引退する中日・田島慎二投手。各ピッチャーの想いとは
月曜日の『CBCラジオ #プラス!』では、プロ野球実況を務めるCBCアナウンサー光山雄一朗が独自の取材を元に中日ドラゴンズの情報をお届けしています。10月4日から行われる3連戦が今シーズン最後の試合。中日ドラゴンズは結果こそふるいませんでしたが、注目のタイトル争いの行方も気になります。9月30日の放送ではこのタイトル争いについて、そして引退セレモニーを行なう田島慎二投手への各ピッチャーの想いを、光山が紹介しました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴くタイトル争い、注目は松山晋也投手
タイトル争い、まずはライデル・マルティネス投手のセーブ王が確定しました。
また、最優秀防御率のタイトルに期待がかかります。
そんな中で光山が気になるのは、最優秀中継ぎを狙う松山晋也投手。
タイトルの指標になっているホールドポイントは42で2位と、1位の阪神タイガース・桐敷拓馬投手を1ポイント差で追っています。
この記録に関して先日松山投手は「湖も山も2位ってぱっと浮かばないでしょ。2位だと意味はない。記憶には残るかもしれないけど、2位だったら記録には残らない。自分はアマチュアではなく、もうプロの世界で生きているので」と1位を目指していく姿勢を見せました。
今シーズンこだわってきたこと
松山投手がプロ2年目の今シーズンを過ごした上でのこだわりは、「まっすぐの速さを追い求めていくこと」だそうで、「スピードを上げればいろんなことが解決できる」と結論づけました。
例えば「何キロ以上だと相手バッターを抑える確率が高い」「速いボールをこのあたりに投げると抑える確率が高い」松山投手によるとこれらはデータで裏付けられているそうです。
アマチュア時代は数字やデータが充実していなかったため重視してきませんでしたが、プロの世界に入りデータが充実していることを実感し、データを重視するようになったそうです。
去年以上に今年、今シーズンはデータをチェックして参考にして試合に臨んでいる松山投手、1位というデータ(記録)を刻めることはできるのでしょうか?
祖父江大輔投手の田島慎二投手への思い
注目ポイントのもうひとつ。10月5日に田島投手が引退セレモニーを行ないます。
2011年のドラフト3位で東海学園大学から中日に入団し、中日一筋の田島投手はルーキーイヤーには56試合に登板。
入団してから6年連続で40試合登板し、中継ぎ陣とリリーフ陣を支えてきました。
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016年では開幕から31試合連続で無失点という脅威の記録を残し、通算の登板数は461と中日球団として歴代10位の成績です。
さらには通算のホールドポイント数も球団歴代4位。この球団に貢献してきたというのがこの数字上も伺えます。
先日行なわれた田島投手の引退会見には、友達のような間柄だと話している祖父江投手と大野雄大投手が花束を持って登場。
仲の良い祖父江投手に、光山が田島投手の引退に関して話を伺いました。
引退を聞いたのは祖父江投手の自宅。田島投手は祖父江投手に「渡したいものがある」という名目で家に訪れ、引退決意の報告をしたそうです。
1、2時間ほどふたりで話をし、祖父江投手は田島投手から「1年でも長く頑張ってくださいね」と応援の言葉をかけられたようです。
祖父江投手は田島投手の引退について「入団した時からずっと仲がよく、そして毎日のように一緒にいたので、やっぱり引退を聞いた時は寂しかったですね。いい形で送り出したいです」と意気込みました。
この日、田島投手と祖父江投手のリレーが見られるかもしれません。
田島投手の思いを福投手が受け継ぐ
光山は、入団当時から田島投手に可愛がられていた福敬登投手にも取材しました。
3つ上の先輩にあたる田島投手からプロの中継ぎとしての心構えをイチから教えてもらったそうです。
投げて抑えられなかった時に凹みやすい性格だったという福投手。
次の日までその気持ちを持ち越していた時に田島投手から「そんな姿こっちが気を使うからやめてくれ。ゲームが今から始まるのにくよくよしてどうするんだ」と喝を入れられたことがあるんだとか。
このような中継ぎの立場として大事なことを、いま福投手は後輩に伝えているそうです。
田島投手から脈々と中継ぎ投手としての心構えが受け継がれていきます。
引退会見でに田島投手は、後輩から見た自身のことを「良い先輩ではない」と評価しました。
三浦優奈「厳しい先輩はいないといけないですから、それを買って出てくれてたってことですもんねえ。そういう先輩がいるチームは素敵だと思いますよ」
中日ドラゴンズはあと3試合。
タイトル争いももちろん、引退する田島投手の姿と、見送る仲間たちの思いにも注目です。
(ランチョンマット先輩)