専門医が解説!症状別五十肩の治療法
毎週木曜日の『CBCラジオ #プラス!』では、多治見スマートクリニック整形外科専門医の福田誠先生が健康に関する情報を紹介しています。12月12日の放送でピックアップしたのは「五十肩」ついてです。
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「五十肩」とは医学的には「肩関節周囲炎」と呼ばれています。
その原因は、肩周りの外から見える筋肉(アウターマッスル)と、肩の奥にある小さな筋肉(インナーマッスル) の間で炎症が起きてしまうこと。
肩関節周囲炎の治療は、まずこの炎症を抑えることで、いくつかの方法があるそうです。
まずは肩をしばらく安静にすること。
福田「炎症が強い時に、のど風邪引いて腫れてるのに走り回るといけないように、痛い時に無理に動かしてしまうと、やはりその炎症が悪化してしまう場合があります」
その次に、薬で炎症を抑えること。
一般的には湿布のような皮膚から、肩に炎症を抑える薬を染み込ませて届けるもの、口から飲む薬もあります。
このように五十肩では、まず安静にしながら薬で治療することが大切だといいます。
上がらない肩の治療法
さらに炎症が強くなってくると、夜間に寝返りをするだけでも肩が痛くて寝れなくなるケースがあります。
こうなると安静や湿布、飲み薬でも痛みが改善しない場合もあるようです。
その際、肩の中に直接炎症を抑える薬を注射することを勧める福田先生。
注射は効率よく薬が肩に届き、また、肩の筋肉同士の滑りを良くする効果も期待されるということです。
また五十肩でよくあるのは、痛みとともに腕が上がらなくなること。
これは肩の中にある筋肉同士の動きが噛み合わなくなるのが原因で、腕を重力に逆らって上げることができなくなるとか。
福田先生によると、この肩の動きが悪い方に有効なのはリハビリだそうです。
肩の筋肉の動きを理解している理学療法士と一緒に、噛み合わなくなった筋肉がスムーズに動くように調整すれば、肩の動きの改善が期待されます。
五十肩の検査の仕方
では、肩の筋肉の状態を評価するには、どのような検査があるのでしょうか?
まず一つはMRI。
福田「肩の中の筋肉の中の様子から骨の状態まで見える点においては優れているんですが、MRIってじっとして撮るじゃないですか。いわゆる静止画なんですね」
どこの噛み合わせが悪いか、肩の動きを動画で調べたい場合は、超音波検査が有用です。
また、様々な治療を受けても改善しない患者の中には、 肩の中にある腱板という小さなインナーマッスルの一部が切れてしまっている場合があるんだとか。
福田「腱板損傷とかですね、腱板断裂という状態がそれに当たるんですが、場合によってはこの肩の中で切れてしまった腱板を縫い合わせるような手術をしないと肩が上がらないっていう場合もあるんですよね」
肩の状態によって治療もそれぞれ違うようです。
五十肩で悩んでいる方は、一度専門医に相談してみてはいかがでしょうか?
(ランチョンマット先輩)