百条委員会で証言、兵庫県知事は今後どうなる?
斎藤元彦兵庫県知事のパワハラ疑惑などが文書で告発された問題を巡り、先月に開かれた兵庫県議会の百条委員会では斎藤知事本人が出席し、証人尋問が行われました。さまざまな問題が浮かび上がってきた中で、今後はどのように進んでいくのでしょうか?9月4日放送『CBCラジオ #プラス!』では、この問題についてCBC論説室の石塚元章特別解説委員が解説しました。
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最近ニュースでよく聞かれるようになった百条委員会。この名前は地方自治法の第百条から来ているもので、自治体事務で何か問題が発生すれば、特別委員会を議会に設けて調査することができる仕組みがあります。
この委員会は権限がかなり強く、調査のために証人を呼んだり資料を提出させることができます。
そして、調査される立場としては、病気などの正当な事情がない限りは証言拒むことはできず、嘘の証言には罰則が設けられます。
今回百条委員会にかけられた問題は、兵庫県の元幹部が知事を7項目に渡り告発したことが発端です。
7項目の中身は、県職員へのパワハラ言動の実例や、県内の企業に訪問した際、高級品をお土産に出すよう圧力をかけたこと。
また、阪神・オリックスの優勝パレードの際、思うように寄付金が集まらなかったことから、企業に補助金を配り、それをキックバックさせていかにも寄付したように見せかけたことも大きな問題として取り上げています。
守られなかった告発者の権利
それに対して斎藤知事は告発内容を「嘘八百」と言い切ったうえで、業務時間内にこのような内容の資料を作って配るのは公務員失格だと会見で断罪。
さらに真偽の判断をする前に告発した元幹部に停職3か月の懲戒処分を下し、結果的にこの元幹部は自死をしました。
現在、情報番組などでは飲食店での態度などパワハラの言動が大きく取り上げられていますが、一番の問題は内部告発をした人を明らかにして懲戒処分を下したこと。
公益通報者保護法という法律があり、本来は内部告発者は権利を守られなければなりませんが、今回まったく機能しませんでした。
その理由について斎藤知事は「嘘の内容なので内部告発に当たらないと思った」と主張していますが、県職員向けのアンケートでは「パワハラを実際に見た」という人が59名にものぼっています。
全体から見ると割合は少ないかもしれませんが、59名が実際に目撃したのであれば、さすがに「嘘八百」と言い切るには無理があります。
今後はどうなる?
また、知事ひとりだけの問題ではなく、組織の問題という意見もあります。
知事の周りにいる人たちが、亡くなった告発者のパソコンを調べる際、個人情報まで調べて知事に教えたり、本人に圧力をかけたと言われています。
組織の上の人に対して忖度するというのはどうしても起こりうることで、そこが組織の難しさともいえます。
今後の注目ポイントとして石塚は、百条委員会を経て議会が不信任決議を提出するのか、その際に今まで知事を推してきた維新の会はどのような立場を取るのかという点を挙げました。
(岡本)