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お笑い芸人・やす子さんが復帰した「予備自衛官」とは?

お笑い芸人・やす子さんが復帰した「予備自衛官」とは?

今年の4月から元自衛隊のお笑い芸人・やす子さん「即応予備自衛官」として復帰しました。そもそも予備自衛官とは、あまり聞きなれない言葉ですがどういった仕事なのでしょうか?8月20日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、予備自衛官について、CBC論説室の北辻利寿特別解説委員がレクチャーします。

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予備自衛官とは

世界各国ではいざという時に必要となる防衛力を確保するために「予備役制度」を設けています。日本でも予備自衛官制度があります。どんな制度でしょうか?

北辻「予備自衛官とは非常勤の特別国家公務員という立場です。自衛隊はこの夏70周年です。予備自衛官も同じ年に作られたので70年の歴史を持ちます。

予備自衛官は、普段は会社員とか自営業、学生など、自衛隊員とは違う職業や立場です。何か大きなことが起きた時に、自衛隊の戦力を補強するために召集されます。

具体的にどんな仕事をするかというと、例えば2011年東日本大震災、2016年熊本地震、それぞれ自衛隊員とともに被災地に派遣されています。今年、1月の能登半島地震の時も、医師や看護師らの予備自衛官20人が現地入りしています。

2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大の時も予防接種会場が全国にありましたが、あの時、自衛隊が協力しましたが、そこにも派遣されています。

何か大きなことが起きた時に自衛隊の戦力を補強するために呼ばれる人たちです」

両立が難しい

北辻「定員が4万8000人と言われています。制度が始まった当初は1万5000人でした。3倍に増員されています。ただし、全体の中では現在定員割れしていて、7割ほどしか定員を満たしていません」

なり手がないということですか?

北辻「理由として考えられるのは、他の仕事をやりながらですから、普段の仕事との両立が難しい。
年齢制限が厳しいこと、手当が安いことがあります。予備自衛官の支給手当は年間4万8000円です。1カ月4,000円。いざという時に普段の仕事を中断していけるか、ということも問題です。

年齢制限は最初は34歳未満でした。これも最近52歳未満に引き上げられました。募集はゆるやかになっています」

新たな予備自衛官補制度

北辻「定員を確保するために新たに始まったのが、予備自衛官補制度です。
もともと予備自衛官は自衛隊での勤務経験があることが採用の条件でした。応募人数を増やすために、未経験者でも加わることができるように設けたもので、2002年から始まりました。

この人たちは自衛隊での経験がなくても、研修や訓練を受ければ予備自衛官になれます。
例えば一般公募の隊員は3年以内にあわせて50日間の研修を受ければなることができます。訓練期間は日額8,000円が支給されます。それだけ募集に力を入れています」

定員割れをなんとか

課題はあるのでしょうか?

北辻「定員割れが大きなテーマです。最近では、企業など雇用主に自衛隊から説明するシステムを始めていますし、今年1月から年齢制限を52歳未満に引き上げました。
今年の5月、公募の隊員の研修期間も3年から『5年以内に50日間』と期間を延ばしました。とにかく、募集をしたいという取り組みをしています。

退役した自衛隊員による即応予備自衛官というOB、OGの活用もあります。1年以上自衛官として勤務して、退職後1年未満であることでまた採用されるというシステムです」

隊員の高齢化

北辻「実は、自衛隊そのものも定員割れしています。ところが、自衛隊の仕事自体は増えています。
沖縄などの南西諸島への防衛力配備も問題になっていますし、地震や大雨など後を絶たない自然災害もあります。

隊員の高齢化も進んでいて、これは日本社会全体の問題でもあり、人口減少、少子化の問題があり、これが自衛隊、予備自衛官にも関わってきているのが現状です」

ちなみに元自衛隊のお笑い芸人・やす子さんが復帰のは「即応予備自衛官」です。聞きなれない言葉ですが、説明を聞くと大事な役割だと感じます。
(みず)
 

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