、オランダパビリオンの外観。
建物の中央に位置する「太陽」は、1970年大阪万博のシンボル「太陽の塔」をオマージュして作られたとのこと。中に入ると「光る球体」を渡され、光の方向に向かって進みます。
また、高さ3メートル・重さ10トンの巨大な石がいくつもあったのは会場のトイレ。
これらの石は大阪城の再建に使われなかった「残念な石」なのだそう。
屋根が柱代わりの石の上に乗っている、と大石は説明します。
大石「皆さん、想像つかないでしょ?行かないとわからないかもれませんね」
見どころもある一方で、大阪・関西万博にはさまざまな批判の声も。
人件費や建築資材の高騰により、建設費1250億円がほぼ倍の2350億円に膨れ上がったため、「見通しが甘かった」との批判があります。
来場者2200万人が訪れ、130億円の黒字だった愛・地球博。今回は2800万人の想定だそうです。赤字になった場合、誰が補填するかという問題も残されています。
現在、急ピッチで進んでいる工事。
5千人が投入された一方、そのために能登半島の復興が遅れているという指摘も。
さらに、工事中に起きたメタンバスの爆発事故や、万博跡地がIR(カジノを含む統合型リゾート)計画に利用されるという懸念もあります。
大石「賛成できないという人もいらっしゃる」
賛否両論の大阪・関西万博、いったいどうなるのか注目しましょう。
(nachtm)