なぜ?令和の短歌ブームが若者を中心に
季語は必要なく、自分の気持ちや情景を綴って作品とする短歌。最近若者を中心にそのブームが来ているそうです。9月24日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、山本衿奈が令和の短歌について紹介しました。聞き手はCBCアナウンサー光山雄一朗です。
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最近、本屋に短歌コーナーが設けられているほどブームが来ているという短歌。
さらに短歌を作り公開できる短歌特化型アプリには、月に8,000もの投稿があったり、外食チェーン「なか卯」公式Xには商品のPRが短歌で綴られていました。
固いイメージがある短歌、なぜ若者の間で人気なのでしょうか?
山本によると、一番の理由はSNS、特にX(旧Twitter)との相性が良いからです。
作る側は作った短歌を気軽に投稿でき、多くのユーザーに見てもらうことが可能で「#短歌」や「#tanka」をつけて投稿する人が相次いでいます。
また見る側も、普段から短歌に馴染みのない人が今から短歌を見ようとすると構えてしまう場合があるところ、Xだと何気なく目に入ってくるので受け入れやすいんだとか。
さらに短歌をSNSで見た人が「自分でもできるのでは?」と思い短歌を作って投稿する…その連鎖で広がりを見せています。
アレンジを楽しむSNS
簡単に始められる一方で、文字数が短いからこその言葉選びの難しさがあり、手軽な反面、奥深さがあるというのも初心者から玄人まで楽しめる魅力のひとつ。
山本がSNSらしいと思ったのが、歌人・岡本真帆さんの投稿。
「ほんとうにあたしでいいの? ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし」
岡本さんの自宅の玄関にあるビニール傘5本を見て「ズボラな私でもいいの?」と乙女心を詠んだ短歌ですが、この短歌がXで大喜利大会のようになっているそうです。
「ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし」に続く7・7の下の句を自分に当てはめる作品を様々なユーザーが制作し投稿しています。
例えば山本なら、洗濯した服が山積みになっているズボラさを詠んだ「洋服こんなに積んじゃってるし」。
SNSではお皿に移さず食べるズボラさを「ラーメン鍋からそのまま食べるし」と表現するなど、たくさんのアレンジが投稿されています。
山本は「これをきっかけに短歌に興味を持った人もいるのでは?」と感じたそうです。
すぐに見てもらえる令和の短歌
手軽さとSNSとの良い相性が巻き起こしている令和の短歌ブーム。
光山「SNSとの親和性がけっこうあった、投稿することによって見てもらえるという土壌があるからこそ、ここまでのブームになっているのかなって感じがしますね」
山本「以前は雑誌に投稿してそれが採用されたら雑誌に載るとか、短歌を見てもらうまでのハードルが高かったんですが、今はポストしたら誰でも見てもらえるというそういった環境になっていますよね」
短歌は季語を必要としない分ハードルが低いもの。
山本はいろんな短歌を見て、フリーダムでいいのだと感じたそうです。
そこで山本も短歌に挑戦しました。
山本「休み明け 仕事や学校 行きたくない プラスを聴いて 気を紛らわせよ」
光山「シンプルでストレートに言葉が入ってくる」
最後に光山の一句で締めました。
光山「早く見たい 中日優勝 胴上げシーン その時私は 実況席にて」
山本「うん、真面目な句でしたね」
光山「いいじゃない…」
短歌はフリーダムでいいと感じた山本。しかし放送のオチとしては笑いを求めていたかもしれません。
(ランチョンマット先輩)