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航空自衛隊T4練習機が犬山市・入鹿池に墜落!フライトレコーダー未搭載で原因究明に壁

航空自衛隊T4練習機が犬山市・入鹿池に墜落!フライトレコーダー未搭載で原因究明に壁

5月14日午後、航空自衛隊のT4練習機が愛知県の小牧基地を離陸した直後に犬山市の入鹿池に墜落し、航空自衛隊は現場周辺で機体の一部や隊員のヘルメットなどの持ち物が見つかったと明らかにしました。墜落の原因や練習機に乗っていた男性隊員ふたりの安否は分かっておらず、防衛省は引き続き現場の捜索を行なうということです。5月15日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、パーソナリティの永岡歩アナウンサーとCBC論説室の石塚元章特別解説委員が、事故機の状況や原因究明の課題について解説しました。

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原因究明の課題

東海エリアではおなじみの愛知県犬山市・入鹿池への墜落ということで、関心を持つ人が多いと思われるこの事故ですが、原因究明には大きな課題があるようです。

墜落したT4練習機は古い機体で、フライトレコーダーやボイスレコーダーは搭載されていませんでした。順次搭載を進めている段階でしたが、今回の機体にはなく、事故原因の詳細な調査が難しくなっています。

永岡「練習機だから設備が軽くてもいいと思うのか。ベテランではない人たちが運転するため何が起きるかわからないので、設備を充実させておくのかというのは、意見が分かれるところですね」

「練習機」という名称ではありますが、単に練習のためだけに使われるものではなく、ブルーインパルスでも使用されている小回りの利く機体です。

今回のフライトは練習ではなく、九州の新田原(にゅうたばる)基地に所属するF15戦闘機を小牧基地に修理のため運び込み、その後パイロットが帰還するための「足」として使用されていたものでした。

毎年発生する自衛隊機の事故

実は自衛隊機の事故は毎年のように発生しており、2022年、2023年、2024年と3年連続で隊員が亡くなっています。

永岡が新聞で見た情報によると、入鹿池のレンタルボード店の方や現場近くで働く方からは「ものすごい音がした」「雷が落ちたような大きな音だった」という証言が寄せられているそうです。

また、近隣の博物館明治村を訪れていた方からは「戦闘機のようなものが頭を下にして回転しながら落ちていった」という目撃情報があったことも報じられています。その角度は「アクロバット飛行ではないか」と思えるほどだったそうです。

また、墜落現場となった入鹿池の周辺には、明治村をはじめ観光施設や学校があり、石塚は「もし池以外の場所に墜落していたら大変なことになっていた」と指摘しました。

事故機がその瞬間にどのような動きをしたのかについては、調査を待つ必要があります。

安否確認と安全対策の課題

永岡「練習機に不安を持ってしまうと、練習もはかどらないですよね。『怖いな』と思います」

石塚「いま一旦止めてますけどね。自衛隊はT4を飛ばさないと言ってますけど。その指摘はその通りですね。早く原因がわかって再開できることが一番いいんでしょうね」

今回の事故では、フライトレコーダーが搭載されていなかったこともあり、原因の特定には時間がかかる見通しです。
周囲に観光施設や学校がある地域での墜落だったことを考えると、被害が広がらなかったのは不幸中の幸いともいえます。

引き続き行方が分かっていない隊員ふたりの安否と、事故原因の究明が待たれます。自衛隊の安全管理体制や練習機のあり方についても、あらためて見直しが求められそうです。
(minto)
 

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